Aちゃんの斜視はどのタイプ?
看護師国家試験 第104回 午前 第103問 / 小児看護学 / 状況設定問題
国試問題にチャレンジ
次の文を読み、以下の問いに答えよ。 Aちゃん(3歳、男児)は、斜視(strabismus)の手術のために母親とともに歩いて入院した。入院期間は3日の予定である。3週前に外来で医師と看護師がAちゃんに手術と入院とについて説明した。入院時、Aちゃんはやや緊張した表情をしているが「眼の手術をしに来たの。病院に2つ泊まるんだよ」と看護師に話した。 Aちゃんの眼の状態を図に示す。 Aちゃんの斜視(strabismus)はどれか。
- 1.右内斜視(right convergent strabismus)
- 2.右外斜視(right divergent strabismus)
- 3.左内斜視(left convergent strabismus)
- 4.左外斜視(left divergent strabismus)
対話形式の解説
博士
今日は3歳のAちゃんの斜視を見てみるぞ。図の眼の向きを観察してみるんじゃ。
サクラ
左目が鼻のほうに寄っているように見えますね。
博士
ふむ、よい観察じゃ。斜視は偏位方向で「内斜視」「外斜視」「上斜視」「下斜視」に分類されるんじゃ。
サクラ
内斜視と外斜視はどう区別するんでしたっけ。
博士
眼球が鼻側、つまり内側を向くのが内斜視、耳側を向くのが外斜視じゃ。英語ではconvergentが内転、divergentが外転を意味する。
サクラ
じゃあ左眼が鼻側を向いているAちゃんは左内斜視ですね。
博士
その通り。「左」が偏位している側、「内」が偏位の方向、と二段で覚えるんじゃ。
サクラ
斜視って見た目だけの問題じゃないんですよね?
博士
そうじゃ。3歳ごろは視機能発達の臨界期にあたり、放置すると弱視や両眼視機能の障害を残してしまう。
サクラ
だから早めに手術するんですね。
博士
眼筋の前転・後転で眼位を整える術式が一般的じゃ。Aちゃんの場合も視機能を守るための手術じゃのう。
サクラ
術前に絵本などでイメージできるよう説明していたのも、3歳らしい配慮ですね。
博士
プレパレーションは小児看護で大切な視点じゃ。
POINT
斜視は偏位の方向と眼の左右を組み合わせて分類します。Aちゃんは左眼が鼻側に内転しているため左内斜視です。3歳は視機能発達の臨界期であり、放置すると弱視や両眼視機能障害を残す恐れがあるため、外眼筋手術によって早期に眼位を整えることが重要です。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:次の文を読み、以下の問いに答えよ。 Aちゃん(3歳、男児)は、斜視(strabismus)の手術のために母親とともに歩いて入院した。入院期間は3日の予定である。3週前に外来で医師と看護師がAちゃんに手術と入院とについて説明した。入院時、Aちゃんはやや緊張した表情をしているが「眼の手術をしに来たの。病院に2つ泊まるんだよ」と看護師に話した。 Aちゃんの眼の状態を図に示す。 Aちゃんの斜視(strabismus)はどれか。
解説:正解は3です。図ではAちゃんの左眼の眼球が鼻側(内側)に偏位しています。眼球が内側に向く斜視を内斜視、外側に向く斜視を外斜視と呼ぶため、左眼が内転している本症例は左内斜視と判断します。
選択肢考察
-
× 1. 右内斜視(right convergent strabismus)
右内斜視であれば右眼が鼻側に偏位しますが、本症例は左眼が偏位しているため該当しません。
-
× 2. 右外斜視(right divergent strabismus)
右外斜視は右眼が耳側へ向く状態で、写真の所見と方向も眼球も一致しません。
-
○ 3. 左内斜視(left convergent strabismus)
左眼が鼻側に偏位している状態であり、convergent(内転性)に当たるため左内斜視と判断できます。
-
× 4. 左外斜視(left divergent strabismus)
左外斜視は左眼が耳側へ向く状態で、本症例の内側偏位とは方向が逆です。
斜視は偏位方向で内斜視・外斜視・上斜視・下斜視に分けます。乳幼児に多い乳児内斜視は生後6か月以内に発症し、両眼視機能の発達障害(弱視・両眼視異常)を残すため早期手術が原則です。手術は眼筋の前転・後転で眼位を整える方法で、Aちゃんの3歳という時期は視機能発達の臨界期にあたります。
斜視の眼位偏位の方向と左右を図から正確に判別できるかを問う問題です。
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