一時的止血法と永久的止血法を見分けよう
看護師国家試験 第108回 午後 第39問 / 基礎看護学 / 診療に伴う看護技術
国試問題にチャレンジ
永久的止血法に含まれるのはどれか。
- 1.止血帯法
- 2.タンポン法
- 3.血管結紮法
- 4.間接圧迫止血法
対話形式の解説
博士
今日は止血法の分類を学ぶぞ。止血法は大きく一時的止血法と永久的止血法に分けられる。
サクラ
選択肢の中で永久的止血法は3の血管結紮法ですね。
博士
そのとおり。血管結紮法は出血している血管を糸で縛って血流を完全に遮断する手術的手技じゃ。これで確実に止血できるから永久的じゃ。
サクラ
1の止血帯法はなぜ一時的ですか。
博士
止血帯法は四肢の大出血で直接圧迫できないときに、出血部位より中枢側を緊縛して血流を遮断する応急処置じゃ。長時間続けると末梢が虚血で壊死するから、30分〜1時間ごとに一時的に緩める必要がある。
サクラ
だから永久的にはできないんですね。
博士
そういうことじゃ。装着時刻を必ず記録することも大切じゃ。
サクラ
2のタンポン法は。
博士
ガーゼを創部や鼻腔内に詰めて圧迫する方法で、栓塞法ともいう。鼻出血や深部の出血で用いる一時的止血法じゃ。
サクラ
4の間接圧迫止血法はどういうものですか。
博士
出血している部位より中枢側の動脈、いわゆる止血点を指や手で圧迫する方法じゃ。上腕出血なら腋窩、大腿出血なら鼠径部、という具合じゃな。これも一時的止血じゃ。
サクラ
他にも一時的止血法はありますか。
博士
直接圧迫止血法が最も推奨される第一選択じゃ。あとは患肢挙上法などじゃな。
サクラ
永久的止血法には他に何がありますか。
博士
結紮法のほか縫合法、焼灼法(電気凝固)、血管塞栓術、圧挫法などじゃ。内視鏡止血術やクリッピングも広い意味での永久的止血に含まれる。
サクラ
救急現場で最初に行うのは何ですか。
博士
直接圧迫止血が第一選択じゃ。清潔なガーゼを当てて出血部を直接圧迫する。これで多くの外出血は止まる。
サクラ
止血帯法は最後の手段なのですね。
博士
そうじゃ。四肢切断など直接圧迫が困難な場合に限定して使う。また装着時刻を記録し、医療機関到着まで緩めないケースと定期的に緩めるケースがあり、状況で判断する。
サクラ
出血量が多いときのショックにも注意ですね。
博士
成人では循環血液量の20%以上の出血でショック症状が出始める。止血と同時に気道確保・酸素投与・輸液ルート確保を忘れるでない。
サクラ
分類と具体例をセットで覚えます。
POINT
血管結紮法は出血血管を糸で縛って血流を止める永久的止血法です。止血帯法・タンポン法・間接圧迫止血法・直接圧迫止血法などは応急処置としての一時的止血法に分類されます。救急現場ではまず直接圧迫止血が第一選択で、止血帯法は直接圧迫困難時の最終手段です。永久的止血は結紮・縫合・焼灼・塞栓術など手術的手技であることを押さえましょう。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:永久的止血法に含まれるのはどれか。
解説:正解は 3 です。止血法は応急処置としての一時的止血法と、手術等による永久的止血法に大別されます。血管結紮法は出血している血管を糸で縛って血流を遮断する手術的止血法で、永久的止血法に含まれます。縫合法・電気凝固法・血管塞栓術なども永久的止血法の代表です。
選択肢考察
-
× 1. 止血帯法
四肢の大出血時に緊縛で血流を遮断する応急処置で一時的止血法です。30分ごとに一時的に緩める必要があります。
-
× 2. タンポン法
ガーゼなどを創部や鼻腔内に詰めて圧迫止血する一時的止血法で、栓塞法とも呼ばれます。
-
○ 3. 血管結紮法
出血血管を糸で結紮して確実に血流を止める手術的手技で、永久的止血法に分類されます。
-
× 4. 間接圧迫止血法
出血部位より中枢側の動脈(止血点)を指や手で圧迫する一時的止血法です。
止血法の分類:【一時的止血法】①直接圧迫止血法(最も推奨)②間接圧迫止血法(止血点圧迫)③止血帯法(緊縛法)④タンポン法(栓塞法)⑤挙上法。【永久的止血法】①結紮法②縫合法③焼灼法(電気凝固)④血管塞栓術⑤圧挫法。現場での救急処置では直接圧迫止血が第一選択です。止血帯法は四肢切断など直接圧迫不能な場合に限り使用し、装着時刻を記録、30分〜1時間ごとに一時的解除し末梢虚血を回避します。
一時的止血法と永久的止血法の分類を正しく理解しているかを問う問題です。
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