穿刺部位を完全整理!胸腔・骨髄・腹腔・腰椎の正しい位置
看護師国家試験 第112回 午前 第39問 / 基礎看護学 / 診療に伴う看護技術
国試問題にチャレンジ
穿刺と穿刺部位の組合せで適切なのはどれか。
- 1.胸腔穿刺 ――― 胸骨柄
- 2.骨髄穿刺 ――― 第3・4腰椎間
- 3.腹腔穿刺 ――― 腹直筋外側の側腹部
- 4.腰椎穿刺 ――― 上前腸骨棘
対話形式の解説
博士
今日は穿刺の部位を問う問題じゃ。まず穿刺は誰が行い、看護師の役割は何かな?
サクラ
穿刺は医師が行って、看護師は介助や患者支援をする役割ですよね。
博士
その通り。ただし部位や目的・合併症を理解しておくことで的確な介助や観察ができるのじゃ。選択肢を一つずつ見ていこう。
サクラ
胸腔穿刺は胸骨柄…はさすがに違う気がします。
博士
正しい。胸腔穿刺は胸水排液なら中腋窩線〜後腋窩線上の第5〜7肋間、気胸の脱気なら鎖骨中線上の第2〜3肋間が一般的じゃ。胸骨柄は胸骨の一番上の部分で、穿刺には使わない。
サクラ
肋間を刺すとき、上と下どちらを目指すんですか?
博士
良い質問!肋骨下縁に沿って肋間動静脈と神経が走っておるので、下位肋骨の上縁から刺入するのが鉄則じゃ。
サクラ
なるほど。骨髄穿刺はどこでしたか?
博士
成人では後腸骨稜(上後腸骨棘)が第一選択。小児や一部の症例で胸骨柄の胸骨正中第2肋間も使うが、深部に心臓や大血管があるため注意が必要じゃ。
サクラ
第3・4腰椎間は?
博士
それは腰椎穿刺の部位じゃ。選択肢2は骨髄穿刺との組合せで誤り。
サクラ
腰椎穿刺は上前腸骨棘ではないんですね。
博士
上前腸骨棘は体表のランドマークじゃが、実際の穿刺部位ではない。左右の腸骨稜の最高点を結ぶ線を『ヤコビー線』と呼び、これがだいたい第4腰椎の高さに当たる。そこを目安に第3・4腰椎間または第4・5腰椎間を穿刺するのじゃ。
サクラ
腰椎穿刺のときの患者の体位はどうしましたっけ?
博士
側臥位で膝を抱え込み、背中を丸めてエビのような姿勢をとる。椎間を開いて穿刺しやすくするためじゃ。看護師は体動がないよう支えるのが仕事ぞ。
サクラ
腹腔穿刺は腹直筋外側の側腹部ですね。
博士
そう、正解。臍と上前腸骨棘を結ぶ線の外側1/3の点で、右はマックバーニー点、左は逆マックバーニー点に相当する。この部位は腹壁下動脈や腸管を避けやすい。
サクラ
穿刺前に排尿してもらうのはなぜですか?
博士
膀胱が膨満していると穿刺時に損傷するおそれがあるからじゃ。必ず排尿を促すか、場合によっては導尿を行うぞ。
サクラ
各穿刺の部位と注意点、よく整理できました。
博士
看護師は穿刺中のバイタルモニタリング、穿刺後の出血・気胸・頭痛などの合併症観察も重要。しっかり覚えるのじゃ。
POINT
穿刺は目的に応じて部位が決まっており、胸腔穿刺は胸水なら中腋窩線第5〜7肋間・気胸なら鎖骨中線第2〜3肋間、骨髄穿刺は後腸骨稜または胸骨柄、腰椎穿刺はヤコビー線を目安とした第3・4腰椎間または第4・5腰椎間、腹腔穿刺は腹直筋外側の側腹部(マックバーニー点・逆マックバーニー点)が代表的です。肋骨下縁の血管神経束を避ける刺入方向、腰椎穿刺時のエビ姿勢の保持、腹腔穿刺前の排尿確認など、各穿刺に固有の準備と注意点があります。医師が実施する手技であっても、看護師は体位保持・バイタル監視・合併症観察など重要な役割を担うため、解剖学的ランドマークと手順の理解は必須です。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:穿刺と穿刺部位の組合せで適切なのはどれか。
解説:正解は 3 です。腹腔穿刺は腹水の採取・排液を目的に行い、穿刺部位は臍と上前腸骨棘を結ぶ線の外側1/3の点(右がマックバーニー点、左が逆マックバーニー点に相当)が一般的である。この部位は腹直筋の外側に位置し、腹壁動脈や消化管臓器を避けやすく安全に穿刺できる。
選択肢考察
-
× 1. 胸腔穿刺 ――― 胸骨柄
胸腔穿刺の部位は、胸水の排液では中腋窩線〜後腋窩線上の第5〜7肋間、気胸の脱気では鎖骨中線上の第2〜3肋間が一般的。胸骨柄は穿刺部位ではない。
-
× 2. 骨髄穿刺 ――― 第3・4腰椎間
骨髄穿刺は骨髄液採取のため後腸骨稜(または胸骨柄付近・胸骨正中第2肋間)に行う。第3・4腰椎間は腰椎穿刺の部位である。
-
○ 3. 腹腔穿刺 ――― 腹直筋外側の側腹部
腹腔穿刺は腹直筋の外側(臍と上前腸骨棘を結ぶ線の外側1/3の点)で行い、腹壁下動脈や腸管を避けて安全に穿刺できる。
-
× 4. 腰椎穿刺 ――― 上前腸骨棘
腰椎穿刺は第3・4腰椎間または第4・5腰椎間で行う。上前腸骨棘は腰椎レベルを同定する体表指標(ヤコビー線の目印)として使うが、穿刺部位そのものではない。
主要な穿刺部位の整理:胸腔穿刺は胸水なら中腋窩線第5〜7肋間、気胸なら鎖骨中線第2〜3肋間。肋骨下縁にある血管・神経を避けるため針は下位肋骨の上縁から刺入する。骨髄穿刺は後腸骨稜が安全で第一選択、胸骨柄も使用されるが重要臓器が近く注意が必要。腰椎穿刺は左右の腸骨稜最高点を結ぶヤコビー線(通常第4腰椎棘突起を通る)を目安に第3・4または第4・5腰椎間を穿刺。腹腔穿刺は臍と上前腸骨棘を結ぶ線の外側1/3の点(マックバーニー点/逆マックバーニー点)や臍下方の正中が代表的で、事前に排尿を促して膀胱損傷を防ぐ。
代表的な穿刺の部位を正しく対応づけられるかを問う問題。各穿刺の目的・体表指標・合併症予防の観点から整理する。
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