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頭部MRI検査の前処置と注意事項

看護師国家試験 第108回 午後 第40問 / 基礎看護学 / 診療に伴う看護技術

国試問題にチャレンジ

108回 午後 第40問

成人に行う頭部MRI検査で正しいのはどれか。

  1. 1.造影を伴わない場合は検査直前まで飲食してよい。
  2. 2.使い捨てカイロは装着したままでよい。
  3. 3.検査中は手足を自由に動かしてよい。
  4. 4.補聴器は装着したままでよい。

対話形式の解説

博士 博士

今日は頭部MRI検査の注意事項を学ぶぞ。MRIは強力な磁場とラジオ波で画像を得る検査で、X線被曝がないのが利点じゃ。

アユム アユム

正解は1の『造影を伴わない場合は検査直前まで飲食してよい』ですね。

博士 博士

そのとおり。頭部の単純MRIでは消化管蠕動や造影剤副作用を心配する必要がないため、食事制限は基本的に不要じゃ。

アユム アユム

造影剤を使う場合は違うのですか。

博士 博士

造影MRIではガドリニウム製剤を用いる。副作用で嘔気嘔吐を起こす可能性があるから検査4時間前から絶食、水やお茶は可とする施設が多い。

アユム アユム

腹部MRIも絶食が必要ですよね。

博士 博士

そうじゃ。消化管の蠕動やガスが画像を乱すのを防ぐために絶食する。MRCPでは絶飲食も必要じゃ。

アユム アユム

2の『使い捨てカイロは装着したまま』はどうして誤りですか。

博士 博士

使い捨てカイロには鉄粉が入っておる。磁場の中でラジオ波が当たると発熱して熱傷を起こす危険がある。ニトロダームや湿布も金属含有のものがあるから注意じゃ。

アユム アユム

3の『手足を自由に動かしてよい』も違いますね。

博士 博士

体動は画像ブレの元じゃ。さらに手足を組んだり接触させると誘導電流が発生して熱傷を生じる危険もあるから、手足は組まず伸ばしておくよう指導する。

アユム アユム

4の補聴器はなぜダメなんですか。

博士 博士

補聴器には金属や磁石が含まれておる。磁場で故障するし、強力な磁力で装置に引き寄せられて患者が怪我をする危険もある。また画像にアーチファクトが出て診断ができなくなる。

アユム アユム

他に持ち込めないものはありますか。

博士 博士

ヘアピン・ピアス・ネックレス・眼鏡・時計・磁気カード・義歯(磁性体入り)などじゃ。下着のワイヤーも注意じゃ。

アユム アユム

検査禁忌となる体内金属もありますよね。

博士 博士

心臓ペースメーカー、植込み型除細動器、人工内耳、古い脳動脈瘤クリップなどじゃ。ただし最近はMRI対応の機種もあるから確認が必要じゃ。

アユム アユム

造影剤の禁忌も知りたいです。

博士 博士

ガドリニウム造影剤は腎機能障害(eGFR30未満)で腎性全身性線維症(NSF)のリスクがある。妊婦への投与も慎重を要する。

アユム アユム

検査中の騒音対策は。

博士 博士

MRIは撮像中にかなりの騒音が出るから耳栓やヘッドホンを用意する。閉所恐怖症の有無も事前に確認じゃ。

アユム アユム

確認事項をチェックリストで覚えます。

POINT

頭部の単純MRIは造影剤を使わないため直前まで飲食可能です。使い捨てカイロ・補聴器などの金属含有物は熱傷・飛翔・アーチファクトの原因となるため必ず外します。検査中の体動は画像ブレと誘導電流熱傷の原因になるため制限が必要です。ペースメーカーなどの体内金属、造影剤使用時の腎機能など、MRI特有の禁忌・注意事項を事前に確認することが看護師の重要な役割です。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:成人に行う頭部MRI検査で正しいのはどれか。

解説:正解は 1 です。MRI検査は強力な磁場とラジオ波を用いて画像を得る検査で、X線被曝はありません。造影剤を使用しない単純MRI検査で部位が頭部の場合、消化管への影響を考慮する必要がないため検査直前まで通常の飲食が可能です。造影MRIや腹部・骨盤MRIでは副作用による嘔気嘔吐や消化管蠕動の影響を避けるため絶食指示が必要となります。

選択肢考察

  1. 1.  造影を伴わない場合は検査直前まで飲食してよい。

    頭部の単純MRIでは消化管や造影剤副作用を考慮する必要がないため、食事制限は通常不要です。

  2. × 2.  使い捨てカイロは装着したままでよい。

    使い捨てカイロには鉄粉が含まれ、ラジオ波で発熱し熱傷を起こす危険があります。必ず外します。

  3. × 3.  検査中は手足を自由に動かしてよい。

    体動は画像ブレの原因になります。また手足が接触すると誘導電流で熱傷を生じる危険もあります。

  4. × 4.  補聴器は装着したままでよい。

    補聴器は金属を含み磁場で故障・飛翔するほか、アーチファクトで画像が乱れます。必ず外します。

MRI検査前の確認事項:①ペースメーカー・植込み型除細動器・人工内耳・古い脳動脈瘤クリップ等の体内金属(MRI対応でないものは禁忌)②妊娠の有無(特に第一三半期は慎重投与)③閉所恐怖症の有無④造影剤アレルギー・腎機能(eGFR30未満ではガドリニウムによるNSFリスク)。持ち込み不可物品:ヘアピン・ピアス・ネックレス・補聴器・眼鏡・時計・磁気カード・使い捨てカイロ・ニトロダーム・湿布(金属含有)・ホッカイロ型貼付剤・義歯(磁性体含有のもの)など。検査中は大きな騒音があるため耳栓やヘッドホンを使用します。

MRI検査の禁忌物品・注意事項と造影の有無による前処置の違いを理解しているかを問う問題です。