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メニエール病の看護指導

看護師国家試験 第107回 午前 第75問 / 成人看護学 / 感覚器・運動器系

国試問題にチャレンジ

107回 午前 第75問

Ménière< メニエール >病( Ménièreʼs disease )の患者への指導内容について正しいのはどれか。

  1. 1.静かな環境を保持する。
  2. 2.発作時は部屋を明るくする。
  3. 3.めまいがあるときは一点を凝視する。
  4. 4.嘔吐を伴う場合は仰臥位安静にする。
  5. 5.耳鳴があるときは周囲の音を遮断する。

対話形式の解説

博士 博士

メニエール病の患者指導について考えてみるぞ。

サクラ サクラ

メニエール病は有名な耳の病気ですよね。どんな病態なんですか。

博士 博士

内耳の内リンパ液が過剰に貯留する内リンパ水腫が本態じゃ。1861年にフランスの医師メニエールが報告したのが名前の由来じゃ。

サクラ サクラ

内耳は聴覚と平衡覚を担っていますよね。

博士 博士

その通り。だから症状は聴覚系と平衡系の両方に出る。回転性めまい、感音難聴、耳鳴、耳閉感の4徴が特徴じゃ。

サクラ サクラ

めまい発作はどのくらい続くんですか。

博士 博士

通常10分から数時間で、悪心・嘔吐を伴うことが多いのじゃ。発作を繰り返すうちに難聴が進行することもある。

サクラ サクラ

原因は何でしょうか。

博士 博士

根本原因は不明じゃが、ストレス、睡眠不足、過労、気圧変化、塩分過剰などが誘因となる。心身症的側面が強いのじゃ。

サクラ サクラ

だから静かな環境が大切なんですね。

博士 博士

その通り。音や光、動きなどの刺激は前庭系を興奮させめまいを悪化させるのじゃ。発作時は暗く静かな部屋で安静にするのが基本じゃ。

サクラ サクラ

選択肢2の「部屋を明るくする」は逆効果ですね。

博士 博士

光刺激は避けるのが正解じゃ。閉眼して視覚入力をカットすることも重要じゃぞ。

サクラ サクラ

選択肢3の「一点を凝視する」もダメなんですか。

博士 博士

凝視も眼球運動も前庭視覚反射を刺激してめまいを増悪させるのじゃ。閉眼が原則じゃ。

サクラ サクラ

嘔吐を伴う場合、仰臥位ではいけませんね。

博士 博士

仰臥位では吐物を誤嚥して窒息や誤嚥性肺炎のリスクがある。側臥位または顔を横に向けた体位が基本じゃ。

サクラ サクラ

耳鳴があるときに音を完全に遮断するのはどうですか。

博士 博士

意外に思うかもしれんが、完全な無音はかえって耳鳴を意識させ苦痛を強めるのじゃ。むしろ音響療法といって穏やかな環境音や好きな音楽を流す方が有効な場合が多い。

サクラ サクラ

マスキング効果というやつですね。

博士 博士

その通り。薬物療法としてはイソソルビドで内リンパ水腫を軽減したり、ベタヒスチンで内耳血流を改善したりするぞ。

サクラ サクラ

生活指導のポイントは、ストレス回避・規則正しい生活・十分な睡眠・塩分管理ということですね。

博士 博士

その通り。発作予防と発作時対応の両面で指導することが重要じゃ。

POINT

メニエール病は内リンパ水腫による回転性めまい・感音難聴・耳鳴・耳閉感を4徴とする疾患で、ストレスや過労が発症誘因となります。生活指導の基本は、ストレスを避け規則正しい生活を送ること、発作時には静かで暗い環境で閉眼し安静を保つこと、嘔吐を伴う場合は側臥位で誤嚥を防ぐことです。耳鳴に対しては完全な遮音ではなく音響療法が有効とされます。薬物療法と併用しながら、誘因回避と発作時対応を指導することが看護の要点となります。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:Ménière< メニエール >病( Ménièreʼs disease )の患者への指導内容について正しいのはどれか。

解説:正解は1です。メニエール病は内耳の内リンパ水腫を病態とする疾患で、回転性めまい発作・変動する感音難聴・耳鳴・耳閉感の4徴を特徴とします。発作は数十分から数時間続き、悪心・嘔吐を伴うことが多いです。原因は内リンパ液の産生・吸収バランス異常ですが、発症にはストレス・睡眠不足・過労・気圧変化などが強く関与するとされています。そのため生活指導では、ストレス軽減・規則正しい生活・十分な睡眠・塩分や水分の適切な管理が基本となり、発作時には静かで刺激の少ない環境で安静に過ごすことが重要です。光・音・動きなどの感覚刺激はめまいや嘔気を悪化させるため避けます。発作時は閉眼して安楽な体位(嘔吐があれば誤嚥予防のため側臥位)をとり、薬物療法(抗めまい薬・利尿薬・ビタミン剤など)を併用します。

選択肢考察

  1. 1.  静かな環境を保持する。

    音刺激はめまいや耳鳴を悪化させるため静穏な環境を保つことが重要です。ストレス軽減にもつながり発作予防の基本となります。

  2. × 2.  発作時は部屋を明るくする。

    光刺激は前庭系を興奮させめまいを増悪させるため、発作時はむしろ部屋を暗くし閉眼させて安静を保ちます。

  3. × 3.  めまいがあるときは一点を凝視する。

    眼球運動や視覚情報の入力はめまいと嘔気を誘発しやすいため、閉眼して安静を保つのが基本です。

  4. × 4.  嘔吐を伴う場合は仰臥位安静にする。

    仰臥位では嘔吐物を誤嚥して窒息や誤嚥性肺炎を起こす危険があるため、顔を横に向けるか側臥位にします。

  5. × 5.  耳鳴があるときは周囲の音を遮断する。

    完全な無音環境はかえって耳鳴を意識させ苦痛を増すことが多く、適度な環境音や好きな音楽の方が有効です(音響療法)。

メニエール病の薬物治療はイソソルビド(浸透圧利尿薬)による内リンパ水腫軽減、抗めまい薬(ベタヒスチン)、抗不安薬などが用いられます。難治例には鼓室内ステロイド注入や内リンパ嚢開放術なども行われます。

メニエール病の生活指導と発作時対応を問う問題。内リンパ水腫とストレス関与を理解し、刺激を避け安静を保つことが基本です。