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腎盂腎炎の特徴を押さえる

看護師国家試験 第103回 午前 第34問 / 成人看護学 / 泌尿器・性・生殖器系

国試問題にチャレンジ

103回 午前 第34問

腎盂腎炎(pyelonephritis)について正しいのはどれか。

  1. 1.両腎性である。
  2. 2.初尿を用いて細菌培養を行う。
  3. 3.肋骨脊柱角の叩打痛が特徴である。
  4. 4.原因菌はGram〈グラム〉陽性球菌が多い。

対話形式の解説

博士 博士

今日は腎盂腎炎を学ぼう。膀胱から尿管をのぼって細菌が腎盂・腎実質に達し炎症を起こす病気じゃ。女性に多いのも特徴じゃのう。

アユム アユム

どうして女性に多いのでしょうか?

博士 博士

女性は尿道が短く、尿道口と肛門が解剖学的に近いため、腸内細菌が侵入しやすいんじゃ。

アユム アユム

博士、正解はどれですか?

博士 博士

正解は 3 の肋骨脊柱角の叩打痛じゃ。患側の第12肋骨と脊柱が交差する部位を軽く叩くと鋭い痛みが誘発されるのが診察上の重要所見じゃ。

アユム アユム

1の両腎性というのはどうですか?

博士 博士

上行性感染だから多くは片側性じゃ。両側同時罹患は基礎疾患のある複雑性で限定的じゃから誤りになる。

アユム アユム

2の初尿を使うというのは?

博士 博士

初尿には尿道口や外陰部の常在菌が混じるため、原因菌の同定には不向きじゃ。中間尿を用いるのが原則じゃ。

アユム アユム

4のグラム陽性球菌が多いというのは?

博士 博士

これも誤り。原因菌は大腸菌をはじめとするグラム陰性桿菌が大半じゃ。腸内細菌が逆行性に上ってくるからのう。

アユム アユム

看護のポイントは何でしょうか?

博士 博士

水分摂取を促して尿の停滞を防ぎ、抗菌薬を確実に投与すること、陰部清潔と排尿習慣の指導が基本じゃ。発熱や腰背部痛の経過観察も忘れずに。

アユム アユム

妊婦さんや糖尿病の方は注意ですよね?

博士 博士

その通り。妊娠・糖尿病・尿路結石・神経因性膀胱は複雑性腎盂腎炎のリスクで、敗血症に進むこともあるから早期対応が肝心じゃ。

POINT

腎盂腎炎は上行性感染による腎盂・腎実質の炎症で、片側性が多く原因菌はグラム陰性桿菌が主体である。CVA叩打痛が診察上の特徴で、検体採取は中間尿を用いる。看護では水分摂取促進、抗菌薬管理、陰部清潔指導、リスク群での重症化監視が重要となる。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:腎盂腎炎(pyelonephritis)について正しいのはどれか。

解説:正解は 3 です。腎盂腎炎は、尿道から侵入した細菌が膀胱を経て上行性に腎盂・腎実質に達して炎症を起こす疾患で、女性に多くみられます。病原菌の大半は腸内細菌科のグラム陰性桿菌で、特に大腸菌が最頻原因です。臨床症状は高熱・悪寒戦慄、患側の腰背部痛、頻尿・排尿時痛などの膀胱炎症状で、身体所見では肋骨脊柱角(CVA:costovertebral angle)の叩打痛が特徴的です。多くは片側性で、診断には中間尿の細菌培養と尿沈渣、血液検査での炎症反応上昇を組み合わせて行います。

選択肢考察

  1. × 1.  両腎性である。

    腎盂腎炎は上行性感染が主体で、多くは片側性に発症します。両側同時罹患は基礎疾患を伴う場合などに限られ、原則として片側性のため誤りです。

  2. × 2.  初尿を用いて細菌培養を行う。

    初尿には尿道口や外陰部の常在菌が混入するため、原因菌の同定には適しません。中間尿(または導尿による無菌的採取)を用いるのが原則です。

  3. 3.  肋骨脊柱角の叩打痛が特徴である。

    腎盂腎炎では患側のCVA(第12肋骨と脊柱の交差部)を軽く叩打すると鋭い痛みが誘発され、診察上の特徴的所見とされています。

  4. × 4.  原因菌はGram〈グラム〉陽性球菌が多い。

    原因菌の多くは大腸菌をはじめとするグラム陰性桿菌で、グラム陽性球菌が主体ではないため誤りです。

腎盂腎炎の看護では、十分な水分摂取と排尿を促し、尿の停滞を防ぐことが基本です。発熱に対するクーリング、抗菌薬の確実な投与と効果判定(解熱・症状改善)、再発予防として陰部の清潔保持・排尿習慣の指導も行います。妊婦・糖尿病・尿路結石・神経因性膀胱などは複雑性腎盂腎炎のリスク因子で、敗血症への進展に注意が必要です。CVA叩打痛は背部から軽く拳で叩いて確認します。

腎盂腎炎の典型症状・原因菌・検体採取方法・罹患様式を総合的に理解しているかを問う設問です。