梅毒の基本と血清反応の理解
看護師国家試験 第107回 午後 第46問 / 健康支援と社会保障制度 / 感染症と生活環境への対策
国試問題にチャレンジ
梅毒( syphilis )について正しいのはどれか。
- 1.ウイルス感染症である。
- 2.感染経路は空気感染である。
- 3.治療の第一選択薬はステロイド外用薬である。
- 4.梅毒血清反応における生物学的偽陽性の要因に妊娠がある。
対話形式の解説
博士
最近日本でも梅毒患者が増えておるぞい。
アユム
性感染症ですよね。原因は何ですか。
博士
梅毒トレポネーマというスピロヘータ科の細菌じゃ。ウイルスではないから注意じゃな。
アユム
感染経路を整理したいです。
博士
主に性的接触、粘膜や皮膚の小さな傷からの接触感染、そして妊婦から胎児への経胎盤感染じゃ。空気感染はせん。
アユム
経胎盤感染だと先天梅毒になるんですね。
博士
その通り。Hutchinson三徴やサドルノーズなどが有名じゃ。
アユム
治療薬は何ですか。
博士
ペニシリン系抗菌薬が第一選択じゃ。日本ではアモキシシリン内服が広く使われておる。
アユム
ステロイド外用は関係ないんですね。
博士
もちろんじゃ。皮疹が出ても抗菌薬で病原体を叩くのが治療の本筋じゃ。
アユム
血清反応について詳しく知りたいです。
博士
大きく分けて二種類ある。RPRやSTSなどのカルジオリピンを抗原とする非特異的検査と、TPHAやFTA-ABSなどの特異的検査じゃ。
アユム
偽陽性はどちらで起こりますか。
博士
非特異的検査のほうで起こる。妊娠、膠原病、肝疾患、ウイルス感染などで生物学的偽陽性となるのじゃ。
アユム
両方組み合わせて判定するんですね。
博士
そうじゃ。治療効果の判定にはRPR定量値の推移を使い、感染の既往確認にはTPHAを使うぞ。
アユム
病期分類もおさらいしたいです。
博士
第1期は硬性下疳、第2期はバラ疹、潜伏期を経て第3期にゴム腫、第4期に神経梅毒や大動脈炎じゃ。
POINT
梅毒は梅毒トレポネーマによる細菌感染症で、性的接触と経胎盤感染が主経路、治療はペニシリンが第一選択となります。血清反応のうちRPRでは妊娠や自己免疫疾患で偽陽性が生じるためTPHAと組み合わせて解釈します。国内で患者数が増加しており、早期発見と確実な治療完遂を支える看護が重要です。
解答・解説
正解は 4 です
問題文:梅毒( syphilis )について正しいのはどれか。
解説:正解は4です。梅毒血清反応のうちカルジオリピンを抗原とするRPR法などの非特異的検査では、妊娠や膠原病、急性感染症などで生物学的偽陽性が生じます。
選択肢考察
-
× 1. ウイルス感染症である。
梅毒の原因はスピロヘータ科の細菌である梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)であり、ウイルスではなく細菌感染症です。
-
× 2. 感染経路は空気感染である。
梅毒は性的接触や粘膜・皮膚の微小傷を介した接触感染、母体からの経胎盤感染が主経路で、空気感染はしません。
-
× 3. 治療の第一選択薬はステロイド外用薬である。
梅毒の第一選択はペニシリン系抗菌薬で、国内では経口アモキシシリンや持続性筋注ベンジルペニシリンが用いられます。ステロイドは治療薬ではありません。
-
○ 4. 梅毒血清反応における生物学的偽陽性の要因に妊娠がある。
RPRやSTSといった脂質抗原を用いる検査は感度が高い反面、妊娠、自己免疫疾患、肝疾患、ウイルス感染などで非特異的反応を示し生物学的偽陽性となります。
梅毒は感染後の経過により第1期(初期硬結、硬性下疳、無痛性リンパ節腫脹)、第2期(バラ疹、扁平コンジローマ)、潜伏期、第3期(ゴム腫)、第4期(神経梅毒、大動脈炎)に分類されます。診断にはTPHAなどの特異的検査とRPRなどの非特異的検査を組み合わせ、感染性や治療効果を評価します。近年国内で患者が急増しており5類感染症として全数報告が義務付けられています。
梅毒はトレポネーマによる細菌感染症でペニシリンが第一選択、RPRでは妊娠などで生物学的偽陽性が起こる点を押さえましょう。
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