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OECDで見る日本!高齢化率も病床数も世界一の実態

看護師国家試験 第109回 午前 第75問 / 健康支援と社会保障制度 / 健康と公衆衛生

国試問題にチャレンジ

109回 午前 第75問

2015 年の経済協力開発機構〈 OECD 〉の報告書の日本に関する記述で正しいのはどれか。

  1. 1.喫煙率が最も低い。
  2. 2.高齢化率が最も高い。
  3. 3.人口千人当たりの病床数が最も少ない。
  4. 4.国内総生産〈 GDP 〉に対する医療費の割合が最も高い。

対話形式の解説

博士 博士

今日はOECD報告書から見た日本の特徴を問う問題じゃ。国際比較の視点は看護師にも必要じゃぞ。

サクラ サクラ

OECDって先進国クラブみたいなものですよね?

博士 博士

うむ。経済協力開発機構の略で、欧米先進国を中心に38か国(2024年時点)が加盟しておる。加盟国間で様々な統計を取って比較・提言を行う。

サクラ サクラ

2015年の日本に関する記述で正しいのはどれか…選択肢1は『喫煙率が最も低い』。これは違いそうです。

博士 博士

そうじゃ。2015年の日本の男性喫煙率は約32%で、OECD内では中位。女性は8%と低いが、男性を含めた総合では最低とは言えん。最も低いのはノルウェーやスウェーデンじゃ。

サクラ サクラ

選択肢2の『高齢化率が最も高い』。これは有名ですよね?

博士 博士

その通り。2015年時点で日本の65歳以上人口比率は約26%で、加盟国の中で断トツの1位。これは正解じゃ。

サクラ サクラ

今はさらに上がって29%を超えてますよね。

博士 博士

うむ、2023年時点で約29%じゃ。超高齢社会のまっただ中にある。

サクラ サクラ

選択肢3『人口千人当たり病床数が最も少ない』はどうですか?

博士 博士

これは正反対じゃ。日本は人口千人当たり約13床で、OECD加盟国中最多。精神病床と療養病床が多いのが特徴じゃ。

サクラ サクラ

えっ、病床数が世界一多いんですか?意外です。

博士 博士

日本は入院医療中心で在院日数も長い。一方、OECD平均は約5床程度で、在院日数も短い。『病院完結型』から『地域完結型』へのシフトが課題になっておる理由の一つじゃ。

サクラ サクラ

選択肢4の『GDPに対する医療費の割合が最も高い』は?

博士 博士

日本は2015年時点で約11%、OECD内で3〜4位。最高はアメリカで約17%じゃ。

サクラ サクラ

アメリカは国民皆保険がないのに医療費が一番高いんですね。

博士 博士

そう、アメリカは民間保険中心で保険料・医療費が高額になる。皆保険制度がないのに高額なのが特徴じゃ。

サクラ サクラ

日本は病床数世界一、高齢化率世界一、医療費は3〜4位…医療資源の使い方を最適化する必要がありそうですね。

博士 博士

まさにそれが地域医療構想や医療計画の問題意識じゃ。高度急性期〜慢性期まで4機能に病床を分けて適正配分する試みが進んでおる。

サクラ サクラ

他にOECD統計で日本の特徴はありますか?

博士 博士

MRIとCTの設置台数は世界一。平均寿命もトップクラス。一方で人口当たり医師数はやや少なめ、看護師数はOECD平均並みじゃ。

サクラ サクラ

『機器は多い、医師は少ない、病床も多い、高齢化も進んでいる』と覚えます。

博士 博士

うむ、それで十分じゃ。国際比較データは国試の保健統計分野で頻出じゃから、順位感覚を持っておくのじゃ。

POINT

OECD加盟国における2015年時点の日本の特徴として最も際立つのは、65歳以上人口比率(高齢化率)が約26%で加盟国中最高であったことです。日本は急速な少子高齢化と世界最長水準の平均寿命が重なり、超高齢社会の最先端を走っています。他にも人口千人当たり病床数が約13床で最多、MRI・CT台数も世界一という『医療資源は豊富』な一方、医師数はやや少なめで平均在院日数が長いという特徴があります。GDPに対する医療費比率は約11%で上位ですが、最高はアメリカ(約17%)です。国際比較データは医療政策の方向性を理解する基礎となり、看護師が地域包括ケアや医療計画を理解するうえでも重要な視点です。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:2015 年の経済協力開発機構〈 OECD 〉の報告書の日本に関する記述で正しいのはどれか。

解説:正解は 2 です。OECD(経済協力開発機構)加盟国における2015年時点の65歳以上人口割合(高齢化率)は、日本が約26%で加盟国中最高であり、この傾向は現在も続いている。急速な高齢化は社会保障費の増大と労働力人口の減少をもたらし、日本経済・医療政策の大きな課題として報告書で指摘された。

選択肢考察

  1. × 1.  喫煙率が最も低い。

    2015年の日本の成人喫煙率は男性約32%、女性約8%。男性喫煙率はOECD加盟国の中でも中位〜やや高位で、『最も低い』には該当しない。最も低いのは通常ノルウェーやスウェーデンなど北欧諸国である。

  2. 2.  高齢化率が最も高い。

    日本はOECD加盟国の中で65歳以上人口比率が最も高い。急速な少子高齢化と長寿化が重なった結果で、社会保障改革の必要性が繰り返し指摘されている。

  3. × 3.  人口千人当たりの病床数が最も少ない。

    事実は正反対で、日本は人口千人当たり病床数が約13床前後でOECD加盟国中最多に位置する。精神病床・療養病床が多いことが特徴である。

  4. × 4.  国内総生産〈 GDP 〉に対する医療費の割合が最も高い。

    2015年時点で日本のGDPに対する医療費比率は約11%で、OECD内では上位(3〜4位前後)だが最高ではない。最高はアメリカで約17%である。

OECDヘルス統計は国際比較で日本の医療・保健データを把握する重要な指標で、国試でも繰り返し出題される。日本の特徴は、①高齢化率最高、②病床数最多、③平均在院日数が長い、④医師・看護師数はやや少なめ、⑤平均寿命は世界トップクラス、⑥GDP比医療費は上位だがアメリカほどではない、⑦MRI・CT設置台数は世界一、などである。『多い/少ない』の方向を混同しやすいので、『高齢化率・病床数・機器は多い/医師は少なめ・医療費はアメリカが最高』と整理して覚えるとよい。

OECD加盟国における日本の医療・人口指標の国際的な位置づけを問う問題。高齢化率世界トップと病床数世界トップという、日本の医療の二大特徴を押さえておくことが重要。