首と前腕をひねれるのはなぜ?車軸関節のヒミツ
看護師国家試験 第107回 午前 第82問 / 人体の構造・機能 / 運動器系
国試問題にチャレンジ
車軸関節はどれか。2つ選べ。
- 1.正中環軸関節
- 2.腕尺関節
- 3.上橈尺関節
- 4.指節間関節
- 5.顎関節
対話形式の解説
博士
首を左右に振ったり、手のひらをクルッと返したりできるのは、ある特殊な関節のおかげじゃぞ。
アユム
それが車軸関節ですか?
博士
その通り。車軸関節は、一方の骨に突起があって、もう一方が輪のようにそれを包み込む形をしておる。
アユム
まさに車の車軸みたいな構造ですね。
博士
うむ。代表は第1・第2頸椎の間にある正中環軸関節じゃ。軸椎の歯突起が環椎の輪にはまっておる。
アユム
なるほど、だから頭を左右にひねれるんですね。
博士
もう一つ重要なのが上橈尺関節。橈骨頭を尺骨の切痕が輪状に抱えておって、前腕の回内・回外を担っておるぞ。
アユム
手のひらを上にしたり下にしたりできるのはこのおかげなんですね。
博士
さて、選択肢の腕尺関節や指節間関節はどうじゃ?
アユム
あれは屈伸しかできないから、蝶番関節ですよね。一軸性は同じでも動きの方向が違います。
博士
正解じゃ。そして顎関節は顆状関節、楕円関節の親戚で、開閉口に加えて前後左右の滑走運動もできるのじゃ。
アユム
咀嚼には横方向の動きも必要ですもんね。
博士
関節は『球・楕円・鞍・蝶番・車軸・平面・顆状』の7種類を押さえておけば国試は乗り切れる。
アユム
形と動きをセットで覚えるのがコツですね。
博士
うむ、特に車軸関節と蝶番関節はひっかけ問題でよく出るから要注意じゃぞ。
POINT
車軸関節は軸の周りを回旋する一軸性関節で、正中環軸関節と上橈尺関節が代表です。関節を覚える際は形状と運動軸をセットで整理し、蝶番関節との違いを押さえることが重要です。解剖学の基礎は多くの臨床場面で応用されるため、代表例とともに暗記しておきましょう。国試では形状と代表関節を結びつける出題が繰り返されています。運動器のリハビリや固定具選択にも直結する知識です。
解答・解説
正解は 1 ・ 3 です
問題文:車軸関節はどれか。2つ選べ。
解説:正解は 1 と 3 です。車軸関節は、一方の骨に突起(車軸)があり、もう一方の骨に形成された輪やくぼみの中で回旋運動を行う一軸性関節です。代表例は第1頸椎(環椎)と第2頸椎(軸椎)の間に存在する正中環軸関節で、軸椎の歯突起を環椎の輪状部分が取り巻く形になっており、首を左右に振る回旋運動を可能にします。もう一つの代表例は上橈尺関節で、尺骨の橈骨切痕が橈骨頭を輪状に包み込み、前腕の回内・回外を担います。いずれも『軸の周りを回る』動きが特徴で、蝶番関節の屈伸運動とは区別されます。
選択肢考察
-
○ 1. 正中環軸関節
環椎と軸椎の歯突起からなる代表的な車軸関節で、頭部の左右回旋を担います。
-
× 2. 腕尺関節
上腕骨滑車と尺骨滑車切痕からなる蝶番関節で、肘の屈伸を行います。
-
○ 3. 上橈尺関節
橈骨頭と尺骨の橈骨切痕からなる車軸関節で、前腕の回内・回外を担います。
-
× 4. 指節間関節
指の屈伸のみを行う蝶番関節で、一軸性です。
-
× 5. 顎関節
下顎頭と側頭骨下顎窩からなる顆状関節(楕円関節に類似)で、開閉口と前後左右の滑走運動を行います。
関節分類は形状と運動軸で覚えると整理しやすくなります。球関節(肩・股)は多軸性、楕円関節(橈骨手根関節)は2軸性、鞍関節(母指CM関節)は2軸性で回転、蝶番関節(肘腕尺・指節間・膝)は1軸性の屈伸、車軸関節(環軸・上橈尺)は1軸性の回旋です。顆状関節(顎・膝の一部)は楕円関節の亜型として扱われます。
関節の形状と運動様式の対応を理解し、代表的な車軸関節を識別できるかを問う設問です。
「運動器系」の関連記事
-
ハンマーでコツン!膝蓋腱反射でわかる腰髄L2〜L4のヒミツ
深部腱反射ごとの脊髄支配レベルを問う問題。膝蓋腱反射=L2〜L4の対応を押さえておくことが解答のカギになる。
114回
-
肩峰はどの骨の一部?
肩甲骨の構造、特に肩峰の位置と付随関係を問う解剖学の基礎問題です。
111回
-
股関節屈曲の主役は?
股関節の運動(屈曲)に作用する筋肉を問う運動器系の基礎問題です。
111回
-
筋腹と腱のつながり方を学ぼう
筋腹と腱の配列(直列か並列か)から筋の分類を判断する問題です。多腹筋・二腹筋と二頭筋・四頭筋の違いを整理して…
110回
-
椎間板は線維軟骨結合!骨の連結様式を体系化
線維軟骨結合の代表部位(椎間円板・恥骨結合)を押さえているか。頭蓋冠の縫合や、寛骨・仙骨の骨結合との違いを区…
109回