乳児への散剤与薬のコツ
看護師国家試験 第107回 午後 第52問 / 小児看護学 / 検査・処置を受ける子どもと家族への看護
国試問題にチャレンジ
乳児への散剤の与薬について、親に指導する内容で適切なのはどれか。
- 1.ミルクに混ぜる。
- 2.はちみつに混ぜる。
- 3.少量の水に溶かす。
- 4.そのまま口に含ませる。
対話形式の解説
博士
今日は乳児に粉薬を飲ませるときの指導についてじゃ。
アユム
赤ちゃんに粉薬って難しそうです。どう混ぜればいいんですか。
博士
基本はほんの数滴の湯冷ましで練ってペースト状にするのじゃ。
アユム
水の量が多いとどうなるんですか。
博士
多いと溶けきらず底に残って全量が入らなくなる。ほんの団子一粒ほどに仕上げるのがコツじゃ。
アユム
ミルクに混ぜるのはだめなんですか。楽そうですが。
博士
ミルクの味が変わって哺乳拒否を招くおそれがある。主食の味を変えてはいかんのじゃ。
アユム
はちみつで甘くするのはどうでしょう。
博士
それは絶対にいかん。1歳未満は乳児ボツリヌス症のリスクがあるからのう。
アユム
飲ませる場所にも工夫がいるんですね。
博士
そうじゃ。舌の上ではなく頬の内側や上顎に塗るのがよい。舌先は味覚が敏感じゃからな。
アユム
飲ませた後はどうすればよいですか。
博士
少量の白湯や湯冷ましを飲ませて口腔内に残った薬を流し込むのじゃ。
アユム
授乳のタイミングはどう調整しましょう。
博士
授乳直前に与えると残して飲まないことがあるから、空腹時や授乳の合間が無難じゃ。
POINT
乳児への散剤与薬は、ごく少量の水でペースト状に練り頬粘膜や上顎に塗布し、その後に白湯を飲ませるのが基本です。ミルクに混ぜると哺乳拒否の原因となり、はちみつは乳児ボツリヌス症を引き起こす危険があるため用いません。粉のままや多量の水で溶く方法も不適切で、全量確実に内服できるよう練り薬の方法を家族に指導することが大切です。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:乳児への散剤の与薬について、親に指導する内容で適切なのはどれか。
解説:正解は3です。乳児に粉薬を飲ませる際は、ごく少量の湯冷ましでペースト状に練り、頬の内側や上顎に塗りつけた後に白湯や湯冷ましを飲ませる方法が最も確実で安全です。
選択肢考察
-
× 1. ミルクに混ぜる。
主食であるミルクに混ぜると味が変化し、ミルク嫌いや哺乳拒否を招く恐れがあるため避けます。また必要量を飲み残すと薬剤量が担保できません。
-
× 2. はちみつに混ぜる。
1歳未満の乳児はボツリヌス菌芽胞に対する腸内環境が未熟で、乳児ボツリヌス症を発症する危険があるため、はちみつ自体を与えてはいけません。
-
○ 3. 少量の水に溶かす。
数滴の白湯や湯冷ましで練り、団子状にしたものを頬粘膜や口蓋に塗り、その後に水分を飲ませると、味を感じにくく確実に内服できます。
-
× 4. そのまま口に含ませる。
粉のままでは口腔内に付着してむせたり、苦味で吐き出したりして全量を内服できず、誤嚥の危険も高まります。
服薬前後の授乳はタイミングをずらし、服薬直後に少量の湯冷ましを飲ませて口腔内残薬を洗い流します。シロップ剤は容器ごと振ってから計量スプーンやスポイトで頬の内側にゆっくり流し入れると誤嚥しにくくなります。ジュースや酸味飲料と混ぜると苦味が増す薬もあるため、混合飲料は薬剤師に相談するよう伝えます。
乳児の散剤はごく少量の水でペースト状に練り、頬の内側や上顎に塗布してから白湯で流し込むのが基本です。ミルクやはちみつに混ぜるのは禁忌です。
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