経管栄養の手技と目的を結びつけよう
看護師国家試験 第103回 午後 第43問 / 基礎看護学 / 診療に伴う看護技術
国試問題にチャレンジ
経鼻経管栄養法の実施方法とその目的の組合せで正しいのはどれか。
- 1.注入前に胃内容物を吸引する ―――――――― 消化の促進
- 2.注入中はFowler〈ファウラー〉位にする ――― 逆流の防止
- 3.注入終了後に微温湯を流す ――――――――― 誤嚥の予防
- 4.注入終了後はチューブを閉鎖する ―――――― 嘔吐の予防
対話形式の解説
博士
今日は経鼻経管栄養法の手技と目的の組合せを整理するぞ。最大のリスクは何だと思う?
サクラ
誤嚥性肺炎ですよね。
博士
その通り。だから体位管理と位置確認が極めて重要なんじゃ。
サクラ
では正解は何番ですか?
博士
正解は2番、Fowler位で注入することで逆流を防止する組合せじゃ。30〜45度の半坐位を保つことで重力が味方してくれるぞ。
サクラ
注入後はすぐ寝かせていいんですか?
博士
いや、注入後30〜60分はそのままの体位を維持するのが鉄則じゃ。
サクラ
1番の注入前の胃内容物吸引はどうなんですか?
博士
これはチューブが胃に正しく入っているかの確認と、前回の栄養剤の残量を見るためじゃ。消化促進ではないぞ。
サクラ
3番の微温湯フラッシュは?
博士
これはチューブ内に栄養剤が残って固まったり腐敗するのを防ぐためじゃ。誤嚥予防とは関係ないんじゃよ。
サクラ
4番のチューブ閉鎖は嘔吐予防ではないんですね。
博士
うむ、胃内容物がチューブを伝って溢れ出る溢流を防ぐためじゃ。
サクラ
目的を一つひとつ理解すると応用がきくんですね。
POINT
経鼻経管栄養では誤嚥防止のためFowler位を保ち、注入前の吸引はチューブ位置確認、微温湯フラッシュは閉塞予防、注入後のチューブ閉鎖は溢流予防が目的です。各手技の目的を正しく理解し、合併症予防に努めることが重要です。
解答・解説
正解は 2 です
問題文:経鼻経管栄養法の実施方法とその目的の組合せで正しいのはどれか。
解説:正解は2です。経鼻経管栄養では栄養剤の胃食道逆流による誤嚥性肺炎が最大のリスクであり、注入中から注入後30〜60分はFowler位(30〜45度の半坐位)を保持して逆流を防ぎます。座位に近いほど重力で胃内容物が腸へ流れやすくなります。
選択肢考察
-
× 1. 注入前に胃内容物を吸引する ―――――――― 消化の促進
誤った組合せです。注入前の胃内容物吸引はチューブが胃内に正しく留置されているかの確認と、胃内残量チェックが目的で、消化促進のためではありません。
-
○ 2. 注入中はFowler〈ファウラー〉位にする ――― 逆流の防止
正しい組合せです。半坐位を保つことで栄養剤の食道逆流と誤嚥を予防できます。注入後も30〜60分はこの体位を維持します。
-
× 3. 注入終了後に微温湯を流す ――――――――― 誤嚥の予防
誤った組合せです。微温湯のフラッシュはチューブ内の栄養剤残渣による閉塞や腐敗、細菌繁殖の予防が目的で、誤嚥予防ではありません。
-
× 4. 注入終了後はチューブを閉鎖する ―――――― 嘔吐の予防
誤った組合せです。チューブ閉鎖は胃内容物がチューブから漏出(溢流)するのを防ぐためであり、嘔吐予防が目的ではありません。
経鼻経管栄養の合併症には誤嚥性肺炎、下痢、チューブ閉塞、皮膚トラブルなどがあります。注入前に必ず気泡音や吸引で位置確認を行い、栄養剤は人肌程度に温め、滴下速度を一定に保ちます。
経鼻経管栄養における各手技の目的を正確に理解しているかを問う問題です。
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