攻撃的な患者への接し方
看護師国家試験 第110回 午後 第64問 / 精神看護学 / 精神疾患・障害がある者への看護
国試問題にチャレンジ
攻撃性の高まった成人患者への対応で正しいのはどれか。
- 1.患者の正面に立つ。
- 2.アイコンタクトは避ける。
- 3.身振り手振りは少なくする。
- 4.ボディタッチを積極的に用いる。
対話形式の解説
博士
攻撃性が高まった患者さんへの対応、どうすればよいと思う?
アユム
まず刺激しないことが大事ですよね。
博士
その通りじゃ。立ち位置はどこが望ましい?
アユム
正面ではなく斜め45度くらいでしょうか。
博士
正解じゃ。理由は?
アユム
正面は対峙姿勢で威圧感があり、攻撃の標的になりやすいからです。
博士
アイコンタクトはどうじゃ?
アユム
凝視はダメですが適度には保ちます。
博士
身振り手振りは?
アユム
少なく、ゆっくりとした動きが基本ですね。
博士
そう、急な動作は興奮を招くぞい。
アユム
ボディタッチはいかがでしょう。
博士
基本的に避ける。パーソナルスペースを侵害するからじゃ。
アユム
声の出し方にもコツがありますか。
博士
低く落ち着いた声で短く話す。これをディエスカレーションというのじゃ。
アユム
安全距離はどのくらいですか。
博士
腕2本分、約1.5〜2メートルじゃ。退避路も確保するぞい。
POINT
攻撃性の高まった患者への対応は、ディエスカレーション(沈静化)が基本です。斜め45度に立ち、身振り手振りを少なくし、低く穏やかな声で対応します。アイコンタクトは適度に保ち、ボディタッチは避け、腕2本分の距離と退避路を確保することが安全対策として重要です。対応は一人で抱え込まず、複数スタッフで臨みましょう。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:攻撃性の高まった成人患者への対応で正しいのはどれか。
解説:正解は 3 です。攻撃性が高まっている患者に対しては、過剰な身振り手振りや急な動作が刺激となり怒りを増幅させる恐れがあります。看護師は動作をゆっくり・少なくし、威圧感を与えない穏やかな態度で接することが基本です。ディエスカレーションと呼ばれる沈静化技法の中核になります。
選択肢考察
-
× 1. 患者の正面に立つ。
正面に立つと対峙姿勢となり威圧感を与え、攻撃の標的になりやすくなります。おおむね斜め45度の位置に立ち、出入口を塞がない場所で逃げ道を確保することが安全です。
-
× 2. アイコンタクトは避ける。
完全に目を逸らすと拒絶や無関心と受け取られ逆効果です。凝視は挑発になりますが、適度なアイコンタクトで関心と尊重を示すことが信頼関係の構築に役立ちます。
-
○ 3. 身振り手振りは少なくする。
大きな動作や急な身振りは興奮を高めます。ゆっくりと静かな動作で、自分に害意がないことを非言語的に示すことが沈静化に有効です。
-
× 4. ボディタッチを積極的に用いる。
攻撃性が高まっている時の安易なボディタッチはパーソナルスペースの侵害となり、さらに興奮を招きます。本人の許可なく触れることは避け、距離を保つべきです。
ディエスカレーションでは(1)環境調整(刺激を減らす)(2)安全距離の確保(腕2本分程度)(3)低く落ち着いた声(4)開かれた質問で感情を言語化させる、などが推奨されます。暴力発生時は一人で対応せず複数人で、退避・応援要請(CVPPPの原則)を優先しましょう。
攻撃性の高い患者への沈静化対応(ディエスカレーション)の基本原則を理解しているかを問う問題です。
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