リビングウィルとは何か
看護師国家試験 第105回 午後 第4問 / 必修問題 / 看護における倫理と法律
国試問題にチャレンジ
終末期に自分がどのような医療を受けたいかをあらかじめ文書で示しておくのはどれか。
- 1.アドヒアランス
- 2.リビングウィル
- 3.セカンドオピニオン
- 4.インフォームド・コンセント
対話形式の解説
博士
今日は終末期の意思表示の問題じゃ。4つの似た用語を整理する良い機会じゃぞ。
アユム
リビングウィルって、どんな意味ですか?
博士
『生前の意思』という意味で、判断能力があるうちに終末期医療の希望を文書にしておくものじゃ。延命治療を希望するか、緩和ケアを中心にするか、などを記すのじゃ。
アユム
選択肢にある他の用語との違いを教えてください。
博士
よかろう。まず1のアドヒアランスは、患者が治療方針を理解し主体的に治療に参加することを指す。以前は『コンプライアンス(従順)』と呼んでいたが、患者の主体性を重視して呼び方が変わったのじゃ。
アユム
2のリビングウィルが正解ですね。
博士
そうじゃ、終末期の医療について事前に文書で表明するもので、設問文そのままの定義じゃ。
アユム
3のセカンドオピニオンは?
博士
主治医以外の医師に意見を求めることじゃ。治療方針に納得するための患者の権利として確立しておる。
アユム
4のインフォームド・コンセントは説明と同意ですよね。
博士
その通り。医療者が十分な説明を行い、患者が理解し同意するプロセスじゃ。文書そのものではなく、コミュニケーションの過程を指すのがポイントじゃ。
アユム
リビングウィルと関連して最近『人生会議』という言葉も聞きます。
博士
それはACP(アドバンス・ケア・プランニング)の愛称じゃ。本人・家族・医療者が繰り返し話し合い、本人の価値観を共有するプロセスで、リビングウィルを作る基盤となる。
アユム
DNARもリビングウィルに含まれますか?
博士
DNAR(蘇生を試みない指示)は終末期の心肺停止時に心肺蘇生を行わない意思表示で、リビングウィルの具体例の一つじゃ。
アユム
アドバンス・ディレクティブとの違いは?
博士
事前指示書=アドバンス・ディレクティブは、リビングウィル+代理意思決定者の指名の2要素で構成される。日本では法制化されておらず、ガイドラインベースで運用されておる。
アユム
用語の違いがはっきりわかりました。
POINT
リビングウィルは終末期医療の希望を事前に文書化する意思表示で、ACPや事前指示書の一部として重要です。アドヒアランスは治療参加、セカンドオピニオンは別医師の意見、インフォームド・コンセントは説明と同意のプロセスです。似た用語は丁寧に整理して区別しましょう。終末期ケアでは本人の価値観を尊重する姿勢が看護師に求められます。
解答・解説
正解は 2 です
問題文:終末期に自分がどのような医療を受けたいかをあらかじめ文書で示しておくのはどれか。
解説:正解は 2 です。リビングウィル(living will)は、人生の終末期に自分がどのような医療を受けたいか(あるいは受けたくないか)を、判断能力があるうちに文書で示しておくものです。延命治療の拒否や希望する緩和ケアの内容などを記載し、本人の意思決定能力が失われた後でも意思を尊重できるようにします。近年はアドバンス・ケア・プランニング(ACP、『人生会議』)の一部として位置づけられ、家族や医療者との継続的な話し合いが重視されています。
選択肢考察
-
× 1. アドヒアランス
アドヒアランスは患者が治療方針を理解・納得して積極的に治療に参加することで、終末期の文書表明とは異なります。
-
○ 2. リビングウィル
リビングウィルは終末期医療について事前に文書で意思表示するもので、設問の定義に一致します。
-
× 3. セカンドオピニオン
セカンドオピニオンは主治医以外の医師に診断や治療方針について意見を求める仕組みで、終末期の意思表明ではありません。
-
× 4. インフォームド・コンセント
インフォームド・コンセントは医療者の十分な説明と患者の同意のプロセスで、事前文書そのものではありません。
関連概念を整理しましょう。アドバンス・ディレクティブ(事前指示書)はリビングウィルと代理意思決定者の指名の2要素からなります。日本では2018年に厚生労働省が『人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン』を改訂し、ACPの考え方が普及しました。DNAR(蘇生を試みない指示)もリビングウィルの表明の一例です。コンプライアンス(従順な服薬)とアドヒアランス(主体的な治療参加)の違いも混同しないよう注意。
終末期医療における意思表示の用語『リビングウィル』を正しく理解しているかを問う倫理の必修問題です。
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