がん相談支援センターの役割を正しく理解しよう
看護師国家試験 第108回 午前 第45問 / 成人看護学 / がん看護
国試問題にチャレンジ
がん診療連携拠点病院に設置されている「がん相談支援センター」の業務はどれか。
- 1.就労の斡旋
- 2.がん検診の実施
- 3.がんについての情報提供
- 4.セカンドオピニオン外来の開設
対話形式の解説
博士
今日は第108回午前45問、がん相談支援センターの業務を問う問題じゃ。がん対策基本法に基づく重要な社会資源の一つじゃぞ。
サクラ
博士、がん相談支援センターって最近よく聞きますが、具体的に何をしているところなんですか?
博士
よい質問じゃ。がん相談支援センターは、厚生労働大臣が指定したがん診療連携拠点病院や小児がん拠点病院などに設置されておる相談窓口じゃ。患者本人だけでなく家族、そして他院に通院中の方や一般市民まで、誰でも無料で利用できる点が特徴じゃの。
サクラ
選択肢を見ると、情報提供、検診、就労斡旋、セカンドオピニオン外来とありますが、どれでしょうか。
博士
さあ選んでみるかね。
サクラ
情報提供が中心のような気がするので、3番だと思います。
博士
正解じゃ!正解は3のがんについての情報提供じゃ。センターの業務は一般的ながん情報の提供を中核に、治療法の選択、医療機関の紹介、療養生活、経済的支援、就労との両立、緩和ケア、セカンドオピニオンの情報まで幅広くカバーしておるのじゃ。
サクラ
就労の斡旋も選択肢にありますが、これは違うんですね。
博士
センターでは『がんと仕事の両立』に関する相談には乗るが、実際に職業を紹介する斡旋業務はハローワークや障害者就労支援機関の役割じゃ。言葉の違いに注意が必要じゃぞ。
サクラ
セカンドオピニオン外来の開設はどうですか?
博士
セカンドオピニオン外来は各医療機関が独自に開設する診療機能じゃ。センターの業務はセカンドオピニオンを受けたい患者に対して対応可能な医師や病院の情報を提供することじゃよ。
サクラ
がん検診の実施はどうでしょう。
博士
がん検診は健康増進法に基づき市町村が実施するのが基本じゃ。センターで検診そのものは行わないが、検診を受けたいときの相談や情報提供は受けられるぞ。
サクラ
センターを利用するのにお金はかかるんですか?
博士
無料じゃ。さらに匿名相談も可能で、他院通院中でも利用できる。この『無料・匿名可・他院患者可』の三原則が強みじゃの。
サクラ
相談員はどんな職種ですか?
博士
専門研修を受けた看護師や医療ソーシャルワーカーなどが中心じゃ。電話、対面、メールと多様な相談方法に対応しておる。
サクラ
看護師としてはどう関わればいいですか?
博士
治療導入時にセンターの存在を必ず患者に紹介し、社会的・経済的・心理的ニーズに応える窓口を確保しておくことが大切じゃ。孤立しやすい患者家族への重要な支援資源じゃからの。
POINT
第108回午前45問はがん相談支援センターの業務を問う問題で、正解は3のがんについての情報提供です。センターはがん対策基本法に基づく相談窓口で、情報提供・医療機関紹介・療養相談・就労相談など幅広い支援を無料で提供します。就労斡旋やがん検診、セカンドオピニオン外来の開設はセンターの業務ではない点を区別して覚えましょう。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:がん診療連携拠点病院に設置されている「がん相談支援センター」の業務はどれか。
解説:正解は 3 です。がん相談支援センターは、がん対策基本法およびがん診療連携拠点病院等の整備に関する指針に基づき、全国のがん診療連携拠点病院・小児がん拠点病院・地域がん診療病院に設置されている相談窓口です。がんに関する一般的な情報提供、地域の医療機関情報、セカンドオピニオン可能な医師の紹介、療養上の相談、就労に関する相談など幅広い情報支援を患者・家族を含む誰でも無料で利用できる仕組みです。自院通院患者に限らず、他院の患者やその家族、一般市民も利用できる点が大きな特徴となっています。
選択肢考察
-
× 1. 就労の斡旋
がん相談支援センターでは就労と治療の両立支援や相談対応は行いますが、職業紹介業の許可が必要な就労斡旋は業務範囲外で、ハローワークなどが担当します。
-
× 2. がん検診の実施
がん検診は健康増進法に基づき市町村が実施するもので、がん相談支援センターの業務ではありません。センターでは検診を受けたいときの情報提供は行います。
-
○ 3. がんについての情報提供
がんに関する一般的な情報提供はがん相談支援センターの中核的業務です。治療法、医療機関、療養生活、経済的支援など幅広いテーマで患者・家族を支援します。
-
× 4. セカンドオピニオン外来の開設
セカンドオピニオン外来は各医療機関が独自に開設するもので、相談支援センターの業務ではありません。センターはセカンドオピニオンが受けられる医師を紹介します。
がん相談支援センターの相談員は専門研修を受けた看護師・医療ソーシャルワーカーなどが中心で、電話・対面・メールで対応しています。無料・匿名可・他院通院患者も利用可という三原則が特徴で、2023年時点で全国450以上の施設に設置されています。看護師は治療導入時に必ずセンターの存在を患者に紹介し、社会的・経済的・心理的ニーズへの支援窓口を確保しておくことが重要です。
がん対策基本法に基づくがん相談支援センターの役割と業務範囲を正しく理解しているかを問う問題です。
「がん看護」の関連記事
-
乳房温存療法の放射線治療——マーキングはなぜ必要?
乳房温存療法における放射線治療の特徴と副作用、患者教育内容を問う問題。マーキングの意義と外部照射の被曝特性を…
114回
-
がん患者を蝕む「悪液質」の正体
がん悪液質を「単なる低栄養」ではなく「代謝異常を背景とした骨格筋減少を主体とする多因子性症候群」と理解し、そ…
114回
-
造血幹細胞移植の前処置!全身放射線照射が果たす2つの使命
造血幹細胞移植の前処置(TBI)の目的は、患者の免疫を抑えて拒絶を防ぐことと、残存腫瘍細胞を根絶することの二点。…
114回
-
がん性疼痛評価の定番NRSを押さえよう
疼痛評価スケールの種類と特徴、とくに「数値で回答する=NRS」であることを正確に識別できるかを問う問題です。
113回
-
上大静脈症候群を見抜こう
顔面浮腫の鑑別として、全身性浮腫(低蛋白・心不全・腎不全)と局所性浮腫(静脈・リンパ還流障害)を区別し、CT所…
113回