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訪問看護事業所のキホン ―開設できる法人とできることの範囲

看護師国家試験 第114回 午後 第40問 / 地域・在宅看護論 / 地域・在宅看護実践をめぐる制度

国試問題にチャレンジ

114回 午後 第40問

訪問看護事業所について正しいのはどれか。

  1. 1.24時間対応が義務付けられている。
  2. 2.自宅以外への訪問看護は認められない。
  3. 3.特定非営利活動法人<NPO>は事業所を開設できる。
  4. 4.従事する看護師は臨床経験5年以上と定められている。

対話形式の解説

博士 博士

今回は訪問看護事業所の制度を学ぶぞ。在宅医療を支える要のサービスじゃ。

アユム アユム

訪問看護って、医師の指示が必要なんですよね?

博士 博士

その通り。主治医が交付する訪問看護指示書に基づき、看護師らが利用者の居宅で療養上の世話や診療の補助を行う。介護保険と医療保険の両方にまたがる仕組みじゃ。

アユム アユム

どんな人が利用できるんですか?

博士 博士

介護保険では要支援・要介護認定を受けた人、医療保険では末期癌、神経難病、人工呼吸器装着、急性増悪時、精神科訪問看護、小児などが対象じゃ。

アユム アユム

事業所を開設できるのはどんな法人ですか?

博士 博士

医療法人、社会福祉法人、株式会社などの営利法人、NPO法人、地方公共団体など幅広い。法人格があれば多様な主体が担えるのじゃ。

アユム アユム

だから「NPO法人は事業所を開設できる」が正解なんですね。

博士 博士

うむ。在宅ニーズの拡大に対応するため、開設主体を広く認める政策的方向性がある。

アユム アユム

24時間対応は義務化されているんですか?

博士 博士

いや、義務ではない。届出を行った事業所が緊急時訪問看護加算や24時間対応体制加算として報酬上評価される任意の体制じゃ。

アユム アユム

サービスの場所は自宅だけですか?

博士 博士

いいえ。グループホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、軽費老人ホームなどの居住系施設、条件次第では学校や保育所も対象になる。

アユム アユム

看護師の経験年数は決まっているんですか?

博士 博士

法的要件はない。人員基準は保健師・看護師・准看護師を常勤換算2.5人以上配置することと定められておる。

アユム アユム

管理者の要件は?

博士 博士

原則として保健師または看護師で、常勤専従が求められる。

アユム アユム

訪問看護指示書ってどんな書類ですか?

博士 博士

主治医が利用者の病状や必要な看護内容を記して訪問看護ステーションに交付する文書じゃ。有効期間は最長6か月で、特別訪問看護指示書はより重症な状態の14日間限定で発行される。

アユム アユム

地域包括ケアシステムの中でどんな役割を担うんですか?

博士 博士

病院から在宅へとシームレスにつなぐ要の役割じゃ。多職種連携、看取り支援、家族支援、医療的ケア児への対応など、求められる範囲は広がる一方じゃぞ。

アユム アユム

2022年のカリキュラム改訂で「地域・在宅看護論」が新設されたのも、その流れですね。

POINT

訪問看護事業所はNPO法人を含む多様な法人格で開設でき、医療法人や社会福祉法人、株式会社、地方公共団体などが担い手として認められています。24時間対応は義務ではなく加算による任意体制、サービス提供場所は自宅に限らず居住系施設にも広がり、看護師の臨床経験年数についての法的規定はありません。人員基準は保健師・看護師・准看護師を常勤換算2.5人以上、管理者は原則保健師または看護師、医師の交付する訪問看護指示書に基づきサービスを提供します。2022年度のカリキュラム改訂で「地域・在宅看護論」が独立したように、地域包括ケアシステムの中で訪問看護の役割は拡大しており、看護師には在宅療養者と家族のQOLを支える総合的な実践力が求められます。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:訪問看護事業所について正しいのはどれか。

解説:正解は 3 です。訪問看護事業所は介護保険法および健康保険法に基づくサービスを提供する事業所で、開設には法人格が必要だが、その法人形態は医療法人・社会福祉法人・株式会社などの営利法人・特定非営利活動法人(NPO法人)・地方公共団体など幅広く認められている。これは在宅医療・在宅看護の需要拡大に応じて多様な担い手を確保する政策的意図によるもので、NPO法人による事業所開設も全国に存在する。

選択肢考察

  1. × 1.  24時間対応が義務付けられている。

    24時間対応は義務ではなく、介護保険では緊急時訪問看護加算や24時間対応体制加算、医療保険では24時間対応体制加算として、届出を行った事業所が報酬上評価される任意の体制である。

  2. × 2.  自宅以外への訪問看護は認められない。

    自宅以外でも、認知症グループホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、軽費老人ホームなどの居住系施設や、特定の条件下では学校・保育所などへの訪問も認められている。

  3. 3.  特定非営利活動法人<NPO>は事業所を開設できる。

    訪問看護事業所の開設主体は法人格を有することが要件で、医療法人・社会福祉法人・営利法人・NPO法人・地方公共団体など幅広く認められる。NPO法人も実際に開設運営している。

  4. × 4.  従事する看護師は臨床経験5年以上と定められている。

    看護師の臨床経験年数についての法的要件はない。人員基準は保健師・看護師・准看護師を常勤換算で2.5人以上配置することが求められている。

訪問看護は医師の交付する訪問看護指示書に基づき、看護師等が利用者の居宅を訪問して療養上の世話や診療の補助を行うサービスで、根拠法は介護保険法と健康保険法の両方にまたがる。介護保険の対象は要支援・要介護の認定を受けた人、医療保険の対象は厚生労働省が定める疾病等(末期の悪性腫瘍、神経難病、人工呼吸器装着など)や急性増悪時、精神科訪問看護、小児などである。事業所開設の要件は、①法人格を持つ、②管理者を配置(原則として保健師または看護師)、③看護職員を常勤換算2.5人以上、④事業の運営に必要な広さの専用区画、⑤運営規程の整備、⑥都道府県知事による指定。2022年度のカリキュラム改訂では「地域・在宅看護論」が独立し、地域包括ケアシステムを支える在宅看護の重要性が強調されている。

訪問看護事業所の指定要件・人員基準・サービス対象範囲を問う制度問題。「24時間対応は加算であって義務ではない」「開設主体は多様」「臨床経験規定はない」が頻出ポイント。