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障害者総合支援法のサービス どれが総合支援法で、どれが介護保険?

看護師国家試験 第106回 午後 第57問 / 健康支援と社会保障制度 / 社会福祉の基本

国試問題にチャレンジ

106回 午後 第57問

障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律〈障害者総合支援法〉に基づいて、障害者が利用できるサービスはどれか。

  1. 1.育成医療
  2. 2.居宅療養管理指導
  3. 3.共同生活援助〈グループホーム〉
  4. 4.介護予防通所リハビリテーション

対話形式の解説

博士 博士

今回は制度ごとのサービスの区別じゃ。法律と給付を結び付けて覚えんといかん。

サクラ サクラ

障害者総合支援法って、前は障害者自立支援法でしたよね。

博士 博士

その通り。2012年に改正されて名称が変わり、対象疾患も難病に拡大された。基本理念も「自立」から「基本的人権を享受する個人としての尊厳」へと変わっておる。

サクラ サクラ

サービスの体系はどうなっているんですか?

博士 博士

大きく2つ。①自立支援給付と②地域生活支援事業じゃ。自立支援給付はさらに「介護給付」「訓練等給付」「自立支援医療」「補装具」「相談支援」に分かれる。

サクラ サクラ

選択肢の共同生活援助はどこに入りますか?

博士 博士

訓練等給付の中に位置づけられておる。障害のある人が地域の住居で共同生活を送り、食事・家事・相談などの援助を受けるサービスじゃ。

サクラ サクラ

グループホームっていうと高齢者のイメージがありましたけど、障害者にもあるんですね。

博士 博士

うむ、介護保険のグループホーム(認知症対応型共同生活介護)とは別物じゃ。障害者GHは地域生活移行の受け皿として重要視されておる。

サクラ サクラ

居宅療養管理指導は介護保険のサービスですよね?

博士 博士

その通り。通院困難な要介護者に対して、医師・歯科医師・薬剤師・管理栄養士などが訪問して指導するサービスじゃ。

サクラ サクラ

介護予防通所リハビリテーションも介護保険ですよね?

博士 博士

そう、要支援1・2の人が通うデイケアじゃな。予防給付の一つじゃ。

サクラ サクラ

育成医療はどうですか?

博士 博士

ちょっと引っかかるのじゃ。実は自立支援医療の一つとして障害者総合支援法に位置づけられておる。ただし対象が「障害児」なので、問題文の「障害者が利用できる」には厳密には合致しない。

サクラ サクラ

自立支援医療って3種類ありましたよね?

博士 博士

更生医療(18歳以上の身体障害者)、育成医療(18歳未満の身体障害児)、精神通院医療の3つじゃ。

サクラ サクラ

介護保険と障害福祉サービスが重なる場合はどうなるんですか?

博士 博士

原則として介護保険が優先適用される。65歳になると障害福祉から介護保険に移行するケースが多いのじゃ。

サクラ サクラ

制度の切り替えで支援が途切れないようにする工夫が必要ですね。

博士 博士

その通り。共生型サービスの仕組みも導入され、高齢者と障害者が同じ事業所を利用できるようになっておる。

サクラ サクラ

制度は複雑だけど、利用者目線でシームレスにつながることが大事なんですね。

POINT

障害者総合支援法のサービスには、介護給付・訓練等給付・自立支援医療・補装具・相談支援からなる自立支援給付と、地域生活支援事業があり、共同生活援助(グループホーム)は訓練等給付に位置づけられる代表的なサービスです。居宅療養管理指導や介護予防通所リハビリテーションは介護保険法、育成医療は自立支援医療として総合支援法に含まれるものの対象は障害児であり、それぞれ根拠法や対象が異なります。看護師は制度の区分を正しく理解し、対象者の年齢・障害特性・生活状況に応じた適切なサービス利用を支援する必要があります。法律と給付の対応関係は頻出事項であり、看護職が社会資源を使いこなすための基礎知識として確実に押さえておきましょう。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律〈障害者総合支援法〉に基づいて、障害者が利用できるサービスはどれか。

解説:正解は 3 です。共同生活援助(グループホーム)は、障害者総合支援法の自立支援給付のうち「訓練等給付」に位置づけられ、障害のある人が地域の住居で共同生活を送りながら、食事・家事・入浴・金銭管理・相談などの日常生活上の援助を受けられるサービスです。地域生活への移行や自立を目指す柱の一つとして位置づけられています。

選択肢考察

  1. × 1.  育成医療

    育成医療は身体に障害のある児童への医療給付であり、自立支援医療の一つとして障害者総合支援法に位置づけられている…が、障害「者」ではなく障害「児」が対象。問題文は「障害者が利用できる」ものを問うているため不適切。なお自立支援医療は更生医療(18歳以上の身体障害者)、育成医療(18歳未満)、精神通院医療の3区分からなる。

  2. × 2.  居宅療養管理指導

    居宅療養管理指導は介護保険法に基づくサービスで、通院が困難な要介護者に対して医師・歯科医師・薬剤師・管理栄養士などが訪問して療養上の指導を行う。障害者総合支援法のサービスではない。

  3. 3.  共同生活援助〈グループホーム〉

    障害者総合支援法の訓練等給付の一つ。障害のある人が地域の住居で共同生活を送り、食事・家事・入浴・相談支援などの援助を受ける。地域生活への移行を支える中心的なサービス。

  4. × 4.  介護予防通所リハビリテーション

    介護保険法に基づく予防給付の一つで、要支援1・2の認定を受けた高齢者が通所してリハビリを受けるサービス。障害者総合支援法のサービスではない。

障害者総合支援法のサービス体系は大きく①自立支援給付(介護給付、訓練等給付、自立支援医療、補装具、相談支援)と②地域生活支援事業(市町村事業・都道府県事業)に分かれる。介護給付には居宅介護(ホームヘルプ)、重度訪問介護、同行援護、行動援護、短期入所、施設入所支援などがあり、訓練等給付には自立訓練、就労移行支援、就労継続支援A/B型、共同生活援助(グループホーム)などがある。介護保険と障害福祉サービスは重複する場合、原則介護保険が優先適用される。

制度ごとのサービスの区別を問う問題。障害者総合支援法=共同生活援助(GH)・居宅介護・就労支援など、介護保険法=居宅療養管理指導・通所リハビリなど、児童福祉法=育成医療(※実際は自立支援医療として総合支援法)、という切り分けを整理する。