後期高齢者医療制度の根拠法を押さえる
看護師国家試験 第110回 午後 第48問 / 老年看護学 / 健康状態・受療状況に応じた看護
国試問題にチャレンジ
後期高齢者医療制度が定められているのはどれか。
- 1.介護保険法
- 2.老人福祉法
- 3.高齢者の医療の確保に関する法律
- 4.地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律<医療介護総合確保推進法>
対話形式の解説
博士
今日は高齢者に関する法律の整理じゃ。後期高齢者医療制度の対象は何歳からじゃ?
アユム
原則75歳以上、一定の障害がある場合は65歳以上からです。
博士
うむ。根拠法は何じゃ?
アユム
高齢者の医療の確保に関する法律、通称「高齢者医療確保法」です。
博士
その通り。これは旧老人保健法を改正して平成20年から施行された法律じゃ。
アユム
運営主体はどこですか?
博士
都道府県ごとに設置される後期高齢者医療広域連合じゃ。市町村ではないから注意じゃ。
アユム
介護保険法とは何が違うのでしょうか?
博士
介護保険法は介護サービスの給付、高齢者医療確保法は医療給付を規定しておる。守備範囲が違うのじゃ。
アユム
老人福祉法は?
博士
老人福祉法は福祉施策全般、老人福祉施設や敬老の日などを定めた法律で、医療の仕組みは含まんのじゃ。
アユム
医療介護総合確保推進法はどうですか?
博士
これは地域包括ケアシステムの構築や地域医療構想、病床機能報告制度を整備するための法律じゃ。
アユム
患者負担は1割でしたよね。
博士
原則1割じゃが、現役並み所得なら3割、一定以上所得者なら2割の区分もあるぞい。
アユム
財源構成も押さえておきたいです。
博士
公費5割、現役世代からの支援金4割、保険料1割じゃ。世代間で支え合う仕組みになっておる。
アユム
法律の守備範囲を整理することが合格への近道ですね。
POINT
後期高齢者医療制度は「高齢者の医療の確保に関する法律」に基づき、75歳以上(障害認定で65歳〜)を対象とする独立した医療保険制度です。都道府県単位の後期高齢者医療広域連合が運営し、患者負担は原則1割(所得に応じて2割・3割)、財源は公費・現役世代支援金・保険料で構成されます。介護保険法は介護給付、老人福祉法は福祉施策、医療介護総合確保推進法は地域包括ケアの整備を規定し、それぞれの守備範囲を区別することが重要です。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:後期高齢者医療制度が定められているのはどれか。
解説:正解は 3 です。後期高齢者医療制度は「高齢者の医療の確保に関する法律(高齢者医療確保法)」に基づき、75歳以上(一定の障害があれば65歳以上)を対象として平成20年(2008年)から運用されている独立した医療保険制度です。運営主体は都道府県ごとに設置された後期高齢者医療広域連合です。
選択肢考察
-
× 1. 介護保険法
介護保険法は介護保険制度の根拠法であり、要介護認定を受けた第1号被保険者(65歳以上)と第2号被保険者(40〜64歳で特定疾病該当者)への介護サービス提供を規定しています。医療保険制度ではありません。
-
× 2. 老人福祉法
老人福祉法は高齢者福祉施策全般(老人福祉施設、措置制度、老人の日など)を定めた法律で、医療制度そのものの規定は含みません。
-
○ 3. 高齢者の医療の確保に関する法律
通称「高齢者医療確保法」は、旧老人保健法を改正して平成20年から施行されました。前期高齢者に係る財政調整と後期高齢者医療制度の運営、特定健康診査・特定保健指導などを規定しています。
-
× 4. 地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律<医療介護総合確保推進法>
医療介護総合確保推進法は地域包括ケアシステム構築や病床機能報告制度、地域医療構想などを推進するための整備法であり、後期高齢者医療制度の根拠法ではありません。
後期高齢者医療制度のポイントは、(1)対象は75歳以上(障害認定で65歳〜)、(2)患者負担は原則1割(現役並み所得者3割、一定以上所得者2割)、(3)保険料は個人単位で賦課、(4)運営は都道府県単位の広域連合、(5)財源は公費約5割・現役世代からの支援金約4割・保険料約1割です。旧老人保健法からの変遷も理解しておくと関連問題に対応できます。
高齢者医療・介護関連法の守備範囲を整理し、後期高齢者医療制度の根拠法を特定できるかを問う問題です。
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