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咬筋は咀嚼の主役!咀嚼筋4兄弟を覚える

看護師国家試験 第109回 午後 第27問 / 人体の構造・機能 / 運動器系

国試問題にチャレンジ

109回 午後 第27問

咀嚼筋はどれか。

  1. 1.頰筋
  2. 2.咬筋
  3. 3.口輪筋
  4. 4.胸鎖乳突筋

対話形式の解説

博士 博士

今日は咀嚼筋の問題じゃ。名前の似た筋肉が並ぶから混乱せんよう整理するぞ。

サクラ サクラ

咀嚼筋って、食べ物を噛む筋肉ですよね?

博士 博士

その通り。下顎骨を動かして物を噛み砕く筋肉群で、咬筋・側頭筋・内側翼突筋・外側翼突筋の4つじゃ。

サクラ サクラ

支配神経は全部同じなんですか?

博士 博士

うむ、すべて三叉神経第3枝、つまり下顎神経じゃ。咀嚼筋は発生学的にも第1鰓弓由来で一つのグループじゃ。

サクラ サクラ

咬筋はどこにある筋肉ですか?

博士 博士

頬骨弓から下顎枝の外側に付着する、頬のすぐ下の厚い筋肉じゃ。食いしばると頬骨の下が盛り上がるのを触れるぞ。

サクラ サクラ

頬筋は咀嚼筋じゃないんですね。

博士 博士

そうじゃ。頬筋は表情筋の一種で顔面神経支配、食物が頬側に逃げたときに歯列へ押し戻す補助的な役割じゃな。

サクラ サクラ

口輪筋はどうですか?

博士 博士

これも表情筋。口唇を取り巻き、閉口・すぼめ・発音を担う。顔面神経支配で、咀嚼には直接関与せん。

サクラ サクラ

胸鎖乳突筋は?

博士 博士

頸部の筋で副神経支配。頭部の前屈・回旋や呼吸補助筋として働くが咀嚼とは無関係じゃ。

サクラ サクラ

側頭筋や翼突筋はどんな働きですか?

博士 博士

側頭筋は側頭窩から下顎骨の筋突起に付着し、咬筋とともに下顎挙上を担う。内側翼突筋も挙上補助、外側翼突筋は下顎の前方滑走と側方運動を起こすのじゃ。

サクラ サクラ

開口はどの筋肉が担うんですか?

博士 博士

主に顎二腹筋など舌骨上筋群じゃ。外側翼突筋も開口初期に働くが、強い閉口を担う咀嚼筋と分業しておる。

サクラ サクラ

三叉神経麻痺だと咀嚼ができなくなるんですね。

博士 博士

そうじゃ。一方、Bell麻痺などの顔面神経麻痺では表情筋が麻痺するが咀嚼機能は保たれる。この神経支配の違いが臨床診断の鍵になるのじゃ。

サクラ サクラ

筋肉の名前だけでなく支配神経まで押さえると応用が利きますね。

POINT

咀嚼筋は咬筋・側頭筋・内側翼突筋・外側翼突筋の4つで、すべて三叉神経第3枝(下顎神経)支配です。咬筋は下顎を強力に挙上する主力筋で、頬骨弓と下顎枝外側面を結び、食いしばり時に頬の下で触知できます。これに対し頬筋と口輪筋は顔面神経支配の表情筋、胸鎖乳突筋は副神経支配の頸部筋で、咀嚼筋とは発生・支配神経・機能が異なります。臨床では三叉神経麻痺による咀嚼障害と顔面神経麻痺による表情・閉眼障害を区別することが診断と看護ケアの基本となります。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:咀嚼筋はどれか。

解説:正解は 2 の咬筋です。咀嚼筋は下顎骨を動かして食物を咀嚼する筋群で、咬筋・側頭筋・内側翼突筋・外側翼突筋の4つからなり、すべて三叉神経第3枝(下顎神経)支配です。咬筋は頬骨弓から下顎枝外側面に付着し、下顎を強力に挙上して歯を噛みしめる働きをします。表情筋(顔面神経支配)とは発生・支配神経・機能がまったく異なるため区別が必要です。

選択肢考察

  1. × 1.  頰筋

    頬筋は頬の深部にある表情筋で、口角を外側に引き頬を歯列に押しつける働きをもつ(口笛を吹く、食物を歯の間から口腔内へ戻すなど)。顔面神経支配で、咀嚼筋ではない。

  2. 2.  咬筋

    4つある咀嚼筋のひとつで最も表層にあり、下顎を挙上して歯を噛みしめる主力筋。三叉神経第3枝(下顎神経)支配。食いしばると頬骨の下で硬く触れる。

  3. × 3.  口輪筋

    口輪筋は口唇を取り囲む表情筋で、口を閉じたりすぼめたりする。顔面神経支配で、哺乳・発音・表情形成に関与する。咀嚼筋ではない。

  4. × 4.  胸鎖乳突筋

    胸鎖乳突筋は胸骨・鎖骨から側頭骨乳様突起に走る頸部筋で、頭部を前屈・側屈・回旋させる。副神経支配で、呼吸補助筋としても働く。咀嚼には関与しない。

咀嚼筋は咬筋・側頭筋・内側翼突筋・外側翼突筋の4つで、いずれも三叉神経第3枝支配。咬筋・側頭筋・内側翼突筋は下顎挙上(閉口)を担い、外側翼突筋は下顎を前方と側方へ動かす。開口は主に顎二腹筋など舌骨上筋群が担う。表情筋は顔面神経支配で、顔面神経麻痺(Bell麻痺など)では口角下垂や閉眼不全などが起こる一方、咀嚼機能は保たれる。三叉神経麻痺では咀嚼機能が障害される。支配神経と機能が試験頻出ペアで、顔面神経麻痺と咀嚼筋麻痺の区別は臨床でも重要である。

「咀嚼筋」という限定された筋群を正確に知っているかを問う。表情筋や頸部筋との支配神経・機能の違いが重要。