筋腹と腱のつながり方を学ぼう
看護師国家試験 第110回 午前 第26問 / 人体の構造・機能 / 運動器系
国試問題にチャレンジ
複数の筋腹が腱で直列につながっている筋はどれか。
- 1.咬筋
- 2.上腕二頭筋
- 3.腹直筋
- 4.大腿四頭筋
対話形式の解説
博士
今回は筋肉の形態分類の話じゃ。
アユム
「筋腹が直列に」というのが少しイメージしにくいです。
博士
筋肉は起始側の筋頭、真ん中の筋腹、停止側の筋尾からなるぞ。
アユム
筋腹が分かれるものもあるのですね。
博士
そうじゃ。腱で区切られて複数の筋腹が縦に並ぶものを多腹筋と呼ぶのじゃ。
アユム
それに該当するのはどれですか?
博士
腹直筋じゃよ。腱画で区切られて、いわゆるシックスパックが見えるのじゃ。
アユム
上腕二頭筋はどうでしょう?
博士
あれは2つの筋頭が合流して1つの筋腹になる二頭筋、つまり並列配置じゃ。
アユム
大腿四頭筋も並列ですか?
博士
その通り。4つの筋が並列に走って共通腱で脛骨に停止するのじゃ。
アユム
咬筋は?
博士
咬筋はシンプルに1つの筋腹を持つ咀嚼筋で、直列でも並列でもなく単独じゃ。
アユム
二腹筋の例はありますか?
博士
顎二腹筋が代表例じゃ。中間腱で2つの筋腹に分かれておる。
アユム
分類を覚えるコツはありますか?
博士
「頭が複数→並列」「腹が複数→直列」と対比して覚えるのじゃ。
POINT
腹直筋は腱画によって複数の筋腹が直列につながる多腹筋の代表で、腹部の凹凸はこの構造によって生まれます。上腕二頭筋や大腿四頭筋は複数の筋頭が並列に合流するタイプで、咬筋は1つの筋腹を持つ単純な筋です。筋の命名と構造の関係を理解すると、解剖の知識が一気に整理しやすくなります。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:複数の筋腹が腱で直列につながっている筋はどれか。
解説:正解は3です。腹直筋は複数の筋腹が腱画(腱性の横線)で直列につながれた多腹筋で、腹部正面のいわゆる「シックスパック」の凹凸はこの構造に由来します。
選択肢考察
-
× 1. 咬筋
咬筋は頬骨弓から下顎骨に付着する咀嚼筋で、起始と停止の間に1つの筋腹を持つ単純な構造です。筋腹が直列に複数並ぶわけではありません。
-
× 2. 上腕二頭筋
上腕二頭筋は2つの筋頭(長頭・短頭)が合流して1つの筋腹になる二頭筋であり、筋頭は並列に並んでいます。直列配置の多腹筋ではありません。
-
○ 3. 腹直筋
腹直筋は恥骨から胸骨・肋骨に向かって走行し、途中に3〜4本の腱画を持ちます。腱で区切られた複数の筋腹が縦方向に直列で連なる多腹筋の代表例です。
-
× 4. 大腿四頭筋
大腿四頭筋は大腿直筋・内側広筋・外側広筋・中間広筋という4つの筋が並列に走り、共通の膝蓋腱で脛骨粗面に停止します。筋が並列に合流するタイプで、直列配置ではありません。
骨格筋は起始側の筋頭、中央の筋腹、停止側の筋尾からなります。筋腹が中間腱で2つに分かれるものを二腹筋(例:顎二腹筋)、さらに腱画で複数に分かれるものを多腹筋(例:腹直筋)と呼びます。一方、複数の筋頭が1つの筋腹にまとまるタイプは二頭筋(上腕二頭筋)、三頭筋(上腕三頭筋)、四頭筋(大腿四頭筋)と命名されています。
筋腹と腱の配列(直列か並列か)から筋の分類を判断する問題です。多腹筋・二腹筋と二頭筋・四頭筋の違いを整理しておくことが重要です。
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