床上排便に適した体位を考えよう
看護師国家試験 第113回 午後 第20問 / 必修問題 / 日常生活援助技術
国試問題にチャレンジ
床上で排便しやすい体位はどれか。
- 1.仰臥位
- 2.側臥位
- 3.Sims<シムス>位
- 4.Fowler<ファウラー>位
対話形式の解説
博士
排便には腹圧が必要じゃ。ベッド上でそれをかけやすい姿勢はどれかの?
アユム
上半身を起こすファウラー位だと思います。
博士
その通り。なぜファウラー位が適しておるのかわかるかの?
アユム
上半身を起こすことで横隔膜が下がり、腹筋を使いやすくなるからです。
博士
よう理解しておるな。仰臥位ではどうかの?
アユム
真上を向いた姿勢では腹圧がかからず、便器とお尻の位置も合いません。
博士
側臥位は?
アユム
体が横向きなので腹圧が逃げてしまい、便器も当てにくいです。
博士
ではシムス位はどのような場面で使うかの?
アユム
浣腸や直腸診察のときに使います。左側臥位で片脚を曲げる姿勢です。
博士
素晴らしい。ファウラー位の角度は何度くらいが目安かの?
アユム
30〜90度で、45度前後がセミファウラーですね。
博士
床上排便での配慮点は他に何があるかの?
アユム
プライバシー保護や保温、においへの配慮です。
博士
そうじゃな、患者さんの自尊心を守ることが大事じゃ。
アユム
後始末も速やかに行って、清潔を保ちます。
博士
在宅でも活用できる知識じゃから、しっかり押さえておこう。
POINT
床上排便にはファウラー位が最も適しています。上半身を起こすことで横隔膜の下降と腹圧の発揮が容易になり、自然な排便姿勢に近づきます。仰臥位・側臥位・シムス位では腹圧がかかりにくく、シムス位は浣腸などの処置に用います。体位の工夫に加え、プライバシーや保温、後始末への配慮も看護の重要な要素です。
解答・解説
正解は 4 です
問題文:床上で排便しやすい体位はどれか。
解説:正解は 4 のFowler<ファウラー>位です。上半身を30〜90度起こした半座位は、重力を利用しつつ腹圧がかけやすく、床上排便に最も適した体位です。
選択肢考察
-
× 1. 仰臥位
仰臥位では横隔膜が下がりにくく腹圧がかけづらいため、排便に適しません。便器をあてがっても肛門と便器がうまく合わず不快感も強くなります。
-
× 2. 側臥位
側臥位は体の片側に圧力が偏るため腹圧をかけにくく、排便には不向きです。摘便や浣腸の体位として用いられます。
-
× 3. Sims<シムス>位
シムス位は半腹臥位で浣腸や直腸検査に適しますが、腹圧はかかりにくく自力での排便には向きません。
-
○ 4. Fowler<ファウラー>位
ファウラー位は上半身を起こすため重力を活かしやすく、横隔膜の下降と腹筋の収縮で腹圧がかけやすくなります。床上排便を支援する際に最も生理的に近い姿勢といえます。
ファウラー位は30〜90度の挙上を指し、45度前後を半座位(セミファウラー)ともいいます。床上排便時にはプライバシー保護、におい対策、保温、速やかな後始末を意識し、患者の自尊心を損なわないケアが重要です。
床上での排便に最も適した体位を選べるかを問う問題です。腹圧のかけやすさが判断のポイントとなります。
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