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レスパイトケア、介護者を守ることで介護を守る

看護師国家試験 第109回 午前 第8問 / 必修問題 / 看護の対象と活動の場

国試問題にチャレンジ

109回 午前 第8問

レスパイトケアの目的はどれか。

  1. 1.介護者の休息
  2. 2.介護者同士の交流
  3. 3.介護者への療養指導
  4. 4.療養者の自己決定支援

対話形式の解説

博士 博士

今日はレスパイトケアについて学ぶぞ。在宅介護を支える重要な概念じゃ。

アユム アユム

レスパイトってどういう意味ですか?

博士 博士

英語で『一時的中断』『小休止』『息抜き』を意味する言葉じゃ。つまりレスパイトケアは『介護者の一時的な休息』を支えるケアなのじゃ。

アユム アユム

療養者さん本人のケアではなく、介護者のためのケアなんですね。

博士 博士

その通り。ここが大事なポイントじゃ。介護保険サービスの中には療養者のためのものと、家族を支えるものがあるのじゃ。

アユム アユム

具体的にはどんなサービスがありますか?

博士 博士

介護保険では『短期入所生活介護(ショートステイ)』や『短期入所療養介護』が代表的じゃ。医療的ケアが必要な場合は病院での『レスパイト入院』もある。

アユム アユム

在宅で介護している家族はなぜレスパイトが必要なんですか?

博士 博士

24時間365日の介護は想像以上に過酷じゃ。身体的疲労、睡眠不足、社会的孤立、精神的ストレス…介護者の7割以上が何らかの負担を感じているという調査もある。

アユム アユム

介護うつや介護離職も社会問題になっていますね。

博士 博士

さらに深刻なのは介護虐待や共倒れじゃ。介護者が倒れれば療養者の生活も崩壊する。だから『介護者を守ることが介護の継続を守ること』になるのじゃ。

アユム アユム

他の選択肢との違いも整理したいです。介護者同士の交流は?

博士 博士

これは家族会やピアサポートグループが担う領域じゃ。情報交換や精神的支え合いを目的とするもので、レスパイトの直接の目的ではない。

アユム アユム

介護者への療養指導は?

博士 博士

訪問看護師やケアマネジャー、退院指導が担う技術指導のことじゃな。これもレスパイトとは別の機能じゃ。

アユム アユム

療養者の自己決定支援は?

博士 博士

これは療養者本人の意思決定に関わるアドバンス・ケア・プランニングなどの文脈じゃ。レスパイトは介護者側を対象にしている点で性格が違う。

アユム アユム

医療的ケア児の家族のレスパイトというのも最近よく聞きます。

博士 博士

よいところに気づいたな。人工呼吸器や経管栄養が必要な子を家で見る家族の負担は莫大じゃ。医療型短期入所の整備は今まさに重要政策課題じゃ。

アユム アユム

看護師としてできることはなんですか?

博士 博士

退院支援や訪問看護の場面で介護者の疲労サインを早期に察知し、ケアマネと連携してレスパイトを提案することじゃ。『頑張り続けるだけが介護ではない』と伝える力も大切なのじゃ。

アユム アユム

介護者を支えることが、結果として療養者を守ることにつながるんですね。

POINT

レスパイトケアとは在宅介護を担う家族が一時的に介護から離れて休息できるよう、療養者を短期間受け入れる支援です。介護保険のショートステイ、レスパイト入院、障害福祉の短期入所などが代表的サービスで、介護者の身体的・精神的疲労の緩和、介護の継続性確保、介護離職や虐待・共倒れの予防が目的です。対象は療養者ではなく『介護者』である点がレスパイトケアの核心です。看護師は介護者の疲労サインを早期に察知し、制度活用を提案することで、家族全体の生活の質と療養の継続を支える重要な役割を担います。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:レスパイトケアの目的はどれか。

解説:正解は 1 です。レスパイト(respite)は『一時的中断』『休息』を意味する英語で、レスパイトケアとは在宅で療養者を介護している家族が一時的に介護から離れて休息できるよう、療養者を短期的に施設等で受け入れる支援を指す。介護者の身体的・精神的疲弊の緩和、介護の継続性の確保、家族関係の維持がねらいである。

選択肢考察

  1. 1.  介護者の休息

    レスパイトケア本来の目的。介護者が心身を休めリフレッシュすることで介護の継続を支える。ショートステイや短期入所、レスパイト入院などが代表的サービス。

  2. × 2.  介護者同士の交流

    介護者同士の交流は家族会やピアサポートの目的。結果的にレスパイト効果もあるが、レスパイトケアの主目的ではない。

  3. × 3.  介護者への療養指導

    介護技術指導は訪問看護・ケアマネジャー・退院指導などが担う領域。レスパイトケアの主目的ではない。

  4. × 4.  療養者の自己決定支援

    療養者本人の意思決定支援はアドバンス・ケア・プランニングや意思決定支援の文脈で扱われる。レスパイトケアは介護者側の支援である。

レスパイトケアの具体的なサービスには、介護保険の短期入所生活介護(ショートステイ)、短期入所療養介護、医療依存度の高い患者向けのレスパイト入院、障害福祉サービスの短期入所、難病患者の医療型短期入所などがある。近年は重症心身障害児や医療的ケア児の家族支援としてもレスパイトが重視されている。長期介護による介護者の燃え尽き(介護うつ・介護虐待・共倒れ)を防ぐうえで、看護師は制度案内や家族アセスメントの役割を担う。

レスパイトケアの主目的は『介護者の休息』という中核概念を問う基本問題。対象は療養者ではなく介護者側である点がポイント。