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小児看護のディストラクションとは

看護師国家試験 第113回 午前 第56問 / 小児看護学 / 検査・処置を受ける子どもと家族への看護

国試問題にチャレンジ

113回 午前 第56問

子どもに医療処置を行う際、看護師が行うディストラクションはどれか。

  1. 1.処置後に子どものがんばりを認める。
  2. 2.人形を用いて子どもに処置を説明する。
  3. 3.子どもの対処行動のパターンを把握する。
  4. 4.子どもの注意を処置ではなく他のものに向ける。

対話形式の解説

博士 博士

今日は医療処置中の子どもの苦痛を軽減する方法についてじゃ。

アユム アユム

ディストラクションという言葉をよく聞きますが、具体的には何ですか?

博士 博士

処置中に子どもの注意を別のものに向けて、不安や痛みを和らげる技法じゃ。

アユム アユム

おもちゃや絵本を使うのがそうなんですね。

博士 博士

そうじゃ。乳幼児にはしゃぼん玉や音の鳴るおもちゃが効果的じゃ。

アユム アユム

人形で処置を説明するのは違うんですか?

博士 博士

それは事前説明のプレパレーションじゃな。処置中ではないからディストラクションとは別物じゃ。

アユム アユム

処置後にがんばったねと声をかけるのは?

博士 博士

あれは達成感を支えるポジティブフィードバックじゃ。大切じゃが注意逸らしではない。

アユム アユム

対処行動のパターンを把握するのも違うんですね。

博士 博士

うむ、それはアセスメント段階じゃ。ディストラクションの計画を立てるための情報収集じゃな。

アユム アユム

年齢によって方法を変える必要もありそうですね。

博士 博士

その通りじゃ。学童以上なら呼吸法や会話、タブレットも有効じゃぞ。

アユム アユム

子どもの発達段階に合わせた関わりが大事なんですね。

POINT

ディストラクションは処置中に子どもの注意を他に向けて苦痛を和らげる支援技法で、プレパレーションの一部です。人形を使った説明は事前説明、処置後のねぎらいはポジティブフィードバックに当たり、それぞれ役割が異なります。対処行動の把握はアセスメントに位置づけられ、ディストラクション計画の基礎になります。年齢や発達段階に応じた工夫を組み合わせることで、子どもの肯定的な医療体験を支援できます。

解答・解説

正解は 4 です

問題文:子どもに医療処置を行う際、看護師が行うディストラクションはどれか。

解説:正解は4です。ディストラクションは処置中に生じる痛みや不安から子どもの注意をそらし、他の楽しい刺激に向けることで苦痛を和らげる支援技法で、「注意を他のものに向ける」という選択肢が該当します。

選択肢考察

  1. × 1.  処置後に子どものがんばりを認める。

    これは処置後のポジティブフィードバックにあたり、プレパレーションの一環として子どもの達成感や自尊心を支える関わりです。処置中の注意逸らしではないためディストラクションとは区別されます。

  2. × 2.  人形を用いて子どもに処置を説明する。

    処置前に行う事前説明(プレパレーション)の一形態で、視覚的・具体的な手段を用いて子どもの理解と見通しを促進します。処置中の注意をそらすディストラクションとは目的が異なります。

  3. × 3.  子どもの対処行動のパターンを把握する。

    子どものコーピングスタイルや発達段階を把握するアセスメントにあたり、プレパレーション計画の基礎となる情報収集です。実際に処置中に注意を逸らす行為そのものではありません。

  4. 4.  子どもの注意を処置ではなく他のものに向ける。

    おもちゃ、絵本、動画、しゃぼん玉、呼吸法などを用いて処置中に別の対象へ意識を集中させ、痛覚や不安を和らげる関わりがディストラクションの本質です。選択肢の記述と一致します。

ディストラクションはプレパレーションを構成する重要な技法の一つで、特に乳幼児では言語的支援より視覚・聴覚・触覚刺激による注意逸らしが有効です。年齢別には乳児には音や動くおもちゃ、幼児にはしゃぼん玉や絵本、学童には呼吸法や会話・タブレットなどが用いられます。処置後のねぎらいや頑張りの承認と組み合わせることで、子どもの肯定的な医療体験につながります。

小児看護におけるプレパレーションの構成要素のうち、ディストラクション(処置中の注意逸らし)の定義を正確に理解しているかを問う設問です。