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SSTってどんな訓練?認知行動療法に基づく社会復帰の練習法

看護師国家試験 第114回 午前 第72問 / 精神看護学 / 精神疾患・障害がある者への看護

国試問題にチャレンジ

114回 午前 第72問

社会生活技能訓練<SST>について正しいのはどれか。

  1. 1.認知行動療法の1つである。
  2. 2.生活リズムの改善が目的である。
  3. 3.レクリエーション活動を中心に行う。
  4. 4.アウトリーチによる支援が原則である。

対話形式の解説

博士 博士

今日は精神科でよく行われるSST、社会生活技能訓練について解説するのじゃ。

アユム アユム

ロールプレイをするやつですよね。あれって何のためにやるんですか?

博士 博士

統合失調症などで長く入院した患者さんは、人と話す、頼みごとをする、断る、といった社会生活の基本的スキルが弱くなっていることが多い。これを段階的に練習して取り戻すのがSSTじゃ。

アユム アユム

ただ会話を練習するだけなんですか?

博士 博士

いやいや、もっと体系的じゃよ。SSTは認知行動療法を基盤にしておる。出来事に対する考え方(認知)と、それに伴う行動を見直して、適応的なパターンを身につける技法じゃ。

アユム アユム

認知行動療法の一種なんですね。

博士 博士

そう。基本ステップは、課題設定→ロールプレイ→他のメンバーや治療者からの正のフィードバック→改善点の練習→宿題、という流れじゃ。

アユム アユム

フィードバックって、ダメ出しされるんですか?

博士 博士

むしろ逆で、まず良かった点をしっかり褒める「正のフィードバック」を重視するのじゃ。自信を回復させ、次の挑戦への動機づけを高める狙いがある。

アユム アユム

生活リズムの改善が目的じゃないんですね。

博士 博士

そこが選択肢の引っかけポイントじゃな。生活リズムの調整は生活療法や作業療法の領域。SSTはあくまで対人スキル・問題解決スキルの獲得が目的じゃ。

アユム アユム

レクリエーションともちょっと違うんですね。

博士 博士

違う。レクリエーションは楽しみや交流が中心じゃが、SSTは具体的な課題(例:コンビニで買い物する、同僚に相談する)を決めて、それを段階的に練習する構造化されたプログラムじゃ。

アユム アユム

アウトリーチで行うものですか?

博士 博士

主には病院やデイケア、地域活動支援センターなどで集団または個別に行われる。最近は訪問型のSSTも増えてきたが、原則はあくまで施設内じゃな。

アユム アユム

看護師が関わることはあるんですか?

博士 博士

もちろん。SSTは医師、看護師、作業療法士、心理士、PSWなど多職種が協働して実施するもので、看護師はリーダーやコリーダーとして中心的役割を担うことが多いのじゃ。

アユム アユム

入院中だけでなく退院後の生活にもつながる訓練なんですね。

POINT

社会生活技能訓練(SST)は、認知行動療法を理論的基盤とする精神科リハビリテーション技法で、対人関係や日常生活に必要な具体的スキルをロールプレイや正のフィードバックを通じて段階的に習得させる方法です。リバーマンらにより体系化され、日本では1994年に診療報酬化され、入院生活技能訓練療法として広く実施されています。対象は統合失調症だけでなく、うつ病、発達障害、社交不安症など多岐にわたります。看護師は多職種チームの一員としてリーダーやコリーダーを担うことが多く、患者の長所に注目し正のフィードバックを通じて自信回復を支える姿勢が求められます。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:社会生活技能訓練<SST>について正しいのはどれか。

解説:正解は 1 です。社会生活技能訓練(SST:Social Skills Training)は、認知行動療法の理論を基盤とする精神科リハビリテーション技法の一つである。リバーマン(R. P. Liberman)らが体系化した方法で、認知の修正と望ましい行動の獲得をロールプレイ・モデリング・正のフィードバック・宿題などを通じて段階的に学習し、対人関係や日常生活で必要なスキルの習得を目指す。

選択肢考察

  1. 1.  認知行動療法の1つである。

    SSTは社会的学習理論および認知行動療法を理論的基盤として組み立てられたプログラムで、認知の修正と新たな行動様式の獲得を体系的に行う技法である。

  2. × 2.  生活リズムの改善が目的である。

    SSTの目的は対人関係や生活上のスキル獲得にある。生活リズムの改善は生活療法や作業療法の目的に近く、SSTの直接の目標ではない。

  3. × 3.  レクリエーション活動を中心に行う。

    SSTはロールプレイ、モデリング、行動リハーサル、正のフィードバック、宿題などを中心に行う構造化された訓練であり、レクリエーション活動を主軸とはしない。

  4. × 4.  アウトリーチによる支援が原則である。

    SSTは医療機関、デイケア、地域活動支援センターなどで集団または個別に実施されるのが一般的である。アウトリーチ型も近年広がっているが原則ではない。

SSTの基本ステップは、課題の設定→ロールプレイ→正のフィードバック→改善点の提示→再実行→宿題、という流れで進む。診療報酬上は入院生活技能訓練療法として算定可能で、統合失調症、うつ病、発達障害、社交不安症など幅広い対象者に用いられる。日本では1994年に保険適用となり、精神科リハビリテーションの中核技法となっている。

SSTの理論的基盤と目的を問う問題。認知行動療法に基づくスキル学習であり、生活リズム調整やレクリエーションとは目的が異なる点がポイント。