母体要因と胎児影響の組合せ
看護師国家試験 第104回 午前 第63問 / 母性看護学 / 妊娠期の看護
国試問題にチャレンジ
妊娠中の母体の要因が胎児に及ぼす影響について正しいのはどれか。
- 1.飲酒の習慣による巨大児
- 2.喫煙による神経管形成障害
- 3.妊娠初期の風疹の罹患による先天性心疾患(congenital heart disease)
- 4.ビタミンAの過剰摂取による低出生体重児
対話形式の解説
博士
妊娠中の母体要因と胎児への影響を整理していこう。
サクラ
飲酒・喫煙・感染症・栄養素など、注意点が多いですね。
博士
まず飲酒はどう影響するかな。
サクラ
胎児性アルコール症候群で低出生体重や発達障害が起こります。巨大児ではないですね。
博士
巨大児の主因は母体糖尿病や肥満じゃ。
サクラ
喫煙は早産や低出生体重で、神経管閉鎖障害は葉酸不足が主因ですね。
博士
では風疹はどうかな。
サクラ
妊娠初期の感染で先天性風疹症候群となり、心疾患・白内障・難聴が三徴です。
博士
心疾患では動脈管開存症が代表的じゃな。
サクラ
ビタミンAの過剰摂取は奇形のリスクで、低出生体重児が主ではありません。
博士
では正解は3じゃな。
サクラ
予防にはMRワクチンの事前接種と葉酸摂取が大切ですね。
博士
妊娠中は生ワクチンが禁忌なので、計画段階での接種が肝心じゃ。
サクラ
禁酒・禁煙の指導も看護師の重要な役割ですね。
POINT
妊娠初期の風疹感染は先天性風疹症候群を引き起こし、心疾患・白内障・難聴を主徴とします。飲酒は胎児性アルコール症候群、喫煙は低出生体重・早産、ビタミンA過剰は催奇形性、葉酸不足は神経管閉鎖障害といった対応関係を整理しましょう。妊娠前からのワクチン接種・栄養指導・嗜好品の制限が母児の健康を守る基盤となります。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:妊娠中の母体の要因が胎児に及ぼす影響について正しいのはどれか。
解説:正解は3の「妊娠初期の風疹の罹患による先天性心疾患(congenital heart disease)」です。妊娠初期に風疹ウイルスに感染すると胎盤を介して胎児に伝播し、先天性風疹症候群(CRS)を起こします。三大徴候は心疾患(動脈管開存症など)・白内障・難聴で、感染時期が早いほど発症リスクが高くなります。
選択肢考察
-
× 1. 飲酒の習慣による巨大児
妊娠中の飲酒は胎児性アルコール症候群を引き起こし、低出生体重・成長障害・精神発達遅滞・特徴的顔貌などをきたします。巨大児の主な原因は母体糖尿病や肥満です。
-
× 2. 喫煙による神経管形成障害
喫煙は子宮胎盤血流低下により低出生体重児・早産・常位胎盤早期剝離のリスクを高めます。神経管閉鎖障害の主因は妊娠初期の葉酸不足です。
-
○ 3. 妊娠初期の風疹の罹患による先天性心疾患(congenital heart disease)
妊娠初期の風疹感染で先天性風疹症候群となり、心疾患・白内障・難聴を中心とした多彩な異常を生じます。設問の記述に合致します。
-
× 4. ビタミンAの過剰摂取による低出生体重児
ビタミンA(特にレチノール)の過剰摂取は催奇形性が知られ、頭蓋顔面・心血管系・中枢神経系の奇形リスクを高めます。低出生体重児が主たる影響ではありません。
風疹抗体価が低い妊娠希望者にはMRワクチンの事前接種が推奨されますが、妊娠中は生ワクチン禁忌です。葉酸は妊娠1か月前から400μg/日の付加摂取が推奨されます。アルコール・喫煙はゼロが原則です。
母体側の要因と胎児への影響の正しい組合せを理解しているかを問う問題です。
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