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小学生への手洗い指導は体験が一番

看護師国家試験 第110回 午後 第33問 / 健康支援と社会保障制度 / 健康と公衆衛生

国試問題にチャレンジ

110回 午後 第33問

小学校の児童が石けんと流水を用いた手指衛生の手技を習得するために最も適切な学習方法はどれか。

  1. 1.動画を視聴する。
  2. 2.友人と話し合う。
  3. 3.手洗い場で体験する。
  4. 4.養護教諭の話を聞く。

対話形式の解説

博士 博士

今日は小学校での手洗い指導についての問題じゃ。

サクラ サクラ

手指衛生の手技を習得させたいのですね。

博士 博士

そうじゃ、知識ではなく技能を身につけさせたい場合は何が一番良いじゃろうか。

サクラ サクラ

動画を見せるのはどうですか。

博士 博士

動画はイメージ作りには良いが、自分の手を動かさないと技能は身につかんのじゃ。

サクラ サクラ

養護教諭のお話を聞くのは。

博士 博士

意識づけにはなるが、話を聞くだけでは手洗いの動きを再現できん。

サクラ サクラ

友人と話し合うのは。

博士 博士

関心は高まるが、手の動きそのものを身体に覚え込ませることはできんのう。

サクラ サクラ

やはり実際に体験することが大事なのですね。

博士 博士

その通りじゃ。石けんを泡立て流水で洗い流す動作を実際に経験することが最も効果的じゃ。

サクラ サクラ

蛍光剤ローションで洗い残しを見える化する方法もありますね。

博士 博士

よく知っておるのう。視覚と触覚を結びつけて学ぶと定着が良いのじゃ。

サクラ サクラ

では正解は3の手洗い場で体験するですね。

博士 博士

その通り、3が正解じゃよ。

POINT

手技習得は精神運動領域の学習であり、知識提供や態度形成とは異なる教育方法が必要です。小学校児童にはとくに実際の手洗い場での体験学習が有効で、五感を使って動作を身体で覚えられます。蛍光剤ローションで洗い残しを可視化する手法は学習効果を高めます。学習目標に合わせて方法を選ぶ視点を持ちましょう。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:小学校の児童が石けんと流水を用いた手指衛生の手技を習得するために最も適切な学習方法はどれか。

解説:正解は 3 です。手技の習得というのは頭で覚えるだけでなく、手指の動きを実際に繰り返し、身体感覚として身につけるプロセスが不可欠です。特に小学校段階の児童は抽象的な説明よりも具体的な体験を通じた学びの方が定着しやすいため、手洗い場で石けんを泡立て、流水で洗い流す一連の動作を自分の手で行うことが最も効果的です。視覚教材や講話は動機づけとして有用ですが、それだけでは技能としての習得には至りません。

選択肢考察

  1. × 1.  動画を視聴する。

    動画視聴は正しい手順のイメージを伝える導入として有効ですが、視聴しただけでは実際の手や指の動きを再現する技能は身につきません。知識の提供にとどまるため、手技習得には体験と組み合わせる必要があります。

  2. × 2.  友人と話し合う。

    話し合いは感染症予防への関心や意識を高める効果はありますが、具体的な手指の動かし方やこすり残しやすい部位を身体に覚えさせることはできません。技能学習としては補助的な位置づけに留まります。

  3. 3.  手洗い場で体験する。

    実際の手洗い場で石けんと流水を用いて手指衛生を行う体験学習は、視覚・触覚・聴覚を総動員して手技を身体で覚えられる最も適切な方法です。洗い残しを可視化する蛍光剤ローションなどと組み合わせれば、学習効果はさらに高まります。

  4. × 4.  養護教諭の話を聞く。

    養護教諭による講話は手指衛生の必要性や意義を伝えるうえで重要ですが、講話のみでは児童が実際に手を動かして正しい手順を身につけることは難しく、手技習得という目的に対する最適解ではありません。

児童・生徒への保健指導では、知識提供の「認知領域」、態度形成の「情意領域」、技能習得の「精神運動領域」という三つの学習領域を意識して方法を選択することが重要です。手洗い手技の習得は精神運動領域に属するため、実演・練習・フィードバックが不可欠で、学習理論ではブルームの教育目標分類や、経験→省察→概念化→実践を繰り返すコルブの経験学習サイクルが参考になります。学校現場では蛍光剤ローションとブラックライトで洗い残しを「見える化」する手法が広く用いられています。

学習目標が知識・態度・技能のいずれであるかによって最適な教育方法が変わることを理解しているかを問う問題で、手技習得には体験学習が最も有効であるという原則を確認しています。