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末端肥大症と成長ホルモンを理解する

看護師国家試験 第108回 午前 第28問 / 成人看護学 / 内部環境と内分泌系

国試問題にチャレンジ

108回 午前 第28問

Aさん45歳、男性は、10年ぶりに会った友人から顔貌の変化を指摘された。 顔貌変化を図に示す。 Aさんの顔貌変化を引き起こしたホルモンはどれか。

Aさん45歳、男性は、10年ぶりに会った友人から顔貌の変化を指摘された。 顔貌変化を図に示す。 Aさんの顔貌変化を引き起こしたホルモンはどれか。
  1. 1.成長ホルモン
  2. 2.副甲状腺ホルモン
  3. 3.副腎皮質ホルモン
  4. 4.甲状腺刺激ホルモン

対話形式の解説

博士 博士

今日は内分泌疾患の話じゃ。45歳男性Aさんが10年ぶりに会った友人から顔貌変化を指摘された症例じゃな。どんな疾患を考えるかの?

アユム アユム

10年かけてゆっくり顔が変わる、しかも眉弓や下顎が突き出るような変化ですよね。末端肥大症でしょうか?

博士 博士

その通り、正解は1の成長ホルモンじゃ。末端肥大症はacromegalyとも呼ばれ、下垂体前葉のGH産生腺腫が原因じゃ。

アユム アユム

なぜ大人では顔や手足だけが大きくなるんですか?

博士 博士

骨端線が閉鎖した後にGH過剰が起こるから、身長は伸びず末端部だけが肥大するんじゃ。小児期に発症すれば骨端線閉鎖前のため巨人症となる。

アユム アユム

顔の変化以外にどんな症状がありますか?

博士 博士

手足の拡大、発汗過多、皮膚肥厚、舌の肥大、いびき、睡眠時無呼吸症候群、手根管症候群、関節痛などが多彩に出現するんじゃ。

アユム アユム

合併症も重要ですね。

博士 博士

そう、糖尿病、高血圧、心肥大、大腸ポリープが重要な合併症じゃ。早期診断と治療が予後に影響する。

アユム アユム

診断はどうやりますか?

博士 博士

血中IGF-1高値とOGTTでのGH抑制不全が診断の決め手じゃ。MRIで下垂体腺腫を確認するんじゃ。

アユム アユム

2の副甲状腺ホルモンはどんな症状ですか?

博士 博士

PTHはCa代謝を調節するホルモンで、過剰では高Ca血症と骨吸収促進が主体。顔貌変化はみられないな。

アユム アユム

3の副腎皮質ホルモンは?

博士 博士

コルチゾール過剰のクッシング症候群では満月様顔貌・中心性肥満・皮膚線条が特徴じゃ。骨の突出は起こらない。

アユム アユム

4の甲状腺刺激ホルモンは?

博士 博士

TSH過剰でバセドウ病様の眼球突出・頻脈・体重減少が起こるが、骨肥厚による顔貌変化はない。

アユム アユム

末端肥大症の治療は?

博士 博士

経蝶形骨洞的下垂体腺腫摘出術が第一選択で、残存時はオクトレオチドやペグビソマント、ドパミンアゴニストを併用する。

アユム アユム

看護の注意点は?

博士 博士

視野障害のチェック、血糖・血圧管理、睡眠時無呼吸への対応、術後の尿崩症やホルモン補充の観察が重要じゃよ。

POINT

設問の顔貌変化は末端肥大症(acromegaly)で、下垂体前葉のGH産生腺腫による成長ホルモン過剰分泌が原因です。骨端線閉鎖後の発症のため身長は伸びず、眉弓・頬骨・下顎の突出、鼻口唇肥大、手足拡大、発汗過多、手根管症候群などを呈します。糖尿病・高血圧・心肥大・睡眠時無呼吸症候群が重要な合併症です。診断はIGF-1高値とOGTTでのGH抑制不全、MRIでの腺腫確認、治療は経蝶形骨洞的腺腫摘出術が第一選択です。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:Aさん45歳、男性は、10年ぶりに会った友人から顔貌の変化を指摘された。 顔貌変化を図に示す。 Aさんの顔貌変化を引き起こしたホルモンはどれか。

解説:正解は 1 です。45歳男性で10年かけて眉弓・頬骨・下顎の突出、鼻や口唇の肥大など末端肥大症(先端巨大症、acromegaly)に典型的な顔貌変化が認められます。これは下垂体前葉のGH産生腺腫による成長ホルモン過剰分泌が原因で、骨端線閉鎖後に発症するため身長は伸びず手足・顔面など末端部が肥大します。血中IGF-1高値とOGTTでのGH抑制不全が診断の決め手となります。

選択肢考察

  1. 1.  成長ホルモン

    下垂体前葉腺腫によるGH過剰分泌で末端肥大症を引き起こし、眉弓突出、下顎突出、鼻口唇肥大、手足拡大、発汗過多などの症状を呈します。

  2. × 2.  副甲状腺ホルモン

    副甲状腺ホルモン(PTH)はカルシウム代謝を調節するホルモンで、過剰分泌では高Ca血症・骨吸収促進が主体で、特徴的な顔貌変化は生じません。

  3. × 3.  副腎皮質ホルモン

    コルチゾール過剰(クッシング症候群)では満月様顔貌・中心性肥満・皮膚線条などが特徴で、眉弓や下顎の突出はみられません。

  4. × 4.  甲状腺刺激ホルモン

    TSH過剰による甲状腺機能亢進ではバセドウ病様の眼球突出・頻脈・体重減少がみられますが、骨の肥厚による顔貌変化は起こりません。

末端肥大症の合併症として糖尿病、高血圧、心肥大、睡眠時無呼吸症候群、大腸ポリープ、手根管症候群などが重要です。治療は経蝶形骨洞的下垂体腺腫摘出術が第一選択で、術後残存にはソマトスタチンアナログ(オクトレオチドなど)やGH受容体拮抗薬(ペグビソマント)、ドパミンアゴニストを使用します。小児期発症では骨端線閉鎖前のため巨人症となります。

特徴的な顔貌変化から末端肥大症と推定し、原因ホルモンとして成長ホルモンを選ぶ問題です。