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関節リウマチ患者の関節保護の工夫を学ぼう

看護師国家試験 第105回 午後 第79問 / 成人看護学 / 感覚器・運動器系

国試問題にチャレンジ

105回 午後 第79問

関節リウマチ(rheumatoid arthritis)で療養している人への日常生活指導で適切なのはどれか。

  1. 1.床に座って靴下を履く。
  2. 2.2階にある部屋を寝室にする。
  3. 3.水道の蛇口をレバー式にする。
  4. 4.ボタンで着脱する衣服を選択する。
  5. 5.寝具はやわらかいマットレスにする。

対話形式の解説

博士 博士

今日は関節リウマチの日常生活指導について話そう。関節保護が最大のテーマだよ。

サクラ サクラ

はかせ、関節リウマチってどんな病気でしたっけ?

博士 博士

自己免疫機序で滑膜に慢性炎症が起き、手指のMPやPIP関節、手関節、足のMTP関節などの小関節を左右対称に侵す病気だ。朝のこわばり、疼痛、腫脹、そして進行するとスワンネック変形や尺側偏位といった関節変形が起こる。

サクラ サクラ

この問題の正解はどれですか?

博士 博士

正解は「水道の蛇口をレバー式にする」だよ。

サクラ サクラ

なぜレバー式が良いんですか?

博士 博士

通常の蛇口を「ひねる」動作は指関節に大きな力が集中する。リウマチで弱った指関節に負担がかかり、変形を助長してしまう。レバー式なら手掌全体や肘、前腕の力で操作できるから関節を守れるんだ。

サクラ サクラ

「床に座って靴下を履く」はどうですか?

博士 博士

これはダメだね。床座位からの立ち上がりは膝・股関節に大きな負担をかける。椅子に座って履くか、ソックスエイドという補助具を使うのが推奨されるよ。

サクラ サクラ

「2階を寝室にする」は?

博士 博士

階段昇降は膝・股関節に負担が大きい。特に朝のこわばり時は転倒リスクも高い。寝室・トイレ・浴室は同じフロアが原則だ。

サクラ サクラ

「ボタンで着脱する衣服」は?

博士 博士

細かいボタン操作は指先の巧緻動作を要するから、こわばりや変形のある患者には負担だ。マジックテープやファスナー、大きめのボタン、ボタンエイドなどで工夫するんだよ。

サクラ サクラ

「やわらかいマットレス」は?

博士 博士

柔らかすぎると体が沈み込み、寝返りや起き上がりに余計な負荷がかかる。適度な硬さが関節保護には良いんだ。

サクラ サクラ

関節保護の原則って何がありますか?

博士 博士

5つあるよ。1疼痛を増強する動作を避ける、2大きな関節や強い筋肉を使う、3力を分散する、4関節を長時間同一肢位に保たない、5疲労を感じたら休む、だ。

サクラ サクラ

具体的な工夫は他にありますか?

博士 博士

鍋は両手鍋を使う、開栓補助具を使う、ドアノブもレバー式に、椅子は肘掛け付きで高めに、包丁より電気調理器具、キャスター付きワゴンで運搬、などだね。

サクラ サクラ

薬物療法の進歩もありますよね?

博士 博士

そうだね。メトトレキサートや生物学的製剤、JAK阻害薬で関節破壊の進行を抑えられる時代になった。ただし日常生活での関節保護は依然として重要だ。

サクラ サクラ

看護師は多面的に患者を支えるんですね。

POINT

関節リウマチの日常生活指導では関節保護の原則が重要で、水道の蛇口をレバー式にするなど指関節への負担を減らす工夫が基本です。床座位や階段昇降、ボタン操作、柔らかすぎるマットレスは関節負担が大きく避けます。薬物療法の進歩と並行して、補助具の活用と動作の工夫で関節破壊の進行とADL低下を予防します。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:関節リウマチ(rheumatoid arthritis)で療養している人への日常生活指導で適切なのはどれか。

解説:正解は 3 です。関節リウマチは自己免疫機序による慢性滑膜炎で、手指のMP・PIP関節、手関節、足のMTP関節などの小関節を左右対称に侵します。朝のこわばり・疼痛・腫脹・関節変形(スワンネック変形、ボタン穴変形、尺側偏位)などが特徴です。日常生活指導では「関節保護の原則」に従い、大きな関節を使う・荷重を分散する・持続的な把持を避ける・適切な補助具を使うことが重要です。水道の蛇口をレバー式にすることは、指関節を握る動作を肘や体重移動に置き換える典型的な関節保護の工夫です。

選択肢考察

  1. × 1.  床に座って靴下を履く。

    床座位からの立ち上がりは膝・股関節に大きな負担をかけます。靴下は椅子に座って履くか、ソックスエイド(補助具)を使用し、床から立ち上がる動作は避けます。

  2. × 2.  2階にある部屋を寝室にする。

    階段昇降は膝・股関節への負担が大きく、リウマチの朝のこわばり時にはリスクが高まります。寝室・トイレ・浴室は同じフロアに配置し、平面動線を確保するのが原則です。

  3. 3.  水道の蛇口をレバー式にする。

    ひねる動作は指関節に大きな力が集中するためリウマチ患者に負担が大きく、変形を助長します。レバー式にすれば手掌全体や肘・前腕の力で操作でき、関節保護につながります。

  4. × 4.  ボタンで着脱する衣服を選択する。

    細かいボタン操作は指先の巧緻動作を要し、朝のこわばりや変形がある患者には困難で負担になります。マジックテープ・ファスナー・大きいボタン・ボタンエイドなどを活用します。

  5. × 5.  寝具はやわらかいマットレスにする。

    柔らかすぎるマットレスは体が沈み込み、寝返りや起き上がりに余計な関節負荷がかかります。適度な硬さがある寝具のほうが関節保護に有利です。

関節リウマチの日常生活指導の基本は「関節保護の5原則」:(1)疼痛を増強する動作を避ける、(2)できるだけ大きな関節や強い筋肉を使う、(3)力を分散する(両手で持つなど)、(4)関節を長時間同一肢位に保たない、(5)疲労を感じたら休む、です。具体例として、鍋は両手鍋を使う、開栓補助具を使う、ドアノブはレバー式にする、椅子は肘掛け付きで高めにする、包丁より電気調理器具を活用する、キャスター付きワゴンで運搬する、などがあります。薬物療法では近年、メトトレキサート(MTX)や生物学的製剤(TNFα阻害薬など)、JAK阻害薬により関節破壊の進行抑制が可能になりました。

関節リウマチ患者の関節保護の原則と、日常生活での具体的な工夫を理解しているかを問う問題です。