公的年金は保険料で成り立つ 賦課方式と強制加入の仕組み
看護師国家試験 第106回 午後 第64問 / 健康支援と社会保障制度 / 社会保障制度の基本
国試問題にチャレンジ
公的年金制度について正しいのはどれか。
- 1.学生は申請によって納付が免除される。
- 2.生活保護を受けると支給が停止される。
- 3.保険料が主要財源である。
- 4.任意加入である。
- 5.積立方式である。
対話形式の解説
博士
今回は公的年金制度について学ぶぞ。国試でも頻出じゃが、数字や制度が絡んでややこしいので整理しよう。
アユム
年金って、自分で貯めたお金が将来戻ってくるイメージだったんですが、違うんですか?
博士
そこが大きな誤解じゃ。日本の公的年金は『賦課方式』と言って、今の現役世代の保険料が、今の高齢者の年金給付に使われておるのじゃ。
アユム
えっ、じゃあ自分が払った分は自分には戻ってこないんですか?
博士
世代間の支え合いという仕組みじゃな。自分が高齢になったら、その時の現役世代が支えてくれる。戦後は積立方式で始まったが、高齢化に対応するため賦課方式中心に移行したのじゃ。
アユム
なるほど、それで選択肢5の『積立方式』は誤りなんですね。
博士
その通り。では財源はどうなっておると思う?
アユム
保険料ですよね?
博士
うむ、保険料が主要財源じゃ。それに加えて、基礎年金給付費の2分の1を国庫が負担しておる。さらに積立金の運用収入もある。
アユム
だから選択肢3が正解なんですね。加入は義務ですか?
博士
日本国内に住む20歳以上60歳未満はすべて国民年金に強制加入じゃ。任意加入ではない。
アユム
学生も払わないといけないんですか?
博士
原則はそうじゃが、『学生納付特例制度』がある。所得が一定以下の学生は申請により在学中の保険料納付を『猶予』できる。
アユム
免除じゃなくて『猶予』なんですね。違いは?
博士
免除は将来の年金額に一部反映されるが、猶予は追納しない限り年金額には反映されない。受給資格期間には算入されるから、10年以内に追納するのが賢明じゃな。
アユム
生活保護を受けると年金は止まるんですか?
博士
止まらんぞ。年金と生活保護は併給できる。年金を収入として、最低生活費との差額が生活保護費として支給される仕組みじゃ。
アユム
制度の狙いとして、年金だけで生活できない人を生活保護が補うんですね。
博士
その通り。では被保険者の3分類も覚えておこう。第1号は自営業・学生など、第2号は会社員・公務員、第3号は第2号の被扶養配偶者じゃ。
アユム
第3号は専業主婦などですね。保険料はどう払うんですか?
博士
第3号は個別の保険料負担がなく、第2号の加入する制度全体で負担する仕組みじゃ。
アユム
国試で狙われるポイントは?
博士
賦課方式、強制加入、主要財源は保険料、学生納付特例は『免除』ではなく『猶予』、生活保護との併給可、この5点は確実に押さえよ。
アユム
数字で言うと、国庫負担が基礎年金の1/2というのも大事ですよね。
博士
その通り。2009年度から1/3から1/2に引き上げられたぞ。
POINT
日本の公的年金制度は、20歳以上60歳未満の全国民が強制加入する国民年金(基礎年金)と、被用者が加入する厚生年金の2階建て構造です。財源は被保険者が納める保険料が中心で、これに基礎年金給付費の1/2を担う国庫負担と積立金の運用収入が加わります。運営方式は現役世代の保険料で高齢者の給付を賄う『賦課方式』を基本とし、世代間の支え合いで成り立っています。学生には納付猶予制度があり、生活保護との併給も可能です。少子高齢化が進む中、年金制度の持続可能性は重要な社会課題であり、看護師も医療と社会保障の接点を理解しておくことが求められます。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:公的年金制度について正しいのはどれか。
解説:正解は 3 です。日本の公的年金制度は、国民年金(基礎年金)と厚生年金の2階建て構造で、20歳以上60歳未満の国民全員が強制加入である。財政は主に被保険者が納める保険料で賄われ、これに国庫負担(基礎年金給付費の2分の1)と運用収入が加わる。つまり『保険料が主要財源』という記述が正しい。また、日本の年金は現役世代の保険料で現在の高齢者の年金を賄う『賦課方式』を基本としており、積立方式ではない。
選択肢考察
-
× 1. 学生は申請によって納付が免除される。
学生には『学生納付特例制度』があり、申請により在学中の保険料納付が『猶予』される(本人の所得が一定以下であることが条件)。『免除』ではなく『猶予』で、後から追納しないと将来の年金額に反映されない点に注意。また全学生が自動で対象になるわけではない。
-
× 2. 生活保護を受けると支給が停止される。
年金と生活保護は併給できる。年金を収入とみなし、最低生活費との差額分が生活保護費として支給される。支給停止にはならない。
-
○ 3. 保険料が主要財源である。
正しい。財源の中心は被保険者が納める保険料で、加えて国庫負担(基礎年金給付費の1/2)と積立金の運用収入で構成される。
-
× 4. 任意加入である。
日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人は、国民年金への加入が義務付けられている(強制加入)。海外在住者などが一部任意加入できる例外はあるが、原則は強制加入。
-
× 5. 積立方式である。
日本の公的年金は、現役世代の保険料で現在の高齢者の年金給付を賄う『賦課方式』を基本としている。戦後は積立方式で始まったが、高齢化に対応するため賦課方式中心に移行した。
被保険者は3種類:第1号(自営業者・学生など)、第2号(会社員・公務員)、第3号(第2号の被扶養配偶者)。保険料免除・猶予制度には『法定免除』(生活保護受給者など)、『申請免除』(所得に応じ全額・3/4・半額・1/4免除)、『学生納付特例』、『納付猶予』(50歳未満)がある。猶予期間は年金額には反映されないが受給資格期間には算入される。追納は10年以内が可能。
公的年金制度の基本的仕組みを問う問題。財源・加入義務・運営方式の3点を正確に理解しているかがカギ。
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