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CAPDを始めるAさん、生活はどう変わる?

看護師国家試験 第111回 午前 第94問 / 成人看護学 / 泌尿器・性・生殖器系

国試問題にチャレンジ

111回 午前 第94問

次の文を読み以下の問いに答えよ。 Aさん(50歳、男性、会社員)は妻と高校生の息子との3人暮らし。仕事を生きがいに働き続けていた。慢性腎不全(chronic renal failure)のため透析治療が必要になったが、本人の希望で連続携行式腹膜灌流法〈CAPD〉を導入することになり入院した。Aさんはこれからの生活がどのようになるのかを看護師に質問した。 Aさんに対する説明として正しいのはどれか。

  1. 1.「食事療法が必要です」
  2. 2.「通院は週に2、3回必要です」
  3. 3.「宿泊を伴う旅行はできません」
  4. 4.「カテーテル挿入術後の翌日から入浴できます」

対話形式の解説

博士 博士

Aさんは50歳、仕事を生きがいにしてきた会社員。CAPDを自ら選んだ背景には、職場復帰したい気持ちがあるんじゃな。

アユム アユム

CAPDって自分の腹膜を使う透析ですよね。血液透析とどう違うんでしょう。

博士 博士

CAPDは腹腔内に透析液を注入し、腹膜を半透膜として老廃物と余剰水分を移行させる方法じゃ。ゆっくり持続的に除去するため血圧や心臓への負担が少ない。

アユム アユム

食事療法は必要ですか?

博士 博士

そう、選択肢1が正解じゃ。腎機能自体が低下しているから、塩分・水分・リン・カリウム・たんぱく質の調整は必要。ただし血液透析よりは制限が緩やかじゃよ。

アユム アユム

通院は週2、3回必要と聞きました。

博士 博士

それは血液透析の頻度じゃ。CAPDは在宅で行うから、通院は月1~2回が一般的。仕事との両立がしやすい点が魅力じゃな。

アユム アユム

旅行はできないんですか?

博士 博士

いや、できる。透析液を事前配送したり、携行用バッグを持参すれば宿泊旅行も可能じゃ。社会参加を守りやすいのがCAPDの利点の一つじゃな。

アユム アユム

カテーテル挿入の翌日から入浴は?

博士 博士

それは不可じゃ。出口部の治癒を待たないと感染リスクが高い。上皮化を確認し、医師の許可を得てから入浴を再開する。その後も出口部を専用カバーで保護するのが基本じゃ。

アユム アユム

CAPDのバッグ交換は1日何回ですか?

博士 博士

一般に1日4回、6時間おきじゃ。1回の交換に20~30分かかる。職場の昼休みを使って交換するケースも多いんじゃよ。

アユム アユム

CAPD特有の合併症は?

博士 博士

腹膜炎、カテーテル出口部・トンネル感染、被嚢性腹膜硬化症(EPS)などじゃ。特にEPSは長期継続で起こりうる重篤な合併症で、CAPDの継続期間は5~8年が目安とされている。

アユム アユム

その後はどうするんですか?

博士 博士

血液透析への移行や腎移植を検討する。CAPDをいつ終わらせるかも含めて長期的視点で計画する必要があるんじゃ。

アユム アユム

なるほど、Aさんの仕事と治療を両立させるために必要な情報がたくさんありますね。

博士 博士

その通り。患者の生活背景と価値観を踏まえ、実施可能な自己管理を一緒に考えていくのが看護の役割じゃな。

POINT

CAPDは自身の腹膜を透析膜として用いる在宅透析で、食事療法は血液透析より緩やかながら継続的に必要である。通院は月1~2回、宿泊旅行も準備次第で可能だが、カテーテル挿入直後の入浴は感染予防のため禁止される。合併症として腹膜炎・出口部感染・EPSがあり、継続期間には限界があるため長期的な治療計画が欠かせない。仕事と治療の両立を望む患者には生活背景に即した教育が重要である。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:次の文を読み以下の問いに答えよ。 Aさん(50歳、男性、会社員)は妻と高校生の息子との3人暮らし。仕事を生きがいに働き続けていた。慢性腎不全(chronic renal failure)のため透析治療が必要になったが、本人の希望で連続携行式腹膜灌流法〈CAPD〉を導入することになり入院した。Aさんはこれからの生活がどのようになるのかを看護師に質問した。 Aさんに対する説明として正しいのはどれか。

解説:正解は 1 です。連続携行式腹膜灌流法(CAPD)は自身の腹膜を半透膜として利用し、腹腔内に注入した透析液に老廃物や余剰水分を移行させ体外へ排出する在宅透析法です。血液透析に比べ残腎機能が保たれやすい一方で、腎機能低下による塩分・水分・カリウム・リン・たんぱく質の食事管理は依然として必要です。

選択肢考察

  1. 1.  「食事療法が必要です」

    CAPDでも慢性腎不全に対する食事療法は必要で、塩分・水分・リン・カリウム・たんぱく質の調整を行います。ただし除水や老廃物除去が持続的であるため血液透析より制限はやや緩やかとなります。

  2. × 2.  「通院は週に2、3回必要です」

    CAPDは在宅で患者が実施するため、通院は月1~2回で済むのが一般的です。週2~3回の通院は血液透析の頻度です。

  3. × 3.  「宿泊を伴う旅行はできません」

    透析液や必要物品をあらかじめ配送・持参することで宿泊旅行は十分可能です。社会生活の維持はCAPDの大きな利点です。

  4. × 4.  「カテーテル挿入術後の翌日から入浴できます」

    カテーテル出口部の創治癒と感染予防のため、術後早期の入浴・シャワー浴は控えます。通常は出口部の上皮化を確認してから入浴を再開し、入浴時は専用のカバーで出口部を保護します。

CAPDでは1日4回程度のバッグ交換を自宅や職場で行います。血液透析との比較では、CAPDは除水や除去がゆるやかで循環動態が安定しやすい反面、腹膜炎・被嚢性腹膜硬化症(EPS)・カテーテル出口部感染といった合併症のリスクがあります。CAPDの継続可能期間は一般的に5~8年程度とされ、その後は血液透析への移行や腎移植が検討されます。

CAPDの生活様式(食事・通院・旅行・入浴)について血液透析との違いを踏まえて説明できるかを問う問題です。