StudyNurse

看護師の特定行為とは?タスクシフト時代の新しい看護のかたち

看護師国家試験 第114回 午前 第74問 / 健康支援と社会保障制度 / 健康を支える職種に関する法や施策

国試問題にチャレンジ

114回 午前 第74問

看護師の特定行為で正しいのはどれか。

  1. 1.都道府県が指定する研修機関で研修を行う。
  2. 2.手順書は看護師が作成する。
  3. 3.医師法に基づいている。
  4. 4.診療の補助である。

対話形式の解説

博士 博士

今日は看護師の特定行為制度について解説するぞ。新設されてからの頻出テーマじゃ。

アユム アユム

特定行為って、看護師が医療行為をできるようになるってことですか?

博士 博士

微妙じゃが少し違う。あくまで「診療の補助」の枠内じゃ。看護師の業務範囲そのものを拡大したのではなく、診療の補助の中で特に高度な行為を、医師の手順書に基づいて実施できるようにした制度じゃ。

アユム アユム

手順書って何ですか?

博士 博士

医師または歯科医師が事前に作成する文書で、患者の状態の範囲、行為の内容、確認すべき事項などが記載されておる。看護師はその範囲内で患者の状態を判断し、行為を実施するのじゃ。

アユム アユム

看護師が手順書を作るわけじゃないんですね。

博士 博士

そう、ここがよく問われるポイントじゃ。手順書はあくまで医師が作成するものじゃ。

アユム アユム

研修はどこで受けるんですか?

博士 博士

厚生労働大臣が指定する指定研修機関じゃ。都道府県の指定ではない点に注意。共通科目と区分別科目があり、修了すれば特定行為研修修了者となる。

アユム アユム

法律の根拠は何ですか?

博士 博士

保健師助産師看護師法第37条の2じゃ。医師法ではないから注意じゃぞ。

アユム アユム

どんな行為が含まれるんですか?

博士 博士

21区分38行為あるぞ。例えば、人工呼吸器の設定変更、脱水時の輸液による補正、創傷の陰圧閉鎖療法、橈骨動脈ラインからの採血、PICC挿入、抗生剤の臨時投与、インスリン投与量の調整などじゃ。

アユム アユム

医師の指示なしでできるってことですか?

博士 博士

いや、あくまで医師の包括的指示としての手順書の範囲内じゃ。患者の状態が手順書の範囲外なら医師に報告して個別の指示を仰ぐ必要がある。

アユム アユム

どうしてこの制度ができたんですか?

博士 博士

背景には超高齢社会と医師の働き方改革がある。在宅医療や訪問看護が増える中、その場で迅速な判断ができる看護師の存在が必要とされておる。タスクシフト・タスクシェアの推進じゃな。

アユム アユム

看護師としてのやりがいも広がりますね。

博士 博士

責任も重くなるが、専門性を発揮できる場面が広がっておる。基礎をしっかり固めた上で、生涯学習として目指す目標にもなるじゃろう。

アユム アユム

研修修了後はどんな働き方があるんですか?

博士 博士

病棟の高度急性期、ICU、訪問看護ステーション、特定機能病院、在宅医療など多岐にわたる。地域医療を支える要となる存在じゃ。

POINT

看護師の特定行為制度は、保健師助産師看護師法第37条の2に基づき、医師が作成した手順書により看護師が「診療の補助」として実施する高度な行為を定めたものです。研修は厚生労働大臣が指定する指定研修機関で行われ、21区分38行為が定められています。手順書はあくまで医師(または歯科医師)が作成し、看護師はその範囲内で患者状態を判断して行為を実施します。本制度はタスクシフト・タスクシェアによる医師の働き方改革と、超高齢社会における在宅医療・地域医療の充実を目的とし、特に在宅や急性期の現場で看護師の専門性を発揮する重要な制度として位置付けられています。

解答・解説

正解は 4 です

問題文:看護師の特定行為で正しいのはどれか。

解説:正解は 4 です。看護師の特定行為は保健師助産師看護師法第37条の2に規定された制度で、医師の作成した手順書により看護師が行う「診療の補助」のうち、特に高度かつ専門的な知識・技能を必要とする行為と位置付けられている。あくまで医行為そのものではなく、診療の補助の枠内に含まれる行為である。

選択肢考察

  1. × 1.  都道府県が指定する研修機関で研修を行う。

    特定行為研修は厚生労働大臣が指定する指定研修機関で実施される。都道府県の指定ではない点に注意。

  2. × 2.  手順書は看護師が作成する。

    手順書は医師または歯科医師が作成する。看護師が手順書を独自に作成することはできず、医師が示した手順書に基づいて行為を実施する仕組みである。

  3. × 3.  医師法に基づいている。

    特定行為制度は保健師助産師看護師法(保助看法)第37条の2に基づく。医師法ではない。

  4. 4.  診療の補助である。

    特定行為は保助看法上の「診療の補助」に位置付けられる。看護師の業務独占範囲を超えた医行為ではなく、医師の包括的指示(手順書)の下に行う診療の補助の高度版である。

特定行為は21区分38行為に整理されており、人工呼吸器の設定変更、脱水時の輸液による補正、創傷処置、橈骨動脈ラインからの採血、PICC挿入などが含まれる。研修は共通科目と区分別科目から成り、修了者には特定行為研修修了証が交付される。2025年(令和7年)までに10万人の研修修了者育成が目標とされ、タスクシフト・シェアによる医師の働き方改革と地域医療提供体制の確保を狙いとしている。

特定行為制度の根拠法、研修機関の指定主体、手順書の作成者、行為の法的位置付けを問う総合問題。「保助看法・厚労大臣指定・医師作成・診療の補助」が4本柱。