動脈性外出血の止血帯法の正しい手順
看護師国家試験 第103回 午前 第46問 / 基礎看護学 / 診療に伴う看護技術
国試問題にチャレンジ
動脈性外出血の止血帯を用いた間接圧迫法について適切なのはどれか。
- 1.圧迫開始時刻を記載する。
- 2.幅が1cmの止血帯を用いる。
- 3.動脈圧より低い圧を加える。
- 4.圧迫は2時間に1回緩める。
対話形式の解説
博士
今日は止血帯を用いた止血法について学ぼう。動脈性の大量出血で命を救う重要な処置だよ。
アユム
博士、止血法にはどんな種類があるんですか?
博士
基本は直接圧迫止血で、それで止まらない場合に間接圧迫止血、最終手段として止血帯法を使うんだ。
アユム
止血帯法は最後の手段なんですね。
博士
そう、神経や組織への影響が大きいから、他の方法で制御できない動脈性大量出血のときだけ使うんだ。
アユム
今回の問題の正解は?
博士
正解は1番、圧迫開始時刻を記載することだ。長時間の圧迫は組織壊死や神経麻痺を起こすから、時間管理が必須なんだよ。
アユム
2番の幅1cmはどうですか?
博士
細すぎるね。止血帯は幅3cm以上が原則。細いと圧が集中して皮膚や神経を損傷してしまうよ。
アユム
3番の動脈圧より低い圧では?
博士
それでは血流が止まらない。むしろ静脈還流だけが阻害されてうっ血が悪化するんだ。動脈圧より高い圧が必要だよ。
アユム
4番の2時間に1回緩めるのは?
博士
長すぎるね。30分〜1時間ごとに1〜2分程度緩めて血行を再開させるのが原則だ。2時間放置は壊死のリスクが高いよ。
アユム
止血帯を緩めるときの注意点は?
博士
緩めると同時に大出血が再開する可能性があるから、直接圧迫の準備をしてから緩めるんだ。
アユム
最近のガイドラインでは何か変化がありますか?
博士
戦傷外傷の現場ではターニケットの2時間以内使用が容認される場面もあるよ。ただし一般救急では原則短時間使用だね。
アユム
止血帯を巻く位置はどこですか?
博士
出血部位より中枢側、つまり心臓寄りの太い動脈走行部に巻くんだ。下肢なら大腿、上肢なら上腕が基本だよ。
アユム
4原則を覚えておきます。
博士
そう、開始時刻記載・幅3cm以上・動脈圧以上・定期解除の4つだね。生命に関わる処置だから確実に身につけよう。
POINT
止血帯法は四肢の動脈性大量出血に対する救命処置である。圧迫開始時刻の記載は組織壊死や神経麻痺を予防するために必須となる。幅は3cm以上、動脈圧以上の圧で、30分〜1時間ごとに緩めるのが原則である。直接圧迫で止血できない場合のみ用いる最終手段と位置づけられる。
解答・解説
正解は 1 です
問題文:動脈性外出血の止血帯を用いた間接圧迫法について適切なのはどれか。
解説:正解は 1 です。止血帯法(ターニケット)は、四肢の動脈性大量出血が他の止血法で制御できない場合に用いる救命的処置です。出血部位より中枢側(心臓寄り)の動脈を強く圧迫して血流を遮断します。長時間の圧迫は神経麻痺・組織壊死・コンパートメント症候群などの重篤な合併症を起こすため、必ず開始時刻を記録し、医療スタッフ間で共有する必要があります。
選択肢考察
-
○ 1. 圧迫開始時刻を記載する。
圧迫時間を正確に把握するため、開始時刻の記載は必須です。長時間の止血帯使用は組織虚血による壊死や神経麻痺を引き起こすため、定期的に緩めるタイミングや解除時期を判断する基準となります。
-
× 2. 幅が1cmの止血帯を用いる。
止血帯の幅は3cm以上が原則です。1cmと細い止血帯では局所に圧が集中し、皮膚・皮下組織・神経・血管の損傷リスクが高まります。十分な幅を持たせることで圧迫面積が分散され、組織損傷を最小化できます。
-
× 3. 動脈圧より低い圧を加える。
動脈の血流を完全に遮断するためには動脈圧(収縮期血圧)より高い圧をかける必要があります。動脈圧より低い圧では血流が止まらず、むしろ静脈還流のみが阻害されてうっ血を増悪させてしまいます。
-
× 4. 圧迫は2時間に1回緩める。
止血帯による圧迫は30分〜1時間ごとに一時的に緩めるのが原則で、2時間放置は組織壊死や神経麻痺のリスクが極めて高くなります。緩める時間は1〜2分程度で血行を再開させます。
止血法の階層:①直接圧迫止血(最優先・基本)、②間接圧迫止血(出血部より中枢側の動脈を圧迫)、③止血帯法(直接圧迫で止まらない大量出血のみ)。止血帯のポイント:幅3cm以上、開始時刻記載、動脈圧以上の圧、30分〜1時間ごとに緩める。最近のJATEC等のガイドラインでは、戦傷外傷で2時間以内の使用は安全とされる場面もあるが、原則は短時間使用。
止血帯法の正しい手順と合併症予防のポイントを理解しているかを問う。開始時刻記載・幅3cm以上・動脈圧以上・定期的解除が4原則。
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