クッシング症候群で押さえるべき症状
看護師国家試験 第110回 午前 第43問 / 成人看護学 / 内部環境と内分泌系
国試問題にチャレンジ
Cushing<クッシング>症候群( cushing syndrome )の成人女性患者にみられるのはどれか。
- 1.貧血
- 2.月経異常
- 3.体重減少
- 4.肝機能低下
対話形式の解説
博士
クッシング症候群はどんなホルモンの病気か覚えておるかの。
サクラ
副腎皮質ホルモンのコルチゾールが過剰に分泌される疾患ですね。
博士
その通りじゃ。過剰なコルチゾールは体のあちこちに影響を出すぞ。
サクラ
満月様顔貌や中心性肥満、野牛肩が有名ですね。
博士
うむ。そのほかに高血圧、糖尿病、骨粗鬆症、易感染性も重要じゃ。
サクラ
女性患者では月経異常もよくみられるんですよね。
博士
そうじゃ。コルチゾール過剰が視床下部-下垂体-性腺系を抑えるからの。アンドロゲン増加で多毛にもなる。
サクラ
貧血は起こりますか。
博士
むしろ赤血球が増えて多血傾向、顔は赤ら顔になる。貧血は特徴ではないぞ。
サクラ
体重は減るのでしょうか。
博士
いいや、中心性に増える。四肢は細いのに胴体だけ太くなるのが典型じゃな。
サクラ
肝機能はどうですか。
博士
直接の臓器障害は中心症状ではない。脂肪肝を併発することはあるがの。
サクラ
治療にはどんな選択肢がありますか。
博士
原因によるが、下垂体腺腫なら経蝶形骨手術、副腎腺腫なら副腎摘出が基本じゃ。
サクラ
ステロイドの長期使用でも似た症状が出ますよね。
博士
そう、医原性クッシングじゃ。急な中止で副腎不全を起こすから漸減が鉄則じゃぞ。
POINT
クッシング症候群は糖質コルチコイド過剰により多彩な全身症状を呈し、女性患者では月経異常が代表的な所見です。貧血や体重減少、肝機能低下は特徴的症状に含まれません。満月様顔貌・中心性肥満・野牛肩などの外見変化に加え高血圧・糖尿病・骨粗鬆症・易感染性への対応が重要で、原因に応じた外科的・薬物的治療が選択されます。
解答・解説
正解は 2 です
問題文:Cushing<クッシング>症候群( cushing syndrome )の成人女性患者にみられるのはどれか。
解説:正解は2です。クッシング症候群ではコルチゾール過剰により性腺系にも影響が及び、成人女性では無月経や希発月経などの月経異常が高率にみられます。
選択肢考察
-
× 1. 貧血
コルチゾール過剰では赤血球造血はむしろ促進される傾向にあり、クッシング症候群で特徴的にみられる所見は貧血ではなく多血傾向や赤ら顔です。
-
○ 2. 月経異常
コルチゾール過剰は視床下部-下垂体-性腺系を抑制し、アンドロゲン過剰も加わって排卵障害や無月経をきたします。女性患者に高頻度にみられる代表的な症状です。
-
× 3. 体重減少
クッシング症候群では中心性肥満や満月様顔貌、野牛肩など体重増加や脂肪再分布を特徴とします。体重減少は甲状腺機能亢進症や副腎不全などでみられる所見です。
-
× 4. 肝機能低下
コルチゾール過剰は糖新生を促進し脂肪肝を招くことはありますが、特徴的症状として肝機能低下は挙げられません。この症候群の臓器障害の中心ではありません。
クッシング症候群の主徴は中心性肥満・満月様顔貌・野牛肩・皮膚線条・易感染・耐糖能異常・高血圧・骨粗鬆症・精神症状・月経異常などです。30〜50代女性に多く、原因は下垂体腺腫(クッシング病)、副腎腺腫、異所性ACTH産生腫瘍、医原性(ステロイド使用)があります。
クッシング症候群の成人女性に特徴的な臨床症状を問う基本問題です。
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