身体拘束ゼロの手引き、禁止行為はどれ
看護師国家試験 第113回 午後 第4問 / 必修問題 / 看護における倫理と法律
国試問題にチャレンジ
平成13年(2001年)の「身体拘束ゼロの手引き」において身体拘束の禁止対象となる行為はどれか。
- 1.L字バーを設置する。
- 2.離床センサーを設置する。
- 3.点滴ルートを服の下に通して視野に入らないようにする。
- 4.ベッドを柵(サイドレール)で囲んで降りられないようにする。
対話形式の解説
博士
2001年の「身体拘束ゼロへの手引き」の11類型、具体例を覚えておるか。
アユム
縛る、閉じ込める、のイメージですが細かい項目までは自信がありません。
博士
正解は選択肢4の「ベッドを柵で囲んで降りられないようにする」じゃ。11類型にはっきり明記されておる。
アユム
サイドレール全部ではないですよね。
博士
そうじゃ。転落防止で片側につける程度は該当せん。「降りられないように囲む」ことがポイントじゃ。
アユム
選択肢1のL字バーは?
博士
起き上がりや移乗を助ける福祉用具じゃ。動きを制限するどころか助けるから拘束ではないぞ。
アユム
選択肢2の離床センサーはどうですか。
博士
知らせるための機器で動きそのものは止めん。ただ本人の尊厳を考えて必要性は吟味すべきじゃの。
アユム
選択肢3の点滴ルートを服の下に通すのは?
博士
自己抜去予防の工夫で拘束には当たらん。ミトンや抑制帯を使えば禁止対象になるがの。
アユム
例外的に拘束が認められる場合はあるのですか。
博士
切迫性・非代替性・一時性の3要件をすべて満たし、組織で検討・記録した緊急やむを得ない場合のみじゃ。
アユム
拘束の弊害には何がありますか。
博士
せん妄、褥瘡、ADL低下、誤嚥、時に死亡もじゃ。だから予防と代替が原則じゃな。
アユム
診療報酬上も身体拘束最小化が評価されているのですよね。
博士
そうじゃ。組織として減らす仕組みが求められておる。
アユム
用具と拘束の違い、要件、弊害まで整理できました。
POINT
本問は身体拘束ゼロの手引きに示された禁止11類型のうち、サイドレールで囲み降りられなくする行為が該当することを問う問題です。L字バーや離床センサー、点滴ルートの工夫は拘束ではありません。例外的許容の3要件(切迫性・非代替性・一時性)、拘束の弊害、組織的最小化の取り組みまで押さえておくと実務にも直結します。
解答・解説
正解は 4 です
問題文:平成13年(2001年)の「身体拘束ゼロの手引き」において身体拘束の禁止対象となる行為はどれか。
解説:正解は 4 の「ベッドを柵(サイドレール)で囲んで降りられないようにする。」です。厚生労働省「身体拘束ゼロへの手引き」(2001年)では、介護保険指定基準で禁止される身体拘束として11類型が示されており、その中に「自分で降りられないようにベッドを柵(サイドレール)で囲む」行為が明記されています。体幹や四肢の抑制、Y字拘束、ミトン、車椅子ベルト、過量の向精神薬投与、隔離などもこれに該当します。
選択肢考察
-
× 1. L字バーを設置する。
L字バー(介助バー)は起き上がりや移乗を助ける福祉用具で、動きを助ける目的なら身体拘束には当たりません。
-
× 2. 離床センサーを設置する。
離床を知らせて看護・介護者が駆けつけるための機器で、動きを直接制限しません。ただし本人の尊厳に配慮して必要性を吟味することが求められます。
-
× 3. 点滴ルートを服の下に通して視野に入らないようにする。
ルートを衣服内に通すのは自己抜去予防や安全確保のための工夫で、身体の動きを拘束するものではなく禁止対象には含まれません。
-
○ 4. ベッドを柵(サイドレール)で囲んで降りられないようにする。
本人の意思で降りられないようにサイドレールで周囲を囲む行為は、11類型の一つに明記された禁止対象です。
身体拘束ゼロへの手引きでは、緊急やむを得ない場合に限り、切迫性・非代替性・一時性の3要件をすべて満たし、組織的に検討・記録することが例外的に認められています。拘束はせん妄・褥瘡・ADL低下・誤嚥・死亡などの弊害を招くため、原因に応じた個別ケア、環境整備、チーム対応で予防することが原則です。医療機関では身体拘束最小化の取り組みが診療報酬上も評価されています。
身体拘束の具体的な禁止行為を正確に理解し、福祉用具や予防的工夫との違いを判別できるかを問う問題です。
「看護における倫理と法律」の関連記事
-
保助看法に何が書かれているか—看護職の根幹法令を読み解く
看護関連法規の役割分担を問う問題。保助看法は「資格・免許・業務」、人材確保法は「離職届出・ナースセンター」と…
114回
-
労働安全衛生法に規定されているのはどれか
労働安全衛生法の目的と主な規定内容(特に健康診断)を、他の労働関係法令と区別して理解しているかを問う問題です。
113回
-
業務従事者届の提出先をおさえる
保健師助産師看護師法第33条に規定された業務従事者届の提出先と提出頻度を問う必修問題です。
113回
-
看護師の守秘義務—保助看法第42条の2を読み解く
看護師の守秘義務の根拠法を問う必修問題。『保助看法第42条の2』を押さえ、助産師は刑法第134条で規定される違いに…
112回
-
緩和ケアの本質—QOLを中心に据える全人的アプローチ
緩和ケアの目的がQOLの向上にあること、そして終末期に限らず診断時から行うものであることを押さえる必修問題。
112回