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点眼薬の正しい投与手技

看護師国家試験 第111回 午後 第38問 / 基礎看護学 / 診療に伴う看護技術

国試問題にチャレンジ

111回 午後 第38問

点眼薬の投与について正しいのはどれか。

  1. 1.点眼時は上眼瞼を上げる。
  2. 2.点眼容器の先端は眼瞼結膜に当てる。
  3. 3.点眼後は眼球を圧迫する。
  4. 4.眼から溢れた薬液は拭き取る。

対話形式の解説

博士 博士

点眼薬投与の基本手技を問う問題じゃ。手順を一つずつ確認していこう。

アユム アユム

正解はどれですか?

博士 博士

正解は4の「眼から溢れた薬液は拭き取る」じゃ。

アユム アユム

なぜ拭き取る必要があるんですか?

博士 博士

溢れた薬液をそのままにすると、皮膚刺激や色素沈着(プロスタグランジン系点眼薬で特に問題)の原因になる。また鼻涙管を通って咽頭に流れると全身吸収を助長することもあるのじゃ。

アユム アユム

選択肢1の上眼瞼を上げるのは?

博士 博士

点眼時は下眼瞼を軽く引き下げて結膜嚢を露出させ、そこに薬液を滴下する。これが基本じゃ。

アユム アユム

選択肢2の容器先端を眼瞼結膜に当てるのは?

博士 博士

絶対にダメじゃ。容器先端を眼や睫毛に触れさせると薬液が汚染され、感染源になる。先端は眼から1〜2cm離して滴下するのが鉄則じゃ。

アユム アユム

選択肢3の眼球圧迫は?

博士 博士

眼球を圧迫すると眼圧が上昇して角膜・水晶体に悪影響が出る。点眼後は閉眼して1〜5分待つだけでよい。

アユム アユム

涙嚢部圧迫とは何ですか?

博士 博士

目頭の内側、鼻の付け根寄りにある涙嚢を人差し指で軽く押さえること。これで鼻涙管への流出を防ぎ、全身吸収を減らせる。特にβブロッカー点眼薬では重要じゃ。

アユム アユム

点眼の手順をまとめると?

博士 博士

①手指衛生②下眼瞼を下げ結膜嚢を露出③容器先端を1〜2cm離して1滴滴下④閉眼し1〜5分待機⑤涙嚢部を軽く圧迫⑥溢れた薬液を清潔なガーゼで拭き取る、という流れじゃ。

アユム アユム

複数の点眼薬を使う時は?

博士 博士

5分以上間隔をあける。先に点眼した薬が涙液で洗い流されないためじゃ。眼軟膏は最後に使用するのが原則。

アユム アユム

容器の共用はダメですよね?

博士 博士

その通り。患者間での共用は交差感染の原因になるから絶対に禁止じゃ。

アユム アユム

点眼の量は何滴が適切ですか?

博士 博士

1滴で十分じゃ。結膜嚢の容量は約30μLで1滴は約50μLあるから、複数滴さしても溢れるだけで効果は変わらん。むしろ副作用のリスクが増える。

アユム アユム

1滴で足りるって驚きです!

博士 博士

患者指導でも「1滴で十分」と伝えることが大切じゃ。

POINT

点眼薬の正しい投与は、下眼瞼を下げて結膜嚢に1滴滴下し、容器先端は眼に触れさせず、点眼後は閉眼1〜5分と涙嚢部圧迫、溢れた薬液の拭き取りが基本です。眼球圧迫は禁忌で、複数点眼薬は5分以上間隔をあけ、眼軟膏は最後に使用します。容器の共用も感染予防の観点から避けるべきで、患者指導にも活用できる基礎知識です。

解答・解説

正解は 4 です

問題文:点眼薬の投与について正しいのはどれか。

解説:正解は 4 です。点眼後に目から溢れた薬液は清潔なガーゼやティッシュで拭き取るのが正しい手技です。溢れた薬液をそのままにすると皮膚刺激や色素沈着の原因になり、また涙道を通って鼻腔や咽頭に流れると全身吸収を助長することがあります。

選択肢考察

  1. × 1.  点眼時は上眼瞼を上げる。

    点眼時は下眼瞼(下まぶた)を軽く引き下げて結膜嚢を露出させ、そこに薬液を滴下します。上眼瞼を上げるのは不適切です。

  2. × 2.  点眼容器の先端は眼瞼結膜に当てる。

    点眼容器の先端を眼や睫毛、皮膚に接触させると容器内薬液が汚染され、感染源となります。先端は1〜2cm離して滴下します。

  3. × 3.  点眼後は眼球を圧迫する。

    眼球を圧迫すると眼圧上昇や角膜・水晶体への悪影響を招きます。点眼後は1〜5分間閉眼し、必要に応じて目頭(涙嚢部)を軽く圧迫して鼻涙管への流出を防ぎます。

  4. 4.  眼から溢れた薬液は拭き取る。

    溢れた薬液は清潔なガーゼやティッシュで拭き取ります。皮膚刺激・色素沈着の予防と、全身吸収の抑制にもつながります。

点眼手技の基本は「手指衛生→下眼瞼を下げて結膜嚢を露出→1〜2cm離して1滴滴下→閉眼して1〜5分→涙嚢部を圧迫→溢れた薬液を拭き取る」です。複数の点眼薬を使う場合は5分以上間隔をあけ、眼軟膏は最後に使用します。交差感染防止のため、患者間で容器を共用しないことも重要です。

点眼薬の正しい投与手技(下眼瞼の牽引、容器先端の非接触、閉眼と涙嚢部圧迫、溢出薬液の拭き取り)を問う問題です。