医療法 vs 地域保健法 根拠法を間違えると落とす『施設の住所録』
看護師国家試験 第109回 午前 第88問 / 健康支援と社会保障制度 / 保健活動の基盤と制度
国試問題にチャレンジ
医療法で規定されているのはどれか。2 つ選べ。
- 1.保健所
- 2.特定機能病院
- 3.地方衛生研究所
- 4.市町村保健センター
- 5.医療安全支援センター
対話形式の解説
博士
今日は医療法で規定されているものを整理するぞ。
アユム
医療法って何のために作られた法律ですか?
博士
1948年に制定された医療提供体制の基本法じゃ。病院・診療所・助産所の開設・管理、医療の安全、医療提供施設の機能分担と連携などを定めておる。
アユム
選択肢の中で医療法由来はどれですか?
博士
『特定機能病院』と『医療安全支援センター』の2つじゃ。ほかの保健所・市町村保健センター・地方衛生研究所はすべて地域保健法に基づく機関じゃな。
アユム
特定機能病院ってどんな病院ですか?
博士
医療法第4条の2で規定され、高度医療の提供・開発・研修を担う病院。要件は400床以上、16診療科以上、紹介率50%以上、高度医療機器整備などで、厚生労働大臣の承認を受ける。大学病院本院や国立がん研究センターなどが該当するぞ。
アユム
地域医療支援病院とはどう違うんですか?
博士
地域医療支援病院(医療法第4条)は『かかりつけ医支援・紹介患者への医療提供・地域医療従事者の研修』が目的で、原則200床以上、紹介率・逆紹介率の基準がある。特定機能病院は『高度医療』、地域医療支援病院は『地域連携』と覚えるとよい。
アユム
医療安全支援センターはどんなところですか?
博士
医療法第6条の13に基づき、都道府県・保健所設置市・特別区に設置。患者や住民からの苦情・相談を受けつけ、医療機関へ助言したり、医療安全に関する情報提供・研修を行う機関じゃ。
アユム
医療事故調査制度とは別なんですか?
博士
別制度じゃ。医療事故調査制度は医療法第6条の10〜27で、予期しない死亡事故が起きた場合の院内調査と第三者機関報告の仕組み。医療安全支援センターは現場の相談・苦情対応が中心じゃな。
アユム
保健所や市町村保健センターは地域保健法ですよね。
博士
そう。地域保健法は1994年(平成6年)に保健所法を改正して成立。保健所は広域的・専門的・技術的拠点(感染症、精神保健、難病)、市町村保健センターは住民に身近な対人保健サービス(健診、保健指導)の拠点、と役割を分けておる。
アユム
地方衛生研究所は?
博士
地域保健法第4条の基本指針で位置づけられ、感染症検査、食品・環境衛生の調査研究、検査精度管理などを担う。COVID-19のPCR検査でも重要な役割を果たしたぞ。
アユム
医療法のほかの重要規定は?
博士
医療計画(第30条の4)、病床機能報告制度、5疾病6事業(5事業から在宅医療加え6事業に改定)、医師確保計画、外来機能報告制度、臨床研究中核病院など、時代に合わせて改正が繰り返されておる。
アユム
法律の守備範囲、しっかり区別して覚えます。
POINT
医療法(1948年制定)は病院・診療所・助産所の開設・管理と医療提供体制・医療安全を定める基本法で、特定機能病院(第4条の2)、地域医療支援病院(第4条)、臨床研究中核病院(第4条の3)、医療安全支援センター(第6条の13)、医療事故調査制度(第6条の10〜27)、医療計画(第30条の4)などが規定されています。一方、保健所・市町村保健センター・地方衛生研究所は1994年制定の地域保健法に基づく保健行政機関で、子どもの医療費助成は自治体条例に基づく制度です。医療法と地域保健法の守備範囲を『医療提供体制は医療法/地域保健行政は地域保健法』と整理することで、関連法令の問題に強くなります。看護師は各施設・制度の根拠法を知ることで、退院支援や地域連携の実践場面でも適切な資源活用ができるようになります。
解答・解説
正解は 2 ・ 5 です
問題文:医療法で規定されているのはどれか。2 つ選べ。
解説:正解は 2 と 5 です。医療法(1948年制定)は、病院・診療所・助産所の開設・管理、医療提供体制、医療安全の確保などを定める基本法。選択肢のうち『特定機能病院』(第4条の2)と『医療安全支援センター』(第6条の13)は医療法に明記されている。他の保健所・市町村保健センター・地方衛生研究所は地域保健法、子どもの医療費助成は自治体条例、といった形で根拠法が異なる点を区別する。
選択肢考察
-
× 1. 保健所
地域保健法に基づく機関。都道府県・政令指定都市・中核市・特別区などが設置し、地域保健の広域的・専門的・技術的拠点として感染症対策、精神保健、難病支援などを担う。
-
○ 2. 特定機能病院
医療法第4条の2に規定。高度医療の提供・開発・研修を行う病院で、大学病院本院や国立がん研究センター中央病院など85施設程度が厚生労働大臣の承認を受けている。400床以上、16診療科以上、高度医療機器整備などの要件がある。
-
× 3. 地方衛生研究所
地域保健法第4条に基づく『地域保健対策の推進に関する基本的な指針』の中で位置づけられている機関。感染症検査、食品・環境衛生の調査研究、試験検査の精度管理などを担う。
-
× 4. 市町村保健センター
地域保健法に基づく住民に身近な対人保健サービスの拠点。母子保健、成人保健、健康相談・健康診査・保健指導などを行う。法的には任意設置だが全国に設置されている。
-
○ 5. 医療安全支援センター
医療法第6条の13に規定。都道府県・保健所設置市・特別区に設置され、患者・住民からの苦情・相談対応、医療機関への助言、医療安全に関する情報提供・研修などを行う。
医療法は医療提供体制の根幹を定める法律で、これまで複数回の大改正を経て地域医療支援病院(第4条)、臨床研究中核病院(第4条の3)、医療計画(第30条の4)、医療事故調査制度(第6条の10〜27)などが追加されてきた。特定機能病院と地域医療支援病院の違いは国試頻出:特定機能病院は『高度医療の提供・開発・研修』(400床以上、大学病院本院など)、地域医療支援病院は『かかりつけ医支援・紹介患者への医療提供・地域の医療従事者研修』(原則200床以上、紹介率・逆紹介率の基準)。医療安全支援センターは医療事故調査制度とは別の制度で、現場の相談・苦情対応が主務。医療法と地域保健法の守備範囲の違いを整理しておくと、関連法令の問題に強くなる。
医療法と地域保健法の規定内容を区別する問題。医療提供体制の機関は医療法、保健行政の機関は地域保健法、と対比で押さえるのがコツ。
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