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小児終末期における家族への関わり

看護師国家試験 第107回 午前 第78問 / 小児看護学 / エンド・オブ・ライフにある子どもと家族への看護

国試問題にチャレンジ

107回 午前 第78問

Aちゃん( 8歳、女児 )は、白血病( leukemia )の終末期で入院しているが、病状は安定している。両親と姉のBちゃん( 10歳 )の4人家族である。 Aちゃんの家族へ看護師が伝える内容として適切なのはどれか。

  1. 1.「Aちゃんは外出できません」
  2. 2.「Bちゃんは面会できません」
  3. 3.「Aちゃんが食べたい物を食べて良いです」
  4. 4.「Aちゃんよりもご家族の意思を優先します」
  5. 5.「Aちゃんに終末期であることは伝えないでください」

対話形式の解説

博士 博士

今回は白血病終末期のAちゃんとご家族へのケアについて考える問題じゃ。

アユム アユム

8歳で白血病の終末期、病状は安定しているんですね。

博士 博士

そうじゃ。ここで大事なのは「病状は安定している」という情報じゃ。緊急対応や厳格な制限が必要な状態ではない。

アユム アユム

終末期のケアの基本原則はどうでしたっけ。

博士 博士

エンド・オブ・ライフケアでは、残された時間のQOLを最大化することが目標じゃ。身体的苦痛の緩和、本人の意思尊重、家族との時間確保、好きなことの継続、家族へのグリーフケアが5本柱じゃ。

アユム アユム

小児でも本人の意思を尊重するんですね。

博士 博士

その通り。かつては子どもの意思は軽視されがちじゃったが、現代ではたとえ幼くても本人の理解力に応じて意思を尊重するのが基本姿勢じゃ。

アユム アユム

選択肢3の「食べたい物を食べて良い」はこの原則に合いますね。

博士 博士

そうじゃ。病状が安定しておれば特段の食事制限は不要で、本人の好物や食べたいものを楽しむことが大切な時間となる。

アユム アユム

食事は単なる栄養摂取ではなく、生きる楽しみそのものですね。

博士 博士

その通り。家族と食卓を囲むことも思い出になる。

アユム アユム

選択肢1の「外出できません」はどうですか。

博士 博士

病状が安定しておるなら外出の制限は不要じゃ。家族での外出や思い出作りの機会はむしろ積極的に支援すべきじゃ。

アユム アユム

選択肢2の「Bちゃんは面会できません」も違いますね。

博士 博士

姉のBちゃんとの関わりは極めて重要じゃ。きょうだいは共に過ごした時間が家族の宝物になるし、Bちゃん自身のグリーフケアにもつながるのじゃ。

アユム アユム

きょうだいへのケアって大事なんですね。

博士 博士

その通り。病気のきょうだいを持つ子どもはシブリングスと呼ばれ、不安・孤立感・親の関心が妹に向くことへの葛藤などを抱えやすい。Bちゃん自身も支援対象じゃ。

アユム アユム

選択肢4の「家族の意思を優先」も違います。

博士 博士

8歳でも自分の意思や希望を表現できる年齢じゃ。家族優先で本人の意思を無視するのは小児緩和ケアの理念に反する。

アユム アユム

選択肢5の告知についてはどうでしょう。

博士 博士

告知は本人の年齢・理解力・家族の意向・医療チームの判断を総合して決める繊細なテーマじゃ。看護師が一方的に「伝えないで」と指示するものではない。

アユム アユム

むしろ本人が自分の状態を理解した上で意思決定できる支援が必要なんですね。

博士 博士

そうじゃ。最近は年齢に応じた適切な情報提供と意思確認が推奨されておる。

アユム アユム

家族全体をケアの対象として見る視点が大切ですね。

POINT

小児終末期のケアでは、病状に応じた苦痛緩和とともに本人のQOL・意思尊重・家族時間の確保が重要です。病状が安定している場合、食事・外出・面会の制限は最小限にし、本人の好きなことや家族との時間を支援することがケアの中心となります。きょうだい(シブリングス)も支援対象として捉え、告知は多職種と家族で丁寧に検討します。選択肢3のようにAちゃんの希望を尊重して好きな物を食べさせる姿勢が、現代の小児緩和ケアの基本といえます。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:Aちゃん( 8歳、女児 )は、白血病( leukemia )の終末期で入院しているが、病状は安定している。両親と姉のBちゃん( 10歳 )の4人家族である。 Aちゃんの家族へ看護師が伝える内容として適切なのはどれか。

解説:正解は3です。小児の終末期(エンド・オブ・ライフ)ケアでは、子どもの残された時間のQOLを最大化することが最優先となります。具体的には、(1)身体的苦痛の緩和、(2)子ども自身の意思と希望の尊重、(3)家族(親・きょうだい)との時間の確保、(4)普段通りの生活や好きな活動の継続、(5)家族へのグリーフケアが重要な柱となります。設問のAちゃんは8歳で病状は安定しているため、食事制限を一律に強いる必要はなく、本人の好きな物・食べたい物を食べさせて残された時間の楽しみやQOLを大切にする関わりが適切です。きょうだい(Bちゃん)との面会や外出も、本人と家族の希望に沿って積極的に調整すべきであり、Aちゃん自身の意思を最優先に据えることが現代の小児緩和ケアの基本姿勢です。病状告知についても本人の年齢・理解力・家族の意向を踏まえて対応する必要があり、看護師が一方的に家族へ「伝えないで」と指示するのは適切ではありません。

選択肢考察

  1. × 1.  「Aちゃんは外出できません」

    病状が安定しているため、本人や家族の希望があれば外出は積極的に支援すべきで、一律に禁じるのは不適切です。

  2. × 2.  「Bちゃんは面会できません」

    きょうだいとの時間は家族の大切な思い出づくりとグリーフケアにつながるため、面会制限は適切ではありません。

  3. 3.  「Aちゃんが食べたい物を食べて良いです」

    病状が安定した終末期では、本人の嗜好と希望を尊重し好きな物を食べさせることがQOL向上と楽しみの確保につながります。

  4. × 4.  「Aちゃんよりもご家族の意思を優先します」

    小児であっても本人の意思の尊重が基本であり、家族優先で本人の希望を無視するのは現代の小児緩和ケアの理念に反します。

  5. × 5.  「Aちゃんに終末期であることは伝えないでください」

    告知は本人の年齢・理解度・家族の意向を踏まえ医療チームで検討すべき事項で、看護師が一方的に家族へ指示するものではありません。

小児緩和ケアのきょうだいケアも重要で、姉であるBちゃんにも不安・悲嘆・孤立感が生じやすいため、情報共有と感情表出の場を提供する必要があります。病気のきょうだいを持つ子どもを「シブリングス」と呼び、家族全体を支援対象として捉える視点が大切です。

小児終末期における本人の意思と家族の時間を尊重したケアを問う問題。QOLとエンド・オブ・ライフケアの基本原則を押さえましょう。