悪露が続く…その理由は子宮内遺残かも?子宮復古不全の要因を解明
看護師国家試験 第114回 午前 第68問 / 母性看護学 / 分娩期・産褥期の看護
国試問題にチャレンジ
子宮復古不全(subinvolution of the uterus)の要因はどれか。
- 1.胎児発育不全<FGR>(fetal growth restriction)
- 2.卵膜の子宮内遺残
- 3.分娩直後の授乳
- 4.膀胱炎(cystitis)
対話形式の解説
博士
今回は子宮復古不全の要因を考える問題じゃ。産褥期看護の重要テーマじゃぞ。
アユム
子宮復古不全って、子宮が元の大きさに戻らない状態でしたか。
博士
その通り。分娩直後は臍下指1〜2横指、産褥10日頃に骨盤腔内に下降して触知不能、6週間で妊娠前に戻るのが正常じゃ。
アユム
どんな症状が現れますか?
博士
悪露の異常持続、子宮底の高位、子宮の硬度低下、子宮復古に伴う後陣痛の異常などじゃ。
アユム
原因にはどんなものがありますか?
博士
主な原因は5つじゃ。①卵膜・胎盤の子宮内遺残、②子宮筋の過伸展(多胎・羊水過多・巨大児)、③長時間分娩による子宮筋疲労、④子宮内感染、⑤膀胱・直腸の充満、⑥授乳不良。
アユム
選択肢2の卵膜の子宮内遺残が正解ですね。
博士
うむ。残った組織が物理的に収縮を妨げ、さらに感染源となって子宮内膜炎を起こし悪循環になる。
アユム
胎児発育不全<FGR>はどうですか?
博士
FGRは胎児が小さく、子宮も過伸展されない。むしろ復古不全のリスクは低いと考えられる。
アユム
分娩直後の授乳は?
博士
授乳は乳頭刺激でオキシトシン分泌を促し、子宮収縮を強める。これは復古を助ける要素じゃから、要因ではなく予防因子じゃ。
アユム
早期母子接触が産褥でも大切な理由ですね。
博士
その通り。皮膚接触と吸啜刺激でオキシトシンが分泌されるのじゃ。
アユム
膀胱炎は要因ではないんですね。
博士
膀胱「充満」は子宮を押し上げて復古を妨げるが、これは膀胱炎とは別の状態。膀胱炎自体は復古不全の直接要因ではない。
アユム
看護師としての観察ポイントは?
博士
子宮底高・硬度・後陣痛・悪露の量と性状を毎日観察する。膀胱や直腸の充満を避け、適切な排泄を促すのも大切じゃ。
アユム
子宮底マッサージというものがありましたね。
博士
輪状マッサージで収縮を促進する。授乳の頻回化、早期離床、保温も組み合わせるとよい。
アユム
それでも改善しないときは?
博士
超音波で遺残の有無を確認し、必要なら抗菌薬・子宮収縮薬・子宮内容除去術を行う。出血量増加にも注意するのじゃ。
POINT
子宮復古不全は分娩後に子宮が妊娠前の大きさへ収縮・回復する過程が遅延する状態で、卵膜や胎盤の子宮内遺残・子宮筋の過伸展・感染・膀胱直腸の充満・授乳不良などが要因となります。本問では「卵膜の子宮内遺残」が代表的な原因として正解で、授乳はむしろオキシトシン分泌を介して復古を促進する保護因子です。FGRは子宮筋への負荷が少なく要因とならず、膀胱炎自体も直接の原因ではありません。看護師は子宮底高・硬度・悪露・後陣痛の観察、排泄ケア、頻回授乳の支援、輪状マッサージなどを通じて、産褥期の母体回復を支える役割を担います。
解答・解説
正解は 2 です
問題文:子宮復古不全(subinvolution of the uterus)の要因はどれか。
解説:正解は 2 です。子宮復古不全は分娩後に子宮が妊娠前の大きさに収縮・回復する過程が遅延する状態で、悪露の異常持続、子宮底高の高位、子宮の硬度低下などを呈します。主な要因は子宮内に胎盤や卵膜の遺残物がある、多胎・羊水過多・巨大児などによる子宮筋の過伸展、長時間分娩による子宮筋疲労、子宮内感染、膀胱・直腸の充満による物理的圧迫、授乳不良によるオキシトシン分泌不足などです。「卵膜の子宮内遺残」は子宮収縮を直接妨げる代表的な原因です。
選択肢考察
-
× 1. 胎児発育不全<FGR>(fetal growth restriction)
FGRは胎児が在胎週数相当の発育を達成できない状態で、児が小さい分むしろ子宮筋への過伸展負荷は少ない。子宮復古不全の直接的要因とはならない。
-
○ 2. 卵膜の子宮内遺残
卵膜や胎盤片が子宮内に残ると、子宮筋の収縮が妨げられ復古が遅延する。さらに遺残組織は感染源となり子宮内膜炎を引き起こすことで悪化させる。代表的な子宮復古不全の原因。
-
× 3. 分娩直後の授乳
授乳は乳頭刺激によりオキシトシン分泌を促し、子宮収縮を促進して復古を助ける。むしろ子宮復古不全の予防因子であり、要因ではない。
-
× 4. 膀胱炎(cystitis)
膀胱炎自体は子宮復古不全の直接要因ではない。膀胱「充満」は子宮を物理的に押し上げて復古を妨げる要因になりうるが、これは膀胱炎とは別の状態。
子宮復古は分娩直後の臍下指1〜2横指から、産褥10日頃に骨盤腔内に下降し触知不能となり、6週間で妊娠前の大きさに戻るのが正常経過。観察項目は子宮底高・子宮硬度・後陣痛・悪露の量と性状である。子宮復古不全の予防・促進ケアとして、頻回授乳によるオキシトシン分泌、早期離床、膀胱・直腸充満を避ける排泄ケア、子宮底のマッサージ(輪状マッサージ)、保温などが行われる。子宮復古不全が疑われる場合は、超音波検査による胎盤・卵膜遺残の確認、抗菌薬投与、子宮収縮薬投与、必要に応じた子宮内容除去術が行われる。
子宮復古不全の要因を問う問題。子宮内遺残・子宮筋の過伸展・感染・授乳不足・膀胱直腸の充満が主な原因であることを押さえる。授乳は促進因子である点に注意。
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