StudyNurse

てんかんが疑われる小児に最優先の検査

看護師国家試験 第104回 午後 第111問 / 小児看護学 / 状況設定問題

国試問題にチャレンジ

104回 午後 第111問

次の文を読み、問いに答えよ。 A君(8歳、男児)は、携帯型電子ゲームやサッカーが好きである。A君は宿題をしているときに、突然意識を失い、10数秒持続する四肢の屈曲を伴うけいれんを起こした。その後、全身の筋肉の収縮と弛緩を繰り返すけいれんが10秒程度続き、A君の呼吸は停止しチアノーゼが認められた。けいれんが終了し呼吸は回復したが、意識障害が持続していたため病院に救急搬送された。 A君の意識は徐々に回復したが、健忘が認められる。頭部CT検査で頭部外傷は認められなかった。A君は、てんかん(epilepsy)の疑いで入院した。 A君に対する検査で優先度が高いのはどれか。

  1. 1.脳波検査
  2. 2.知能検査
  3. 3.人格検査
  4. 4.脳脊髄液検査

対話形式の解説

博士 博士

A君は8歳で全身けいれんを起こし、てんかん疑いで入院したのじゃ。最初に行う検査は何が良いかのう?

サクラ サクラ

頭部CTでは異常がなかったのですよね。

博士 博士

そうじゃ。外傷性の出血や腫瘍は否定された。残るは機能的な異常の評価じゃ。

サクラ サクラ

てんかんは脳の電気活動の異常と聞いたことがあります。

博士 博士

その通りじゃ。神経細胞が過剰に同期して発火することで発作が起きる。これを直接捉えられる検査は何じゃろう?

サクラ サクラ

脳波検査ですね。棘波などの発作波を見るためですね。

博士 博士

見事じゃ。賦活法として過呼吸や光刺激、睡眠を組み合わせて誘発することもあるぞ。

サクラ サクラ

知能検査や人格検査はどうですか?

博士 博士

それらは発達や性格を見るもので、てんかんの確定診断にはつながらん。今回優先度は低い。

サクラ サクラ

脳脊髄液検査は感染症が疑われる時ですね。

博士 博士

その通り。発熱や髄膜刺激徴候があるなら考えるが、本症例では不要じゃ。

サクラ サクラ

まず脳波で異常波を捉えることが診断の第一歩なのですね。

POINT

てんかんは大脳ニューロンの過剰興奮による発作を繰り返す慢性疾患であり、診断の中心は脳波検査です。棘波や鋭波などの発作波の有無、焦点の局在を確認することで発作型分類や治療方針が決まります。小児では一回の検査で異常を捉えにくい場合もあり、必要に応じて反復測定が行われます。MRIや血液検査は補助的な位置づけです。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:次の文を読み、問いに答えよ。 A君(8歳、男児)は、携帯型電子ゲームやサッカーが好きである。A君は宿題をしているときに、突然意識を失い、10数秒持続する四肢の屈曲を伴うけいれんを起こした。その後、全身の筋肉の収縮と弛緩を繰り返すけいれんが10秒程度続き、A君の呼吸は停止しチアノーゼが認められた。けいれんが終了し呼吸は回復したが、意識障害が持続していたため病院に救急搬送された。 A君の意識は徐々に回復したが、健忘が認められる。頭部CT検査で頭部外傷は認められなかった。A君は、てんかん(epilepsy)の疑いで入院した。 A君に対する検査で優先度が高いのはどれか。

解説:正解は 1 の脳波検査です。A君は強直期と間代期を伴う全般発作を起こし、てんかんが疑われています。てんかんは大脳ニューロンの過剰な電気的興奮による発作を反復する慢性疾患であり、その異常興奮を直接捉えられるのが脳波(EEG)です。棘波や鋭波、棘徐波複合といった発作波の有無や局在を確認することで診断および発作型分類につながるため、まず行うべき検査となります。

選択肢考察

  1. 1.  脳波検査

    てんかんの本態は大脳神経細胞の異常な電気活動であり、これを記録できる脳波検査が診断の中心となります。賦活法(過呼吸・光刺激・睡眠など)を組み合わせて発作波を誘発し、発作型や焦点を評価できるため最も優先度が高い検査です。

  2. × 2.  知能検査

    知能指数や認知機能を評価する検査ですが、A君の問題文には発達遅延を疑わせる情報はなく、てんかんの確定診断にも直接寄与しないため優先順位は低いです。

  3. × 3.  人格検査

    性格傾向や心理的特徴を評価する検査で、てんかんの診断には用いません。発作の原因究明や治療方針決定に必要な情報は得られないため適切ではありません。

  4. × 4.  脳脊髄液検査

    髄膜炎や脳炎など中枢神経感染症や髄液中の異常蛋白を疑う場合に行う侵襲的検査です。今回は感染兆候の記載がなく、頭部CTでも器質的異常がないため第一選択にはなりません。

てんかんは年齢を問わず発症し、小児では脳の成熟に伴い波形が変化するため脳波は複数回測定することがあります。MRIは構造的病変の検索に、血液検査は代謝性原因の除外に併用されます。発作型分類(全般・焦点)と症候群分類は治療薬選択に直結するため、まず脳波で電気活動を可視化することが鉄則です。

てんかんが疑われる小児に対し、最優先で行うべき検査は何かを問う問題です。発作の本態が大脳の異常電気活動であることを理解しているかが鍵となります。