関節リウマチは滑膜の病気
看護師国家試験 第110回 午後 第77問 / 成人看護学 / 感覚器・運動器系
国試問題にチャレンジ
関節リウマチ( rheumatoid arthritis )で起こる主な炎症はどれか。
- 1.滑膜炎
- 2.血管炎
- 3.骨髄炎
- 4.骨軟骨炎
- 5.関節周囲炎
対話形式の解説
博士
関節リウマチの主病変はどこか知っておるかの?
サクラ
関節の滑膜ですね、滑膜炎が主です。
博士
どんな機序で起こる?
サクラ
自己免疫によって滑膜にTリンパ球やマクロファージが浸潤し、TNF-αやIL-6などのサイトカインが炎症を起こします。
博士
滑膜炎が続くと何が起こる?
サクラ
パンヌスという肉芽組織ができて、軟骨や骨を侵食します。
博士
臨床症状の特徴は?
サクラ
朝のこわばりと、手指・手首などの左右対称性多関節炎です。
博士
診断で重要な抗体は?
サクラ
抗CCP抗体とリウマトイド因子RFですね。
博士
炎症反応は?
サクラ
CRPや赤沈が上昇します。
博士
治療の中心は?
サクラ
メトトレキサートなどのDMARDs、さらに生物学的製剤です。
博士
血管炎との関係は?
サクラ
関節外症状として血管炎を合併することがあります。悪性関節リウマチですね。
博士
骨髄炎は?
サクラ
細菌感染による化膿性炎症で、全く別の疾患です。
博士
関節周囲炎は?
サクラ
いわゆる五十肩で、これも別物です。
POINT
関節リウマチは滑膜の慢性炎症が主病変で、放置すると関節破壊を起こす自己免疫疾患です。朝のこわばりと左右対称性の多関節炎が特徴で、抗CCP抗体・RF・CRPが診断や活動性評価に使われます。治療はDMARDsや生物学的製剤を用いた早期介入が関節破壊予防に重要とされています。
解答・解説
正解は 1 です
問題文:関節リウマチ( rheumatoid arthritis )で起こる主な炎症はどれか。
解説:正解は 1 です。関節リウマチは自己免疫機序によって関節滑膜に慢性炎症が起こる全身性疾患です。滑膜炎が持続するとパンヌスと呼ばれる肉芽組織が形成され、軟骨や骨を侵食して関節破壊・変形を引き起こします。朝のこわばりや左右対称性の多関節腫脹・圧痛が特徴です。
選択肢考察
-
○ 1. 滑膜炎
関節リウマチの主病変は滑膜の慢性炎症です。滑膜にTリンパ球やマクロファージが浸潤しサイトカイン(TNF-α、IL-6など)が産生され、パンヌス形成を介して関節破壊へ進展します。
-
× 2. 血管炎
血管炎は関節リウマチの関節外症状として合併することはありますが(悪性関節リウマチなど)、主病変ではありません。血管炎を主病変とするのはANCA関連血管炎や結節性多発動脈炎などです。
-
× 3. 骨髄炎
骨髄炎は黄色ブドウ球菌などによる骨髄内の化膿性感染症で、関節リウマチとは病態が異なります。
-
× 4. 骨軟骨炎
骨軟骨炎(離断性骨軟骨炎など)は肘や膝、足関節の軟骨下骨の血流障害で軟骨が分離する疾患で、思春期のスポーツ選手などに多くみられます。関節リウマチの主病変ではありません。
-
× 5. 関節周囲炎
関節周囲炎は肩関節の軟部組織に生じる炎症で、いわゆる四十肩・五十肩を指します。関節リウマチの主たる病変ではありません。
関節リウマチの診断にはACR/EULAR 2010年分類基準が用いられ、抗CCP抗体やリウマトイド因子(RF)、CRP・赤沈上昇が参考になります。治療の中心はメトトレキサートなどの抗リウマチ薬(DMARDs)および生物学的製剤(TNF阻害薬、IL-6阻害薬など)で、早期治療介入が関節破壊予防に重要です。
関節リウマチの本態である滑膜炎を理解し、他の炎症疾患と区別できるかを問う問題です。
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