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母子保健法vs児童福祉法、どっちがどれ?制度の整理

看護師国家試験 第112回 午前 第60問 / 母性看護学 / 母性看護の基盤

国試問題にチャレンジ

112回 午前 第60問

母子保健法に規定されているのはどれか。

  1. 1.母子健康包括支援センター
  2. 2.乳児家庭全戸訪問事業
  3. 3.助産施設
  4. 4.特定妊婦

対話形式の解説

博士 博士

今日は母子保健法と児童福祉法の区別について学ぶぞ。似たような制度が両方の法律にまたがっておるから、混乱しやすいテーマじゃ。

アユム アユム

まず母子保健法ってどんな法律ですか?

博士 博士

1965年制定の法律で、母性と乳幼児の健康の保持・増進を目的としておる。妊娠届出、母子健康手帳、妊産婦・乳幼児健康診査、1歳6か月・3歳児健診、新生児訪問、未熟児養育医療給付、そして母子健康包括支援センターなどが規定されておるぞ。

アユム アユム

児童福祉法は?

博士 博士

1947年制定の法律で、子どもの健全な育成と福祉の保障が目的じゃ。児童相談所、保育所、児童養護施設、乳児家庭全戸訪問事業、養育支援訪問事業、特定妊婦、助産施設、要保護児童対策地域協議会などが規定されておる。

アユム アユム

じゃあ選択肢を順番に見ていきましょう。

博士 博士

選択肢1の母子健康包括支援センターは、母子保健法第22条に規定される市町村の拠点じゃ。妊娠期から子育て期まで切れ目ない支援を提供し、保健師・助産師が配置されておる。これが正解じゃな。

アユム アユム

通称は「子育て世代包括支援センター」ですね。

博士 博士

そうじゃ。2017年の母子保健法改正で法定化された。妊娠届受理、母子健康手帳交付、相談対応、支援プラン作成、関係機関調整を一元的に担う。

アユム アユム

選択肢2の乳児家庭全戸訪問事業は?

博士 博士

児童福祉法第6条の3第4項じゃ。通称「こんにちは赤ちゃん事業」で、生後4か月までの全家庭を保健師・助産師・民生委員などが訪問する。育児不安の早期発見や虐待予防が目的じゃ。

アユム アユム

生後4か月までなんですね。

博士 博士

そうじゃ。新生児訪問指導(母子保健法第11条)と似ておるが、こちらは全戸訪問で児童福祉法に基づく別制度じゃ。

アユム アユム

助産施設はどうですか?

博士 博士

児童福祉法第36条の児童福祉施設の一つじゃ。経済的理由で入院助産を受けられない妊産婦を入所させる施設で、母子保健法ではなく児童福祉法に規定される。

アユム アユム

特定妊婦は?

博士 博士

児童福祉法第6条の3第5項に規定される概念じゃ。出産後の養育支援が特に必要と認められる妊婦で、若年妊娠、経済的困窮、心身の疾患、孤立などが該当する。児童虐待防止の観点から重要じゃ。

アユム アユム

最近「こども家庭センター」という言葉も聞きます。

博士 博士

それじゃ。2022年の児童福祉法・母子保健法改正で、2024年4月から「こども家庭センター」の設置が市町村の努力義務になった。母子健康包括支援センターと子ども家庭総合支援拠点の機能を統合し、母子保健と児童福祉を一体的に運営する組織じゃ。

アユム アユム

制度がどんどん変わっていきますね。最新知識のキャッチアップも大事ですね。

博士 博士

その通り。特に国試では法改正の動きが頻出じゃから、最新の制度名と根拠法をセットで覚えるのがコツじゃ。

POINT

母子健康包括支援センターは母子保健法第22条に規定される市町村の拠点で、妊娠期から子育て期までの切れ目ない支援を提供します。一方、乳児家庭全戸訪問事業、助産施設、特定妊婦はすべて児童福祉法に規定される制度です。母子保健法は母性・乳幼児の健康保持増進、児童福祉法は子どもの健全育成と福祉保障が目的で、規定項目を整理して区別することが重要です。2024年4月からは両法の機能を統合した「こども家庭センター」の設置が市町村の努力義務となり、母子保健と児童福祉の一体的運営が進んでいます。看護師は最新の制度・法改正を把握し、妊産婦・乳幼児・家族への包括的支援を担う役割が求められます。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:母子保健法に規定されているのはどれか。

解説:正解は 1 です。母子健康包括支援センター(通称:子育て世代包括支援センター)は、母子保健法第22条に基づき市町村が設置する機関で、妊娠期から子育て期までの切れ目ない支援を提供することを目的としています。保健師・助産師などが常駐し、妊娠届出の受理、母子健康手帳の交付、相談対応、支援プランの作成、関係機関との連絡調整などを一元的に行います。他の選択肢(乳児家庭全戸訪問事業、助産施設、特定妊婦)はすべて児童福祉法に規定されている制度です。

選択肢考察

  1. 1.  母子健康包括支援センター

    母子保健法第22条に規定。妊娠期から子育て期までの切れ目ない支援を行う市町村の拠点で、保健師・助産師などが配置される。2024年度からは「こども家庭センター」への統合が進められている。

  2. × 2.  乳児家庭全戸訪問事業

    児童福祉法第6条の3第4項に規定される、いわゆる「こんにちは赤ちゃん事業」。生後4か月までの乳児のいる全家庭を保健師・助産師・民生委員などが訪問し、育児相談や情報提供を行う。

  3. × 3.  助産施設

    児童福祉法第36条に規定される児童福祉施設の一つ。経済的理由で入院助産を受けられない妊産婦を入所させ、助産を受けさせることを目的とする。

  4. × 4.  特定妊婦

    児童福祉法第6条の3第5項に規定。出産後の養育について出産前から支援が特に必要と認められる妊婦で、若年妊娠・経済的困窮・心身の疾患などが対象となる。児童虐待予防の観点から支援対象とされる。

母子保健法の主な規定:妊娠届出(第15条)、母子健康手帳の交付(第16条)、妊産婦・乳幼児健康診査(第12・13条)、1歳6か月児・3歳児健診(第12条)、新生児訪問指導(第11条)、未熟児訪問指導・養育医療給付(第18〜20条)、母子健康包括支援センター(第22条)。児童福祉法の主な規定:児童相談所、要保護児童対策地域協議会、乳児家庭全戸訪問事業、養育支援訪問事業、特定妊婦、助産施設、保育所、児童養護施設など。2022年の児童福祉法・母子保健法改正により、2024年4月から「こども家庭センター」の設置が市町村の努力義務となり、母子健康包括支援センター(母子保健)と子ども家庭総合支援拠点(児童福祉)の機能が統合された。

母子保健法と児童福祉法の規定内容を区別する問題。法律ごとの典型項目を整理しておくとよい。