プロセスレコードの目的と活用
看護師国家試験 第104回 午後 第67問 / 精神看護学 / 精神看護の対象理解と支援
国試問題にチャレンジ
プロセスレコードについて正しいのはどれか。
- 1.看護過程の1つの段階である。
- 2.患者と家族間の言動を記述する。
- 3.看護師の対人関係技術の向上に活用する。
- 4.患者の精神症状をアセスメントする方法である。
対話形式の解説
博士
今日はプロセスレコードについて学ぶぞい。
サクラ
看護過程の一段階だと思っていましたが違うのですか。
博士
看護過程はアセスメントから評価までの枠組みじゃが、プロセスレコードは別物じゃ。
サクラ
では何を記録するのですか。
博士
患者の言動と、看護師が感じたこと・考えたこと・実際の言動を時系列で書き出す。
サクラ
患者と家族のやり取りを書くわけではないんですね。
博士
そのとおりじゃ。記述するのは患者と看護師の相互作用じゃよ。
サクラ
目的はどこにあるのでしょう。
博士
自分の関わり方を振り返り、対人関係技術を高めるためじゃ。
サクラ
精神症状を評価するためのアセスメントツールではないんですね。
博士
評価ではなく、自己理解と治療的関係構築の学習技法じゃ。
サクラ
ペプロウやオーランドの理論が背景にあるんですね。
博士
指導者と一緒に振り返ると気づきが深まるぞい。
サクラ
臨床実習でも積極的に活用したいです。
POINT
プロセスレコードは患者と看護師の言動、看護師が感じたこと・考えたことを時系列に記述し、両者の相互作用を振り返る学習技法です。看護過程の一段階ではなく、看護師の対人関係技術向上を目的とします。家族との関わりや精神症状アセスメントを目的とするものではありません。指導者と共有して振り返ることで、自己理解を深め、治療的人間関係の構築に役立てます。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:プロセスレコードについて正しいのはどれか。
解説:正解は3です。プロセスレコードは患者と看護師の言動・思考・感情を時系列で記録し、相互作用を振り返る学習ツールです。自己の関わり方の傾向に気づき、対人関係技術を高めることに活用されます。
選択肢考察
-
× 1. 看護過程の1つの段階である。
看護過程はアセスメント・計画・実施・評価などの段階からなり、プロセスレコードは別の枠組みである関係性振り返りの教育技法です。
-
× 2. 患者と家族間の言動を記述する。
記述対象は患者と看護師の言動と内的体験で、患者と家族のやり取りを記録するものではありません。
-
○ 3. 看護師の対人関係技術の向上に活用する。
看護師の感じたこと・考えたこと・行動を客観的に振り返ることで自己理解と関係性技能を高め、より治療的な関わりへとつなげます。
-
× 4. 患者の精神症状をアセスメントする方法である。
症状評価のためのスケールではなく、看護師自身の関わりを振り返るための学習・指導技法です。
プロセスレコードはペプロウやオーランドらの理論に基づきます。一般に「患者の言動」「看護師が感じたこと・考えたこと」「看護師の言動」を欄に分けて記載し、指導者と振り返ることで治療的人間関係を深めていきます。
プロセスレコードの目的と記述対象を正しく理解しているかを問う問題です。
「精神看護の対象理解と支援」の関連記事
-
当事者が当事者を支える「セルフヘルプグループ」の力
セルフヘルプグループの運営主体・目的・関係性の対等性・心理的効果という基本特性を正しく理解しているかを問う問…
114回
-
フロイトが見つけた心の不思議「転移」を整理しよう
転移(陽性・陰性)と防衛機制(投影・反動形成)、関係性病理(共依存)の概念を区別できるかを問う問題である。
114回
-
「治る」を超えて「生き直す」へ。精神看護のキーワード、リカバリーとは
精神看護におけるリカバリーの本質(パーソナル・リカバリー)と、症状軽減中心の医学モデルとの違いを問う問題であ…
114回
-
医療者と患者は「ともに作る」仲間。共同創造(コプロダクション)とは何か
共同創造(コプロダクション)の定義と、パターナリズム・インフォームド・コンセント・アウトリーチとの違いを区別…
114回
-
エンパワメント、ストレングス、リカバリ、レジリエンスを整理する
精神看護学の基本概念(エンパワメント・ストレングス・リカバリ・レジリエンス)の用語定義を問う問題。
112回