高齢者に適した補聴器の選び方
看護師国家試験 第104回 午前 第58問 / 老年看護学 / 健康状態・受療状況に応じた看護
国試問題にチャレンジ
手指の巧緻性が低下している高齢者が操作しやすい補聴器の種類はどれか。
- 1.骨導補聴器
- 2.耳あな型補聴器
- 3.耳かけ型補聴器
- 4.ポケット型補聴器
対話形式の解説
博士
今日は補聴器の種類について整理するぞ。高齢者の難聴で多いのは何型かの?
アユム
内耳の有毛細胞障害による感音性難聴です。高音から聞こえにくくなりますね。
博士
その通りじゃ。骨導補聴器はどんな難聴に使うかの?
アユム
外耳や中耳の障害による伝音性難聴ですね。高齢者の感音性難聴には基本的に適応しません。
博士
では耳あな型補聴器の特徴は?
アユム
外耳道に入れる小型タイプで、目立ちにくいですが装着や調節に細かい指先動作が必要です。
博士
巧緻性が低下した方には難しいの。耳かけ型はどうかの?
アユム
耳介後方に装着するので耳あな型より少し大きいですが、ダイヤルが耳の後ろで見えにくく操作が難しいです。
博士
残るはポケット型じゃが、特徴を説明できるかの?
アユム
本体が箱型で胸ポケットに入れて使うタイプですね。スイッチやダイヤルが大きく操作しやすいです。
博士
さらに本体を手元で見ながら扱えるから、巧緻性が低下した方にも安心じゃ。
アユム
電池交換もしやすいですね。
博士
デメリットは?
アユム
目立ちやすい点と、コードが衣服に引っかかる場合があることでしょうか。
博士
選択にはメリット・デメリットを総合的に考える必要があるんじゃよ。
アユム
試聴期間を活用してフィッティング調整しながら決めることが大切ですね。
POINT
補聴器には骨導・耳あな型・耳かけ型・ポケット型などがあり、それぞれ適応と操作性が異なります。手指の巧緻性が低下した高齢者には、本体が大きく操作部の見やすいポケット型が最適です。高齢者に多い感音性難聴では骨導補聴器は適応外で、小型の耳あな型・耳かけ型は細かな操作が必要となり扱いにくくなります。補聴器選択では難聴の型・程度・操作性・整容性・コストを総合判断し、フィッティング調整を継続します。
解答・解説
正解は 4 です
問題文:手指の巧緻性が低下している高齢者が操作しやすい補聴器の種類はどれか。
解説:正解は4です。ポケット型補聴器は本体が箱型で大きく、音量調節ダイヤルやスイッチが見やすく操作しやすいため、手指の巧緻性が低下した高齢者にも扱いやすい構造です。胸ポケットに入れてイヤホンで装用するため、本体を手元で操作できる点も利点です。
選択肢考察
-
× 1. 骨導補聴器
骨導補聴器は外耳・中耳の障害による伝音性難聴に用いられる特殊なタイプで、メガネ型やヘッドバンド型などがあります。高齢者に多い感音性難聴には基本的に適応せず、操作性以前に対象が異なります。
-
× 2. 耳あな型補聴器
耳あな型は外耳道に入れる小型タイプで、装着・取り外しや音量調節に細かな指先動作が必要です。巧緻性が低下した高齢者には扱いが難しいタイプといえます。
-
× 3. 耳かけ型補聴器
耳かけ型は耳介の後ろにかけて使用しますが、本体が小さく耳の後ろにあるためダイヤル操作は手元で見えにくく、巧緻性低下では操作が困難です。
-
○ 4. ポケット型補聴器
ポケット型は本体が大きく操作部も見やすいため、視力や巧緻性が低下した高齢者でもボタン・ダイヤル操作が容易です。電池交換も比較的しやすく、初心者向きの補聴器とされています。
高齢者の難聴は内耳の有毛細胞障害による感音性難聴が中心で、高音域から聞こえにくくなります。補聴器選択では難聴の型・程度・装着の容易さ・コスト・整容性を総合的に考慮します。試聴期間を活用して合うものを選び、装用後はフィッティング調整と定期的な聴力評価が必要です。
補聴器の種類と特徴を理解し、巧緻性が低下した高齢者にとって操作性の高いタイプを選択できるかが問われています。
「健康状態・受療状況に応じた看護」の関連記事
-
81歳男性の大腸カメラ前、看護師が真っ先に聞くべきは?
大腸内視鏡検査前に使用する抗コリン薬の副作用と禁忌(特に前立腺肥大症・緑内障)を理解しているかを問う問題。81…
114回
-
肺の手術を控えた高齢者、最初に教えるべきは深呼吸の練習
高齢者の肺切除術における術後合併症のなかで最も切迫した呼吸器合併症の予防に焦点を当てた指導の優先順位を問う問…
114回
-
ポリファーマシー 〜「数」ではなく「害」がポイント〜
ポリファーマシーを「単に薬の数が多い状態」と誤解せず、「多剤併用に伴う臨床的問題が生じている状態」と理解でき…
114回
-
終末期の在宅看取りを支える
終末期における本人の意思尊重、家族への現実的な在宅ケア指導、社会資源の活用を理解しているかを問う問題です。
113回
-
入院当日から退院を考える?高齢者看護で大切な視点
高齢者看護の基本姿勢として、入院当日からの退院後の生活を見据えた情報収集・アセスメントが求められることを問う…
112回