ピアジェと子どもへの説明
看護師国家試験 第113回 午後 第55問 / 小児看護学 / 検査・処置を受ける子どもと家族への看護
国試問題にチャレンジ
ピアジェ, J.(Piaget,J.)の認知発達理論における段階と病気の説明に使用するツールの組合せで適切なのはどれか。
- 1.感覚運動期 ――― 人体模型
- 2.前操作期 ―――― 印刷文書
- 3.具体的操作期 ―― 動画
- 4.形式的操作期 ―― 指人形
対話形式の解説
博士
今日はピアジェの発達段階と説明ツールの話じゃ。
サクラ
4つの段階がありましたね。
博士
そうじゃ、感覚運動期、前操作期、具体的操作期、形式的操作期じゃな。
サクラ
感覚運動期は0〜2歳でしたっけ。
博士
うむ、感覚と運動で世界を捉える時期じゃ。人体模型では理解できん。
サクラ
前操作期は何歳ごろですか。
博士
2〜7歳じゃ。象徴遊びができるが論理は未熟なので、絵本や指人形が合う。
サクラ
印刷文書はまだ難しいですね。
博士
そうじゃ。文字中心では伝わりにくいぞ。
サクラ
具体的操作期は7〜11歳、論理的に考え始める時期でしたね。
博士
その通り。動画や写真のような具体的な視覚教材が理解を促すのじゃ。
サクラ
形式的操作期には何が合いますか。
博士
11歳以降は抽象的思考ができるから、パンフレットや図表、討論が適するぞ。
サクラ
指人形は形式的操作期には幼すぎるのですね。
博士
よく気付いた。発達段階に合わせたツール選びが鍵じゃ。
サクラ
プレパレーションの基本として活かします。
POINT
ピアジェの認知発達段階を理解することで、小児への説明ツールを適切に選べます。具体的操作期(7〜11歳)は具体物を介した論理的思考が可能となるため、動画などの視覚教材が有効です。前操作期には絵本や人形劇、形式的操作期には図表や文章を組み合わせ、発達段階に合わせたプレパレーションを行いましょう。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:ピアジェ, J.(Piaget,J.)の認知発達理論における段階と病気の説明に使用するツールの組合せで適切なのはどれか。
解説:正解は3の「具体的操作期 ―― 動画」です。具体的操作期はおおむね7〜11歳にあたり、目に見える具体物や体験した事象について論理的に考えられる時期です。動画や写真、実物を用いた説明は子どもがイメージしやすく、因果関係の理解を助けるため、この時期のプレパレーションに適した手段となります。
選択肢考察
-
× 1. 感覚運動期 ――― 人体模型
感覚運動期(0〜2歳)は感覚と運動を通して世界を把握する時期で、抽象概念を表す人体模型では理解できません。音・動き・触覚で働きかける遊具が適します。
-
× 2. 前操作期 ―――― 印刷文書
前操作期(2〜7歳)は象徴機能が発達するものの論理的思考は未熟で、文字中心の印刷物は理解が困難です。絵本・指人形・ごっこ遊びなど視覚的・遊戯的なツールが向きます。
-
○ 3. 具体的操作期 ―― 動画
具体的操作期(7〜11歳)は具体物を用いた論理的思考が可能になる時期で、動画や写真など視覚的で具体的な教材が理解を促進します。
-
× 4. 形式的操作期 ―― 指人形
形式的操作期(11歳〜)は抽象的・仮説的思考ができる段階です。パンフレットや討論など抽象的説明が適しており、指人形は発達段階に対して幼すぎます。
小児のプレパレーションでは、発達段階に応じたツール選択が不安軽減と治療協力につながります。前操作期には絵本・人形劇、具体的操作期には動画・モデル人形、形式的操作期には文書・図表を使い分けるとよいでしょう。
ピアジェの発達段階の特徴を把握し、各期に適した説明ツールを選択できるかを問う問題です。
「検査・処置を受ける子どもと家族への看護」の関連記事
-
4歳児への採血、嘘も脅しもダメ。プレパレーションの正解は?
プレパレーションの目的(不安軽減・対処能力の引き出し)と原則(正直・発達段階に応じる・感情表出を促す)を理解…
114回
-
小児看護のディストラクションとは
小児看護におけるプレパレーションの構成要素のうち、ディストラクション(処置中の注意逸らし)の定義を正確に理解…
113回
-
乳児への散剤与薬のコツ
乳児の散剤はごく少量の水でペースト状に練り、頬の内側や上顎に塗布してから白湯で流し込むのが基本です。ミルクや…
107回
-
男児の採尿バッグ、正しく貼れる?小児看護の基本手技
小児看護の基本手技、採尿バッグの正しい使用法を問う問題。男児では陰茎を完全に袋内に収めるように採尿口の下縁を…
106回
-
学童のギプス固定後の生活指導
小児のギプス固定後の日常生活指導として、患肢挙上の重要性と発達段階に応じた説明方法が問われています。
104回