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小児ウイルス感染症の顔ぶれを整理しよう

看護師国家試験 第113回 午後 第80問 / 健康支援と社会保障制度 / 感染症と生活環境への対策

国試問題にチャレンジ

113回 午後 第80問

感染症と代表的な原因ウイルスの組合せで正しいのはどれか。

  1. 1.手足口病(hand, foot and mouth disease) ―――― アデノウイルス
  2. 2.咽頭結膜熱(pharyngoconjunctival fever) ―――― ヒトパピローマウイルス<HPV>
  3. 3.突発性発疹症(exanthema subitum) ―――――― コクサッキーウイルス
  4. 4.伝染性単核球症(infectious mononucleosis) ―― Epstein−Barr<EB>ウイルス
  5. 5.ヘルパンギーナ(herpangina) ―――――――― 単純ヘルペスウイルス

対話形式の解説

博士 博士

今日は感染症と原因ウイルスの組み合わせ問題じゃ。数が多いから整理して覚えるのがコツじゃぞ。

アユム アユム

まず手足口病から、原因はたしかエンテロウイルスやコクサッキーA16でしたね。

博士 博士

そのとおり。アデノウイルスではないから選択肢1は×じゃ。

アユム アユム

咽頭結膜熱はプール熱とも呼ばれる病気ですよね。

博士 博士

原因はアデノウイルスの3型や7型。発熱・咽頭炎・結膜炎の三徴を覚えておくと良いぞ。

アユム アユム

ヒトパピローマウイルスは子宮頸癌や尖圭コンジローマの原因でしたから、選択肢2も×ですね。

博士 博士

次の突発性発疹は乳児の『初めての発熱』として有名じゃ。

アユム アユム

ヒトヘルペスウイルス6型・7型でしたから、コクサッキーの選択肢3も×ですね。

博士 博士

そして本命、伝染性単核球症はどうじゃ?

アユム アユム

EBウイルスが唾液を介してBリンパ球に感染して、発熱・咽頭痛・リンパ節腫脹を起こす病気ですね。

博士 博士

そのとおり。キス病とも呼ばれ、異型リンパ球の増加が血算で見られるのも特徴じゃ。

アユム アユム

アモキシシリンを投与すると発疹が出ることでも有名ですよね。

博士 博士

よう知っておる。最後のヘルパンギーナはコクサッキーA群で、単純ヘルペスウイルスではないから選択肢5も×じゃ。

アユム アユム

夏かぜ三兄弟として手足口病・ヘルパンギーナ・咽頭結膜熱はセットで覚えると便利ですね。

博士 博士

そのとおり。感染症法の5類定点把握疾患でもあるから、地域の流行状況を把握するのも看護師の役割じゃ。

POINT

選択肢4が正解で、伝染性単核球症はEBウイルスによって引き起こされます。手足口病・ヘルパンギーナ・咽頭結膜熱・突発性発疹など小児に頻発するウイルス感染症の原因病原体はセットで整理すると混同を防げます。看護師は感染経路と流行期、急性期合併症を踏まえた指導が求められます。

解答・解説

正解は 4 です

問題文:感染症と代表的な原因ウイルスの組合せで正しいのはどれか。

解説:正解は4(伝染性単核球症 ―― Epstein−Barr<EB>ウイルス)です。EBウイルスは唾液を介してBリンパ球に感染し、思春期以降の初感染で発熱・咽頭痛・頸部リンパ節腫脹の三徴を呈する伝染性単核球症を引き起こします。

選択肢考察

  1. × 1.  手足口病(hand, foot and mouth disease) ―――― アデノウイルス

    手足口病の原因はコクサッキーウイルスA16やエンテロウイルス71型などのエンテロウイルス属であり、アデノウイルスではありません。

  2. × 2.  咽頭結膜熱(pharyngoconjunctival fever) ―――― ヒトパピローマウイルス<HPV>

    咽頭結膜熱(プール熱)の原因はアデノウイルス3型・7型などで、HPVは子宮頸癌や尖圭コンジローマの原因ウイルスです。

  3. × 3.  突発性発疹症(exanthema subitum) ―――――― コクサッキーウイルス

    突発性発疹の原因はヒトヘルペスウイルス6型・7型で、乳児の初めての高熱として典型的な疾患です。

  4. 4.  伝染性単核球症(infectious mononucleosis) ―― Epstein−Barr<EB>ウイルス

    EBウイルスはBリンパ球に感染し、異型リンパ球出現・肝脾腫・扁桃白苔を伴う伝染性単核球症の主要原因ウイルスです。

  5. × 5.  ヘルパンギーナ(herpangina) ―――――――― 単純ヘルペスウイルス

    ヘルパンギーナはコクサッキーウイルスA群による咽頭水疱疹で、単純ヘルペスウイルスが起こす口腔水疱はヘルペス性歯肉口内炎として区別されます。

小児の夏かぜ三兄弟として、手足口病・ヘルパンギーナ・咽頭結膜熱は感染症法の5類定点把握疾患です。EBウイルスは唾液を介する接触感染からキス病とも呼ばれ、アモキシシリン投与で薬疹様皮疹が高率に出現することが診断の手がかりにもなります。伝染性単核球症ではまれに脾破裂を起こすため、急性期は激しい運動を控えます。

主な小児ウイルス感染症の典型的な病原体を区別し、伝染性単核球症=EBウイルスの組み合わせを選択できるかを問う設問です。