自己効力感を高めるセルフケア支援
看護師国家試験 第104回 午後 第76問 / 基礎看護学 / 看護の基本となる概念
国試問題にチャレンジ
自己管理を行う上で自己効力感を高める支援として最も適切なのはどれか。
- 1.自己管理の目標はできるだけ高くする。
- 2.必要な知識をできるだけ多く提供する。
- 3.自己管理の方法で不適切な点はそのたびに指摘する。
- 4.自己管理で改善できた点が少しでもあればそれを評価する。
- 5.対象者が自己管理できない理由を話したときは話題を変える。
対話形式の解説
博士
今日は自己効力感を高める支援じゃ。Banduraの理論を聞いたことあるかの?
アユム
はい、自分にもできるという感覚ですね。
博士
その通り。4つの源があるが、特に成功体験が中心じゃ。
アユム
選択肢1、目標を高く設定するのはどうですか。
博士
達成できぬと失敗体験ばかりで自己効力感は下がるのじゃ。
アユム
段階的に達成できる目標が良いんですね。
博士
選択肢2、知識をたくさん提供するのは?
アユム
情報過多で混乱しそうです。
博士
うむ、患者の理解に合わせて適量がコツじゃ。
アユム
選択肢3の毎回指摘は厳しすぎますね。
博士
否定的体験が積み重なって意欲が萎えるからのう。
アユム
選択肢4の小さな改善を評価するは効果的ですね。
博士
これが正解じゃ。言語的説得と達成体験の両方を支える関わりじゃ。
アユム
選択肢5、できない理由で話題を変えるのは。
博士
論外じゃ。傾聴して一緒に考えるのが信頼関係の基本じゃ。
アユム
糖尿病など慢性疾患の支援で大切ですね。
博士
セルフマネジメントの根幹じゃ。
アユム
肯定的フィードバックを意識します。
POINT
自己効力感を高めるには、達成可能な目標設定と小さな成功体験への肯定的評価が要です。Banduraの4つの源を踏まえ、知識は適量を段階的に提供し、できない理由は否定せず傾聴・共感する姿勢が信頼関係を築きます。慢性疾患のセルフマネジメント支援では、患者の自信を支える関わりが行動継続の鍵となります。
解答・解説
正解は 4 です
問題文:自己管理を行う上で自己効力感を高める支援として最も適切なのはどれか。
解説:正解は4です。自己効力感は自分にもできるという感覚で、小さな成功体験の積み重ねによって高まります。改善できた点を見逃さず肯定的にフィードバックすることが、自己管理を継続する原動力となります。
選択肢考察
-
× 1. 自己管理の目標はできるだけ高くする。
達成困難な高い目標は失敗体験を重ね、自己効力感を低下させます。患者の生活状況に合わせ達成可能な目標から段階的に設定するのが有効です。
-
× 2. 必要な知識をできるだけ多く提供する。
情報量が多すぎると消化しきれず混乱を招きます。患者の理解度や関心に合わせて適量を段階的に提供することが効果的です。
-
× 3. 自己管理の方法で不適切な点はそのたびに指摘する。
毎回の指摘は否定的な体験を積み重ね、意欲と自己効力感を奪います。良い点を認めつつ必要な修正を一緒に考える関わりが望まれます。
-
○ 4. 自己管理で改善できた点が少しでもあればそれを評価する。
小さな成功体験を肯定的に評価することは、Banduraが提唱した自己効力感の4つの源のうち遂行行動の達成と言語的説得を高める働きがあり、自己管理の継続に最も効果的です。
-
× 5. 対象者が自己管理できない理由を話したときは話題を変える。
話題を変える対応は患者の思いを否定することになります。まずは傾聴・共感し、できない理由を一緒に分析することが信頼関係と問題解決の出発点です。
自己効力感(self-efficacy)はBanduraが提唱した概念で、4つの源(遂行行動の達成、代理的経験、言語的説得、生理的・情動的状態)から形成されます。糖尿病や慢性疾患のセルフマネジメント支援で広く活用されています。
Banduraの自己効力感理論を踏まえたセルフマネジメント支援の基本姿勢を問う問題です。
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