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正常新生児の生理的特徴を見抜く

看護師国家試験 第108回 午前 第88問 / 小児看護学 / 健康増進のための小児看護

国試問題にチャレンジ

108回 午前 第88問

出生直後の正常新生児に当てはまる特徴はどれか。2つ選べ。

  1. 1.生理的に多血である。
  2. 2.腸内細菌叢が定着している。
  3. 3.噴門部の括約筋は発達している。
  4. 4.Babinski<バビンスキー>反射がみられる。
  5. 5.胎盤を通じて母体からIgMが移行している。

対話形式の解説

博士 博士

新生児の体は胎内から胎外への適応の最中で、大人とは違う生理がたくさんあるよ。

アユム アユム

Hbの値が高いと聞いたことがあります。

博士 博士

その通り。胎児は子宮内の低酸素環境に適応するため赤血球を増やしていて、出生時のHbは14〜20g/dL、Htは45〜65%と生理的多血だ。だから1が正解。

アユム アユム

その後貧血になるんですよね?

博士 博士

出生後は肺呼吸で酸素が豊富になり赤血球の寿命も短いため破壊され、生理的黄疸や生後2〜3か月の新生児貧血につながる。

アユム アユム

もう1つの正解は?

博士 博士

4のBabinski反射だね。錐体路の髄鞘化が未熟なため2歳頃までは生理的に出る。新生児期にみられるのは正常だよ。

アユム アユム

2の腸内細菌叢は?

博士 博士

出生時は無菌状態で、産道通過や哺乳、環境から細菌を獲得して数日かけて定着していく。だから「定着している」は誤り。

アユム アユム

噴門部の括約筋は?

博士 博士

下部食道括約筋が未熟で緊張が弱いから溢乳や嘔吐が多い。発達していないのが正常だよ。

アユム アユム

5のIgMはどうですか?

博士 博士

胎盤を通過できる免疫グロブリンはIgGだけ。IgMは分子が大きすぎて通過できない。新生児でIgMが高い場合は子宮内感染を疑う重要な所見だ。

アユム アユム

他の原始反射も教えてください。

博士 博士

モロー反射は4〜6か月、把握反射は3〜4か月、吸啜反射や緊張性頸反射、自動歩行、Babinskiは2歳頃まで。消失時期が異常だと神経発達の問題を疑うよ。

アユム アユム

新生児の免疫の弱い時期は?

博士 博士

母体由来IgGが生後数か月で消えていく一方、自分のIgG産生はゆっくり。生後3〜6か月は生理的な低ガンマグロブリン期で感染に弱い。

アユム アユム

新生児の適応現象として整理しやすくなりました。

POINT

正常新生児は胎内低酸素環境への適応として生理的多血を示し、錐体路髄鞘化が未熟なためBabinski反射などの原始反射が生理的に出現します。腸内細菌叢は出生後に定着し、噴門部括約筋は未発達、胎盤通過するのはIgGのみでIgMは通過しません。これらの生理的特徴を理解することで、新生児の異常所見を正しく評価できます。

解答・解説

正解は 1 4 です

問題文:出生直後の正常新生児に当てはまる特徴はどれか。2つ選べ。

解説:正解は 1 と 4 です。正常新生児は胎内での低酸素環境に適応した多血症(Hb 14〜20g/dL)を示し、また錐体路の髄鞘化が未熟なためBabinski反射などの原始反射が生理的に出現します。

選択肢考察

  1. 1.  生理的に多血である。

    胎児は子宮内の低酸素環境で赤血球を増加させて酸素を運ぶため、出生時Hb 14〜20g/dL、Ht 45〜65%と生理的多血を示します。生後は赤血球寿命の短さから生理的黄疸や新生児貧血へ移行します。

  2. × 2.  腸内細菌叢が定着している。

    出生時の腸内は基本的に無菌状態で、産道通過や哺乳、環境との接触により生後数日かけて細菌が定着していきます。出生直後には定着していません。

  3. × 3.  噴門部の括約筋は発達している。

    新生児は下部食道括約筋(噴門部)の発達が未熟で緊張が弱いため、溢乳や嘔吐を起こしやすいのが特徴です。

  4. 4.  Babinski<バビンスキー>反射がみられる。

    足底外側を刺激すると母趾が背屈し他趾が扇状に開く反射で、錐体路の髄鞘化が未熟な2歳頃までは生理的に出現します。新生児期にはみられる正常所見です。

  5. × 5.  胎盤を通じて母体からIgMが移行している。

    胎盤を通過できる免疫グロブリンはIgGのみで、IgMは分子量が大きく通過しません。新生児のIgMが高値なら子宮内感染を示唆します。

新生児の原始反射にはモロー反射(4〜6か月で消失)、把握反射(3〜4か月)、吸啜反射、緊張性頸反射、自動歩行、Babinski反射(2歳頃まで)などがあります。これらが消えない・左右差がある場合は中枢神経障害を疑います。免疫面では母体由来IgGが生後数か月で減少し、児自身のIgM・IgGの産生と並行して生理的な低ガンマグロブリン期を迎えます。

新生児の生理的特徴(多血・消化管未熟・免疫・原始反射)を総合的に理解しているかを問う問題です。