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病院組織図の読み方 ― 医療安全管理は『横断的』な独立部門

看護師国家試験 第112回 午後 第69問 / 看護の統合と実践 / 看護におけるマネジメント

国試問題にチャレンジ

112回 午後 第69問

A病院の組織図を示す。 医療安全管理を担う部門が横断的に活動する位置はどれか。

A病院の組織図を示す。 医療安全管理を担う部門が横断的に活動する位置はどれか。
  1. 1.
  2. 2.
  3. 3.
  4. 4.

対話形式の解説

博士 博士

この問題は組織図を読み解く力が問われるぞ。キーワードは『横断的』じゃ。

サクラ サクラ

横断的…って、縦の指示系統にとらわれず、複数の部門にまたがるって意味ですよね。

博士 博士

その通り!組織には『ライン組織』と『スタッフ組織』がある。ラインは院長→部長→師長→スタッフという縦の指示系統。スタッフは助言や専門支援をライン部門に行う横の機能じゃ。

サクラ サクラ

医療安全管理部門はどっちですか?

博士 博士

スタッフ組織じゃ。特定の診療科や看護単位に属さず、すべての部門にまたがって活動する。だから院長直下で横に独立した②が正解じゃ。

サクラ サクラ

①はどんな位置ですか?

博士 博士

①は組織図の最上位、病院長や理事長が当てはまる。統括者であり、横断的な部門ではない。

サクラ サクラ

③は部長クラスですね。

博士 博士

うむ。看護部長や診療部長、事務部長などの中間管理層じゃ。自部門の統括が仕事で、横断とは別の役割じゃ。

サクラ サクラ

④は現場スタッフってことですね。

博士 博士

その通り。組織図の最下層、ライン組織の末端。

サクラ サクラ

医療安全以外にも横断的な部門ってあるんですか?

博士 博士

たくさんあるぞ。感染制御チーム(ICT)、栄養サポートチーム(NST)、褥瘡対策チーム、緩和ケアチーム、呼吸サポートチーム(RST)などじゃ。いずれも複数部署をまたいで活動する。

サクラ サクラ

医療安全管理部門は法的に義務付けられているんですか?

博士 博士

うむ、医療法第6条の10に基づき、全病院に医療安全管理体制の整備が義務付けられておる。特定機能病院では専従の医療安全管理者を配置することになっておるのじゃ。

サクラ サクラ

医療安全管理室の主な業務って何ですか?

博士 博士

インシデント・アクシデント報告の集約と分析、RCA(根本原因分析)、医療安全研修の企画、現場ラウンド、マニュアル整備、などじゃ。

サクラ サクラ

横断的だからこそ、現場のラインから独立した視点で活動できるんですね。

博士 博士

その通り。ラインに組み込まれると上司への遠慮が働いて正直な報告が上がらなくなる。独立性こそ医療安全の命じゃ。

サクラ サクラ

組織図って単なる図じゃなくて、役割と権限の配置を示すものなんですね。

POINT

病院組織では、院長を頂点とするライン組織(部長→師長→スタッフ)と、部門を横断して専門支援を行うスタッフ組織が併存します。医療安全管理部門は特定の診療科・看護単位に属さず、すべての部門に関与する必要があるため、院長直下に独立して配置されるスタッフ部門として機能します。これは医療法に基づく全病院の義務であり、同様の横断的部門には感染制御チーム、NST、褥瘡対策チーム、緩和ケアチームなどがあります。ライン組織とスタッフ組織の役割と権限の違いを理解することは、看護管理やチーム医療の基盤となる組織論の基本といえます。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:A病院の組織図を示す。 医療安全管理を担う部門が横断的に活動する位置はどれか。

解説:正解は 2 です。組織図における『横断的活動』とは、縦のライン組織(院長→部長→師長→スタッフ)の階層に組み込まれず、すべての部門にまたがって機能するスタッフ部門・スタッフ機能を意味する。医療安全管理部門は特定の診療科や看護単位に属さず、組織全体に指示や助言を行う独立した位置づけが求められるため、院長直下で横に独立して示される②が該当する。

選択肢考察

  1. × 1.  ①

    組織図の最上位、すべてを統括する位置(病院長・理事長に相当)。横断的な部門ではなく、組織のトップとして縦のラインを統括する立場である。

  2. 2.  ②

    院長直下で各部門から独立した位置。特定のライン部門に属さず全部門に関与するスタッフ部門(医療安全管理室、感染制御部門など)に該当し、『横断的』の条件を満たす。

  3. × 3.  ③

    中間管理層(看護部長・診療部長など部門長)に相当。縦のライン組織の一部であり、自部門の統括が主務。横断的活動の位置づけではない。

  4. × 4.  ④

    組織図の最下層、現場スタッフ層。ライン組織の末端であり、横断的機能を担う位置ではない。

医療安全管理体制は医療法に基づき、全病院に設置義務がある。病床数によって『医療安全管理室』の設置や医療安全管理者(専従・専任)の配置が求められる。特定機能病院・大学病院では医療安全管理部門の独立性が強調され、院長直下のスタッフ部門として配置されるのが一般的。類似の横断的部門には感染制御部(ICT)、NST(栄養サポートチーム)、褥瘡対策チーム、緩和ケアチームなどがあり、いずれも複数部署にまたがって活動する。

病院組織図における『ライン組織』と『スタッフ組織』の違いを理解し、医療安全管理部門がスタッフ部門として横断的に機能する位置を特定する問題。