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潰瘍性大腸炎で起こる下痢のタイプを整理しよう

看護師国家試験 第107回 午後 第12問 / 必修問題 / 徴候と疾患

国試問題にチャレンジ

107回 午後 第12問

潰瘍性大腸炎( ulcerative colitis )によって生じるのはどれか。

  1. 1.滲出性下痢
  2. 2.分泌性下痢
  3. 3.脂肪性下痢
  4. 4.浸透圧性下痢

対話形式の解説

博士 博士

今日は潰瘍性大腸炎で起こる下痢について勉強するのじゃ

アユム アユム

はい、先生。選択肢に下痢のタイプが4つ並んでいますね

博士 博士

そうじゃ。滲出性、分泌性、脂肪性、浸透圧性、この4つを区別できるかがポイントじゃ

アユム アユム

潰瘍性大腸炎は粘膜にびらんや潰瘍ができる病気ですよね

博士 博士

その通り。炎症で粘膜の透過性が亢進して、血漿や血液、粘液が腸管内に漏れ出すのじゃ

アユム アユム

だから粘血便になるんですね

博士 博士

うむ。これを『滲出性下痢』と呼ぶのじゃ。クローン病でも同じ機序じゃな

アユム アユム

分泌性下痢はコレラで有名ですよね

博士 博士

さよう。毒素で腸が水を分泌してしまうタイプで、絶食しても止まりにくい特徴があるのじゃ

アユム アユム

浸透圧性下痢は下剤や乳糖不耐症ですね

博士 博士

正解じゃ。こちらは絶食すると改善するのが鑑別ポイントじゃな

アユム アユム

脂肪性下痢は慢性膵炎など脂肪吸収障害で起こるんでしたね

博士 博士

その通り。潰瘍性大腸炎は難病指定で、粘血便イコール滲出性と結びつけて覚えるのじゃ

POINT

潰瘍性大腸炎は大腸粘膜にびらんや潰瘍を形成する指定難病で、炎症により腸管透過性が亢進し滲出液が漏出することで下痢を生じます。この機序を滲出性下痢といい、粘血便が典型症状です。分泌性はコレラ、浸透圧性は下剤乱用、脂肪性は膵外分泌不全と原因疾患で対比させると理解しやすくなります。国試では『潰瘍性大腸炎=滲出性下痢=粘血便』をワンセットで記憶しましょう。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:潰瘍性大腸炎( ulcerative colitis )によって生じるのはどれか。

解説:正解は 1 です。潰瘍性大腸炎は大腸粘膜にびらんや潰瘍を形成する原因不明の炎症性腸疾患で、厚生労働省の指定難病に位置付けられています。炎症により腸管粘膜の透過性が亢進し、血漿成分や血液・粘液などの滲出液が腸管内へ大量に漏出することで下痢を生じます。このタイプの下痢を滲出性下痢と呼び、粘血便を特徴とするのが臨床的ポイントです。

選択肢考察

  1. 1.  滲出性下痢

    腸管粘膜の炎症や潰瘍により血漿・粘液・血液などの滲出液が腸管内に漏れ出し、さらに吸収障害も加わって生じる下痢です。潰瘍性大腸炎やクローン病など炎症性腸疾患の典型像です。

  2. × 2.  分泌性下痢

    細菌毒素(コレラ毒素など)やホルモンによって腸管上皮からの水・電解質分泌が亢進して起こる下痢です。絶食しても改善しにくいのが特徴で、潰瘍性大腸炎の機序とは異なります。

  3. × 3.  脂肪性下痢

    慢性膵炎や吸収不良症候群など脂肪の消化・吸収障害により未消化の脂肪が便中に排泄される下痢です。脂肪便として悪臭と灰白色を呈し、潰瘍性大腸炎の主病態ではありません。

  4. × 4.  浸透圧性下痢

    高浸透圧物質(マグネシウム製剤、乳糖不耐、糖アルコールなど)が腸管に残存し水分を引き込むことで生じます。絶食すると改善するのが特徴で、潰瘍性大腸炎の機序とは異なります。

下痢は病態機序で滲出性・分泌性・浸透圧性・運動亢進性・脂肪性に分類されます。潰瘍性大腸炎の粘血便は『滲出性』と覚え、コレラは『分泌性』、下剤乱用や乳糖不耐は『浸透圧性』と対比して整理すると国試で迷いません。

潰瘍性大腸炎は大腸粘膜の炎症・潰瘍により滲出液が漏れ出す滲出性下痢を起こす。粘血便と指定難病が関連キーワード。