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全身麻酔と食道再建術の術前オリエンテーション

看護師国家試験 第107回 午前 第41問 / 成人看護学 / 周術期看護

国試問題にチャレンジ

107回 午前 第41問

全身麻酔下で食道再建術を受ける患者への術前オリエンテーションで適切なのはどれか。

  1. 1.「口から息を吸って鼻から吐く練習をしてください」
  2. 2.「手術の直前に下剤を飲んでもらいます」
  3. 3.「手術中はコンタクトレンズをつけたままで良いです」
  4. 4.「麻酔の際は喉に呼吸用の管を入れます」

対話形式の解説

博士 博士

今日は食道再建術の術前指導についてじゃ。まずお主、全身麻酔ではなぜ挿管が必要か答えられるかの?

サクラ サクラ

筋弛緩薬で自発呼吸が止まってしまうからですよね。人工呼吸器で呼吸を肩代わりする必要があるからだと思います。

博士 博士

その通りじゃ。食道再建術は開胸・開腹に加え、頸部操作も入る大侵襲手術じゃからの。呼吸管理は必須なのじゃ。

サクラ サクラ

深呼吸の練習は鼻から吸って口から吐くのが基本ですよね。

博士 博士

うむ、鼻は加湿・加温・異物除去のフィルター機能があるからの。口から吸うと気道が乾いてしまうのじゃ。選択肢1は向きが逆じゃ。

サクラ サクラ

下剤は手術前日までに服用するものですよね。直前に飲むと脱水や電解質異常が怖いです。

博士 博士

正解じゃ。最近では浣腸や下剤処置を省略する施設も増えておるぞ。ERAS(術後回復能力強化プロトコル)の影響じゃの。

サクラ サクラ

コンタクトレンズはどうして外すんですか?

博士 博士

麻酔中は瞬目反射が消えて角膜が乾いてしまうからじゃ。角膜潰瘍の原因になる。ついでに金属類も電気メスで熱傷を起こすから外すのじゃぞ。

サクラ サクラ

術後の呼吸器合併症予防のために、術前から呼吸訓練をしておくのが大切なんですね。

博士 博士

そうじゃ。インセンティブスパイロメトリーや口すぼめ呼吸、含嗽、禁煙指導、これらが鍵となる。食道再建は吻合部の縫合不全、無気肺、肺炎、反回神経麻痺による嗄声など、合併症のデパートじゃ。

サクラ サクラ

患者さんには挿管のことも事前に伝えておいたほうが不安が減りますね。

博士 博士

その通り。抜管後の喉の違和感や嗄声も、あらかじめ知っておけば驚かずに済むからの。

POINT

全身麻酔下の食道再建術では筋弛緩薬により自発呼吸が消失するため、気管内挿管による人工呼吸管理が必須です。術前オリエンテーションでは「喉に呼吸用の管を入れる」ことを事前に説明し、不安を軽減することが重要です。深呼吸は鼻から吸って口から吐く、下剤は前日までに服用、コンタクトや金属類は全て除去するのが原則です。開胸・開腹・頸部操作を伴うため、呼吸訓練・口腔ケア・禁煙指導を徹底し術後合併症を予防しましょう。

解答・解説

正解は 4 です

問題文:全身麻酔下で食道再建術を受ける患者への術前オリエンテーションで適切なのはどれか。

解説:正解は4の「麻酔の際は喉に呼吸用の管を入れます」です。全身麻酔下の食道再建術では、筋弛緩薬の使用により自発呼吸が停止するため、人工呼吸器による呼吸管理が必須となります。そのため気管内挿管を行い、気道を確保した状態で手術が進められます。術前オリエンテーションでは、挿管に伴う違和感や術後の嗄声の可能性について、あらかじめ患者に説明しておくことで不安軽減につながります。食道再建術は開胸・開腹を伴う侵襲の大きい手術であり、術後の呼吸器合併症予防や早期離床のために、患者が身体で起こることを正しく理解しておくことが重要です。

選択肢考察

  1. × 1.  「口から息を吸って鼻から吐く練習をしてください」

    深呼吸の正しい方法は「鼻からゆっくり吸い、口からゆっくり吐く(口すぼめ呼吸を含む)」です。口から吸うと気道が乾燥しやすく、加湿・濾過機能のある鼻呼吸が推奨されます。術後の無気肺や肺炎予防のための呼吸訓練として指導方法が逆になっています。

  2. × 2.  「手術の直前に下剤を飲んでもらいます」

    腸管の前処置が必要な場合でも、下剤は手術直前ではなく通常前日までに服用します。直前の投与では腸蠕動亢進や脱水、電解質異常を招き、麻酔導入時のリスクが高まります。なお近年は術前の浣腸・下剤処置を省略する施設も増えています。

  3. × 3.  「手術中はコンタクトレンズをつけたままで良いです」

    全身麻酔中は瞬目反射が消失するため角膜が乾燥しやすく、コンタクトレンズは角膜損傷の原因となります。さらに義歯、ヘアピン、時計、指輪、ピアス等の金属類も電気メス使用時の熱傷リスクがあるため、すべて除去するのが原則です。

  4. 4.  「麻酔の際は喉に呼吸用の管を入れます」

    全身麻酔では筋弛緩薬により呼吸筋が麻痺するため、気管内挿管を行い人工呼吸を管理します。患者に事前に説明しておくことで術中・術後の不安軽減、及び抜管後の嗄声や咽頭痛への理解につながります。

食道再建術の術前指導では、禁煙・口腔ケア・呼吸訓練(インセンティブスパイロメトリー)・含嗽・排痰練習を徹底します。開胸・開腹に加え頸部操作が加わるため、無気肺・肺炎・縫合不全が術後合併症として頻発します。覚え方としては「鼻吸い口吐きが正解、口吸い鼻吐きは誤り」と押さえるとよいでしょう。

大侵襲手術の術前オリエンテーションとして、全身麻酔に伴う気管内挿管の必要性を正しく説明できるかが問われています。