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入院中のてんかん患児への適切な指導

看護師国家試験 第104回 午後 第112問 / 小児看護学 / 状況設定問題

国試問題にチャレンジ

104回 午後 第112問

次の文を読み、問いに答えよ。 A君(8歳、男児)は、携帯型電子ゲームやサッカーが好きである。A君は宿題をしているときに、突然意識を失い、10数秒持続する四肢の屈曲を伴うけいれんを起こした。その後、全身の筋肉の収縮と弛緩を繰り返すけいれんが10秒程度続き、A君の呼吸は停止しチアノーゼが認められた。けいれんが終了し呼吸は回復したが、意識障害が持続していたため病院に救急搬送された。 入院後1週。A君は同じ病室に入院している他の患児と話したり、漫画を読んだりしてベッド上で過ごしている。入院後は抗てんかん薬を服用し、発作はみられていない。 このときのA君への指導内容で最も適切なのはどれか。

  1. 1.1人で入浴する。
  2. 2.病棟の外を散歩する。
  3. 3.好きな携帯型電子ゲームで遊ぶ。
  4. 4.病棟レクリエーションへ参加する。

対話形式の解説

博士 博士

入院1週でA君は発作なく経過しておるが、何の活動を勧めたら良いかのう?

アユム アユム

もう発作がないなら、自由に過ごしてもよいのではないですか?

博士 博士

甘いのう。抗てんかん薬で抑えていても再発作リスクはゼロではないのじゃ。

アユム アユム

では一人での入浴は危ないですね。発作で転倒や溺水のおそれがあります。

博士 博士

その通りじゃ。病棟外の散歩はどうかのう?

アユム アユム

付き添いなしだと、発作時に対応が遅れますね。

博士 博士

携帯型電子ゲームはA君の好きな遊びじゃが…

アユム アユム

画面の光刺激や長時間の集中で、光感受性発作が誘発される可能性がありますね。

博士 博士

鋭いのう。最初の発作も宿題中じゃったから疲労や集中も関係するかもしれん。

アユム アユム

すると、病棟内のレクリエーションが安全で気分転換にもなりそうです。

博士 博士

その通りじゃ。看護師がそばにおって、万一発作が起きてもすぐ対応できる環境じゃからな。

アユム アユム

同世代との交流は社会性の維持にも役立ちますね。

博士 博士

学童期はとくに大事じゃ。過度な制限は心の発達を妨げるからのう。

POINT

てんかん児の生活指導は安全と発達のバランスが重要です。発作コントロールが得られても再発のリスクはあるため、まずは見守りが確保された活動から段階的に拡げます。光刺激や疲労、睡眠不足は誘発因子となるため、ゲームなどは控えめにし、レクリエーション参加で気分転換と社会性の維持を図ります。退院後の生活指導につながる重要な看護視点です。

解答・解説

正解は 4 です

問題文:次の文を読み、問いに答えよ。 A君(8歳、男児)は、携帯型電子ゲームやサッカーが好きである。A君は宿題をしているときに、突然意識を失い、10数秒持続する四肢の屈曲を伴うけいれんを起こした。その後、全身の筋肉の収縮と弛緩を繰り返すけいれんが10秒程度続き、A君の呼吸は停止しチアノーゼが認められた。けいれんが終了し呼吸は回復したが、意識障害が持続していたため病院に救急搬送された。 入院後1週。A君は同じ病室に入院している他の患児と話したり、漫画を読んだりしてベッド上で過ごしている。入院後は抗てんかん薬を服用し、発作はみられていない。 このときのA君への指導内容で最も適切なのはどれか。

解説:正解は 4 の病棟レクリエーションへの参加です。入院1週で発作はコントロールされているものの、再発作の可能性は否定できません。看護師の見守りがある病棟内のレクリエーションは、安全を確保しながら気分転換や同年代との交流を図れる活動であり、ストレス軽減と社会性維持の両面で最も適切な指導内容です。

選択肢考察

  1. × 1.  1人で入浴する。

    浴室は転倒や溺水のリスクが高い場所で、もし発作が起これば命に関わります。発作が抑制されている時期でも単独入浴は推奨されず、見守りや声かけが可能な体制下での入浴が原則です。

  2. × 2.  病棟の外を散歩する。

    病棟外は環境刺激が多く、付き添いがない状況での発作には対応が遅れます。発作が起きた場合の救護を考えると、看護師がすぐ対応できる病棟内活動から段階的に行動範囲を広げるべきです。

  3. × 3.  好きな携帯型電子ゲームで遊ぶ。

    画面の点滅や強い光刺激は光感受性発作を誘発する可能性があり、長時間の集中による疲労や睡眠不足も発作の誘因となります。発作直後の入院中に積極的に勧める活動ではありません。

  4. 4.  病棟レクリエーションへ参加する。

    看護スタッフの見守りのもと、同世代の患児と交流しながら気分転換ができる活動です。長期入院による退屈やストレスの緩和、社会性の維持にも有用で、万一の発作にも即時対応できる安全な環境で実施できます。

てんかん児の生活指導では、発作のコントロール状況に応じて段階的に活動範囲を広げることが基本です。睡眠不足、過労、過換気、強い光刺激、発熱は発作誘因となるため避けます。学童期は社会性を育む大切な時期であり、過度な制限は心理発達に悪影響を与えるため、安全を担保しつつ参加可能な活動を促す姿勢が重要です。

発作がコントロールされた入院中の学童てんかん患児に対し、安全と心理社会的発達のバランスをどう取るかを問う問題です。